ロコアテープは何に効く?膝の痛みに効く貼り薬の効果・副作用・使い方まとめ

ロコアテープは何に効く?
膝の痛みに効く貼り薬の効果・副作用・使い方まとめ

腰痛に『ロコアテープ』を使っています。

ロコアテープは「湿布」タイプのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)ですが、

他の貼り薬よりも "しっかり効く" ことが強みです。

ロコアテープはオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

ロコアテープとは

ロコアテープは、
変形性関節症(主に膝など)の痛みや炎症をやわらげるために使う、処方せんが必要な貼り薬(テープ剤)です。

  • 一般名:エスフルルビプロフェン・ハッカ油製剤
  • 有効成分:エスフルルビプロフェン(非ステロイド性抗炎症薬)+ハッカ油
  • 分類:経皮吸収型鎮痛消炎剤(いわゆる「湿布」の強力版)
  • 製造販売:大正製薬
  • 規格:10cm×14cm(1日最大2枚まで使用)

皮膚から成分を吸収させて、痛みのある関節の深い場所まで薬を届けることを目的とした薬です。

ただし、2枚貼ったときの全身への吸収量は、フルルビプロフェンの飲み薬とほぼ同じになります。
つまり、「貼り薬だから安心」というわけではなく、内服薬と同じような注意が必要です。


ロコアテープの特徴

1)変形性関節症の“深い痛み”をターゲットにした設計

高齢化とともに、変形性関節症は非常に多くなっている病気です。
進行すれば、歩行困難や手術が必要になることもあり、早期からの痛みのコントロールが重要です。

従来のNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の飲み薬は効果的ですが、

  • 胃潰瘍や胃炎などの消化管の副作用が出やすい
  • 高齢者や持病のある方では腎臓や心臓への負担が心配

といった問題がありました。

そのため、

  • 胃への負担を減らすために「貼り薬」で
  • かつ、深い関節組織まで薬が届くように設計されたのがロコアテープです。

2)有効成分は「フルルビプロフェンの効く部分」だけ

ロコアテープに含まれるエスフルルビプロフェンは、
通常のフルルビプロフェンの中で「効果が強い部分(S体)」だけを取り出した成分です。

この成分は、痛みや炎症の原因となるプロスタグランジンという物質の産生を、
COX(シクロオキシゲナーゼ)という酵素をブロックして抑えます。

  • 経皮吸収性(皮膚から吸収される力)が高い
  • 関節の深部に届きやすい
  • 体からの消失が早く、副作用が出ても貼るのをやめれば回復しやすい

といった特長があります。

3)1日1回でOK、関節にフィットする設計

ロコアテープは1日1回の貼りかえでOK
飲み薬のように「飲み忘れ」の心配が少なくなります。

テープは、

  • 伸び縮みしやすい
  • 適度な固定力がある

ため、膝などの動く関節にも貼りやすく、はがれにくいように設計されています。
2020年には、はがすときの負担を減らす改良も行われています。

4)「2枚まで」の制限がある理由

ロコアテープは経皮吸収性が非常に高く、2枚貼ると飲み薬と同じくらい体に吸収されます。

そのため、

  • 1日最大2枚まで
  • 他のNSAIDs(飲み薬・湿布)との併用はなるべく避ける

という使用ルールがあります。


効能・効果

  • 変形性関節症における鎮痛・消炎

が、正式な効能として認められています。

よく使われる場面は:

  • 変形性膝関節症(膝の痛みや腫れ)
  • その他の関節の変形と痛み(股関節、指、足首など)

関節リウマチなどには、保険適応外です。


有効性(試験結果)

1)プラセボ(偽薬)との比較試験

変形性膝関節症の方に対し、

  • エスフルルビプロフェン含有パッチ(10mg、20mg、40mg)
  • 成分を含まないパッチ(基剤)

を2週間使用して比較しました。

評価方法:

  • 椅子から立ち上がるときの痛み
  • 痛みのものさし(VAS)0~100mmで患者さんが自己評価

結果:

  • どの用量でも痛みが軽くなった
  • とくに40mgでは、平均で35mmほど痛みが減少
  • 偽薬群との明確な差(統計的有意差)も確認されました

2)従来の貼付薬(フルルビプロフェン)との比較

ロコアテープ(40mg)と従来のフルルビプロフェン湿布を2週間比較しました。

  • 両方の薬で痛みは軽減
  • ロコアテープの方が平均で約10mm多く痛みを減らした
  • 統計的にも有意な差あり

3)長期試験(1年間)

1日1回、最長52週(約1年)使用した結果:

  • 73.1%の方が「中等度以上の改善」
    → 長期使用でも有効性が続くことが確認されています。

参考文献・出典

PMDA 添付文書(最新改訂:2024年12月)

PMDA「医薬品リスク管理計画(RMP)」関連資料

KEGG DRUG:D10746(薬剤の分子情報・作用機序)

Yataba I, et al., Eur J Clin Pharmacol., 72 (1), 53-59 (2016)

Sugimoto M, et al., Drug Dev Res., 77 (4), 206-211 (2016)

よくある質問(Q&A)


この薬(ロコアテープ)の同じ系統の薬との違いや強みは?

ロコアテープは「湿布」タイプのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)ですが、他の貼り薬よりも "しっかり効く" ことが強みです。

比較項目ロコアテープフルルビプロフェンテープ(例:フルカム)モーラステープ(ケトプロフェン)
有効成分エスフルルビプロフェン(S体)+ハッカ油フルルビプロフェンケトプロフェン
特徴効果の高い成分を単独抽出、高吸収性ラセミ体(効く成分+効かない成分の混合)光過敏や接触皮膚炎の注意が必要
経皮吸収性非常に高い(約48%)中程度中程度
臨床的な効果VASスコアでより高い鎮痛効果を示す効果あり効果あり
注意点貼付上限2枚/日、全身作用に注意比較的安全光に当てない、妊婦NG

要するに: 他の湿布薬と比べて、ロコアテープは“効き目重視で設計された進化型”といえます。

ロコアテープの先発薬はいつ発売されたの?

ロコアテープは、2015年9月に日本で承認・発売されました(大正製薬が販売)。

2024年12月に再審査通過(有効性・安全性の確認)

開発段階ではトクホンと共同開発

1か月分(30日)使うと薬価・自己負担額はいくら?

ロコアテープ薬価:33.3円/枚

1日2枚 × 30日 = 60枚

薬価:33.3円 × 60枚 = 1,998円

3割負担 | 約600円

 1割負担(高齢者等) | 約200円

※別途、診察料や処方箋料がかかります。

ロコアテープの作用発現時間と持続時間は?

作用発現時間(効き始め):約数時間以内(皮膚から成分が吸収されるまで)

持続時間:約24時間 → 通常は1日1回の貼付で効果が持続します。

妊娠中にロコアテープは使える?

妊娠後期の使用は禁止(禁忌)です。

妊娠中期・初期の使用も、必要最小限にし、医師の判断が必要です。

妊娠後期に使用すると、胎児の動脈管(どうみゃくかん)閉鎖や分娩遅延、羊水減少などのリスクがあります。

授乳中にロコアテープは使っていいの?

乳汁中に薬が移行する可能性あり(ラット実験で確認済)

ヒトでの安全性は確立していません。

使用する場合は、授乳を中止するか、医師と相談して慎重に使う必要ありです。

子どもに使ってもいいの?

小児を対象にした臨床試験は行われていません。

原則として、小児への使用は推奨されません。

使う場合は、医師が必要と判断したときに限り、慎重に使用されます。

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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