花粉症やハウスダストで目がかゆい人へ|ザジテン点眼液の基本

花粉症やハウスダストで目がかゆい人へ
ザジテン点眼液の基本

花粉症で『ザジテン点眼液』を使っています。

「ザジテン点眼液0.05パーセント」は

目の表面(結膜など)で起きているアレルギー反応を抑えることで、

かゆみや炎症といった症状をやわらげます。

ザジテン点眼液0.05パーセントはオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

ザジテン点眼液0.05パーセントとは

ザジテン点眼液0.05パーセントは、抗アレルギー点眼薬です。
有効成分「ケトチフェンフマル酸塩(けとちふぇんふまるさんえん)」が、アレルギー反応に関わるヒスタミンなどの働きを抑えることで、アレルギー性結膜炎によるかゆみや充血などの症状をやわらげます。


特徴

ケトチフェンフマル酸塩の作用

ケトチフェンフマル酸塩は、アレルギー症状を引き起こす流れの中で、以下のような作用を持つ成分として知られています。

  • 抗ヒスタミン作用(ヒスタミンの働きをブロックする)
  • メディエーター(化学伝達物質)の遊離抑制作用
  • 抗PAF作用(血小板活性化因子の働きを抑える)

点眼薬としての工夫

この成分を点眼薬として使用できるようにしたのが「ザジテン点眼液0.05パーセント」です。
目の表面(結膜など)で起きているアレルギー反応を抑えることで、かゆみや炎症といった症状をやわらげます。

防腐剤への配慮

点眼薬は開封後、繰り返し使用されるため、通常は微生物の混入を防ぐ目的で防腐剤が加えられています。
しかし防腐剤は、角膜(かくまく)への刺激アレルギー性皮膚炎の原因になることがあります。

ケトチフェン点眼にも「ソフトコンタクトレンズの変色」に関する注意がありますが、これは防腐剤(ベンザルコニウム塩化物)が原因です。
コンタクトレンズ使用中の方は、使用方法の項目を必ず確認してください


効能・効果

  • アレルギー性結膜炎

有効性(国内試験より)

第III相試験の概要

アレルギー性結膜炎の患者さん262人を対象にした、日本国内での臨床試験があります。

比較されたのは:

  • ザジテン点眼(本剤)
  • クロモグリク酸ナトリウム点眼(既存の抗アレルギー薬)

使用方法:1回1〜2滴、1日4回
期間:4週間の連続使用

結果

  • 全般改善度:ザジテン群 66パーセント、比較薬群 63パーセント
  • 有意差は認められなかった(=両者に明らかな差はなかった)
  • ザジテン群では副作用は認められなかった

→ このことから、「強力な薬」というよりは、標準的な効果を持つ抗アレルギー点眼薬として安心して使えるお薬といえます。


用法・用量

通常、以下のように使用します。

  • 1回:1〜2滴
  • 1日:4回(朝、昼、夕方、就寝前)

症状が強いと「もっと使いたい」と感じるかもしれませんが、自己判断で増やさず、医師の指示に従って使用しましょう。効果が不十分な場合は、医師に相談してください。


使用できない方(禁忌)

以下の方は使用できません。

  • 本剤の成分にアレルギーがある方

以前にこの薬で、

  • まぶたが腫れた
  • 強いかゆみや発疹が出た

といった症状があった場合は、医師や薬剤師に必ず伝えてください


使い合わせに注意が必要な薬

飲み薬との重大な併用注意は特に記載されていませんが、点眼薬同士の使い方について注意が必要です。

  • 他の目薬を一緒に使うときは、5分以上あけてから点眼する
    (同時に点眼すると、効果が薄れたり、混ざることによる問題が出る可能性があります)

安全に使うためのポイント

添付文書には、使用時の注意点として以下が示されています。

  • 点眼時に容器の先端が目に触れないようにする(薬液が汚れないように)
  • 点眼したあと、1〜5分間目を閉じ、目頭を軽く押さえる
     → 薬が流れてしまうのを防ぎ、効果を高めます

ソフトコンタクトレンズ使用者へ

  • 点眼前にレンズを外し、15分以上経過してから再装用すること
    (ベンザルコニウム塩化物による変色を防ぐため)

副作用と発生頻度

副作用は必ず出るわけではありませんが、あらかじめ知っておくことで、いざというときに早く対応できます。

0.1パーセント〜5パーセント未満

  • 眼瞼炎(がんけんえん:まぶたの炎症)
  • 眼瞼皮膚炎(がんけんひふえん)
  • そう痒感(そうようかん:かゆみ)
  • 結膜充血(けつまくじゅうけつ)
  • 刺激感
  • 眠気

0.1パーセント未満

  • 角膜びらん(角膜の浅い傷)

頻度不明

  • 発疹、眼の腫れ(眼部腫脹や顔面浮腫など)
  • 眼痛、霧視(むし:かすんで見える)、眼の乾き、羞明(しゅうめい:まぶしさ)
  • 頭痛、口の渇き など

受診の目安

以下のような症状が現れたら、使用を中止し、すぐに医療機関を受診してください。

  • まぶたや顔が腫れる、強い発疹が出る
  • 目が強く痛む、急に見えにくくなった、ひどい充血が続く

まとめ

ザジテン点眼液0.05パーセントは、有効成分「ケトチフェンフマル酸塩」を含む抗アレルギー点眼薬です。
アレルギー性結膜炎に使用され、ヒスタミンの働きをブロックし、炎症やかゆみを抑えます

  • 基本の使い方:1回1〜2滴、1日4回
  • 他の目薬とは5分以上あけて使用する
  • 防腐剤が含まれる製品では、コンタクトレンズとの使い方に注意
  • 強い腫れや見えにくさ、目の痛みがあれば、早めに受診を

副作用は比較的少ないタイプのお薬ですが、安全に使うために用法・用量を守って使用しましょう。という方も、どうぞ受診時にお話しください。

参考文献・出典

KEGG DRUG:D01332(ケトチフェンフマル酸塩)
→ 成分データベース:KEGG DRUG

PMDA添付文書情報(医療従事者向け):
PMDA 医薬品情報検索

主要文献例
・三国郁夫ほか「臨床評価」17(2), 275-297 (1989)
・太田真一ほか「臨床医薬」4(11), 2183-2191 (1988)験

よくある質問(Q&A)


この薬の同じ系統の既製薬品に対する強みは?

ケトチフェン点眼液は、同じ「抗アレルギー点眼薬」に分類されるクロモグリク酸ナトリウムなどと比べて、2つの作用機序(ヒスタミン受容体ブロック+メディエーター遊離抑制)をあわせ持つ点が強みです。
特に「防腐剤無添加タイプ(ケトチフェンPF点眼液)」は、目の刺激を抑えたい方やコンタクト使用者にとって大きなメリットになります。

先発薬の発売年はいつ?

先発品「ザジテン点眼液0.05パーセント(ノバルティスファーマ)」は、1980年代に開発され、1990年代には日本で使用され始めたとされます。
具体的な承認・発売年の詳細な記録は少ないものの、文献や報告では1988〜1989年頃のデータが散見されます。

1か月(30日)処方時の薬価・自己負担額は?

製品名薬価(1本)1日4回使用での想定本数30日あたり薬価自己負担(3割)目安
ケトチフェンPF点眼液「日点」158.8円約2〜3本約477円約143〜150円
ザジテン点眼液(先発)273円約2〜3本約819円約245円

※点眼量や使用状況により消費本数は異なります。
※調剤料や技術料は含まれていません。薬局での支払い総額はこれより高くなることがあります。

この薬は使ってすぐ効く?どのくらい続く?

ケトチフェン点眼液は、点眼後15〜30分程度で効果が現れ始めます(※個人差あり)。
持続時間は6時間程度とされており、1日4回の投与設計はこの持続時間に基づいています。
症状が重い時には、最初の数日は効果を感じにくい場合もありますが、継続使用により改善が期待されます。

妊娠中でもこの薬は使えるの?

原則として、妊娠中の使用は避ける方が望ましいとされています。
添付文書では、「妊婦、または妊娠している可能性のある女性には有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用」とされています。

安全性データは限定的であり、動物実験での催奇形性(赤ちゃんへの影響)は報告されていませんが、ヒトでの十分なデータはありません
→ 妊娠初期(とくに12週以内)の自己使用は避け、医師と相談のうえ使用判断を行ってください。

授乳中に使っても大丈夫?

授乳中の使用は「使用可だが注意が必要」です。
経口投与では、母乳中に移行する可能性が示されていますが、点眼薬は全身への吸収が極めて少ないため、リスクは非常に低いと考えられています。

ただし、より安全を期すためには、

  • 点眼後は涙を軽く押さえる(目頭圧迫)
  • 授乳直後に点眼し、次の授乳まで時間を空ける

といった工夫でリスクを下げられます。
不安がある場合は、主治医または薬剤師に相談しましょう。

子どもでも使える?年齢制限はある?

ケトチフェン点眼液は、小児にも使用可能とされています。
ただし、年齢ごとの安全性データは限られており、医師の判断で処方されることが基本です。

使用時の注意点:

使用中にかゆみが悪化する、まぶたが腫れるなどの異変があれば中止して受診するる

保護者が正しい点眼をサポートすること

目をこすらせない、容器が目に触れないよう注意

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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