オングリザの効果と飲み方|糖尿病の薬をやさしく説明します
オングリザの効果と飲み方
糖尿病の薬をやさしく説明します

糖尿病があるので『オングリザ®錠』を使っています。

オングリザ®錠(一般名:サキサグリプチン水和物)は、
DPP-4(ジペプチジルペプチダーゼ-4)を選択的に阻害するお薬です。
食事により腸から分泌されるGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)というホルモンを壊れにくくし、
インスリンの分泌を助けて血糖値を下げる働きがあります。
オングリザ®錠はオンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
目次
オングリザ®錠とは
オングリザ®錠(一般名:サキサグリプチン水和物)は、DPP-4(ジペプチジルペプチダーゼ-4)を選択的に阻害するお薬です。
食事により腸から分泌されるGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)というホルモンを壊れにくくし、インスリンの分泌を助けて血糖値を下げる働きがあります。
適応は2型糖尿病で、食事・運動療法を行っても効果が不十分な場合に検討されます(単剤または他の糖尿病薬と併用可能)。
オングリザ®錠の特徴
開発の背景とポイント
- 米BMS社が創薬。2009年に米国・欧州で承認され、現在は世界90カ国以上で使用。
- 日本では2013年に承認されました。
- 1日1回の内服で効果があり、食前・食後のどちらでも服用可能。
- 単剤では低血糖を起こしにくいですが、併用薬による注意が必要です。
- GLP‑1受容体作動薬との併用は非推奨(安全性・有効性が確認されていないため)。
- 【薬価の目安(作成時点)】
先発品:2.5mg 48.2円/5mg 71.8円
後発品:2.5mg 26.9円/5mg 40.3円
効能・効果
- 2型糖尿病
※ただし、食事療法・運動療法を行っても効果が不十分な場合に限って適応されます。
※1型糖尿病、重症ケトーシス、糖尿病性昏睡/前昏睡には使用できません。
有効性(臨床試験からの知見)
単独療法
- 12週間試験:HbA1c −0.90%低下(5mg群)
プラセボとの差 −0.82%(有意差あり) - 24週間試験:HbA1c −0.34%、プラセボとの差 −0.62%
食後2時間血糖も有意に低下
長期投与(52週)
- HbA1cの低下は−0.35〜−0.51%で持続
併用療法(52週)
- α-GI:−0.83%
- ビグアナイド:−0.64%
- SU薬:−0.50%
- チアゾリジン系:−0.51%
- 速効型インスリン分泌促進薬:−0.60%
インスリン製剤との併用(16週)
- HbA1cのプラセボとの差 −0.92%(有意に改善)
🔍 心不全の既往がある方は注意
海外試験で心不全による入院がやや増加(ハザード比1.27[95%信頼区間1.07–1.51])という報告があります。
用法・用量
- 通常量:5mgを1日1回内服
- 腎機能が中等度以上に低下している方/透析中の末期腎不全:2.5mgを1日1回に減量
※目安:クレアチニンクリアランス <50 mL/min - 食事の影響は小さく、食前・食後どちらでも服用可能。
- 3か月間内服しても効果が不十分な場合は、治療変更を検討。
使用できない方(禁忌)
- 本剤成分に対する過敏症の既往歴がある方
- 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡/前昏睡、1型糖尿病
- 重症感染症、手術前後、重度の外傷(インスリン治療が望まれる状態)
飲み合わせに注意が必要な薬
❗低血糖リスクが増す薬
- SU薬、速効型インスリン分泌促進薬、インスリン製剤
→ 併用時は減量を検討 - その他の糖尿病薬(ビグアナイド、チアゾリジン、SGLT2阻害薬、α-GI、イメグリミンなど)でも注意
🔽作用が強まる薬(血糖が下がりすぎる)
- β遮断薬、サリチル酸剤、MAO阻害薬、フィブラート系
🔼作用が弱まる薬(血糖が上がりやすくなる)
- アドレナリン、ステロイド、甲状腺ホルモン
💊代謝に関わる薬
- CYP3A4/5阻害薬(例:イトラコナゾール、ジルチアゼム)
→ サキサグリプチンの血中濃度↑ - CYP3A4/5誘導薬(例:リファンピシン)
→ 作用が弱まる
🚫併用が非推奨
- GLP-1受容体作動薬との併用は、有効性・安全性が未確認
副作用とその頻度
🔴 重大な副作用
- 低血糖(0.5%):とくにSU薬・インスリン併用時に重症化
- 急性膵炎:持続する強い腹痛・嘔吐に注意
- 重いアレルギー反応:アナフィラキシー、血管浮腫、皮膚剥離など
- 腸閉塞(0.5%未満):強い便秘・腹痛・嘔吐
- 類天疱瘡(るいてんぽうそう):水ぶくれ・びらんが出たら皮膚科受診
- 心不全の悪化:息切れ、体重増加、むくみ、夜間の呼吸苦などに注意
⚠ 比較的みられやすい副作用
- 消化器:便秘、腹部不快感、下痢、悪心、逆流など
- 感染症様症状:鼻・喉の風邪症状、咳
- 皮膚:発疹、じんましん、かゆみ
- 検査値異常:肝機能(AST/ALT/γ-GTP)上昇
- 神経系:めまい、頭痛
- 全身症状:倦怠感、むくみ、筋けいれん
💡 低血糖・めまいがある場合は、車の運転や高所作業は避けましょう。
妊娠・授乳・小児への使用
- 妊娠中:有益性が危険性を上回る場合のみ使用
- 授乳中:動物で乳汁移行報告あり。医師と相談
- 小児:有効性・安全性は確立していません
まとめ(当院からのひとこと)
オングリザ®錠は、食後の高血糖改善に効果のあるDPP-4阻害薬で、1日1回の服用で使いやすいお薬です。
薬価も先発と後発で差があり、費用相談も可能
腎機能に応じて2.5mgと5mgを使い分ける
SU薬やインスリンとの併用では低血糖の対策が重要
膵炎や重い副作用にも注意
GLP-1受容体作動薬との併用は避ける
参考文献・出典
厚生労働省「医療用医薬品の添付文書」
→ PMDA医薬品情報検索サイトで「オングリザ」と検索
KEGG DRUG(ID:D09753)
→ 薬効・構造など専門情報が掲載されています
主要論文
- Scirica BM et al. N Engl J Med. 2013; 369: 1317-1326
- Upreti VV et al. Br J Clin Pharmacol. 2011; 72: 92-102
- 清野裕「薬理と治療」2014年42巻 503–534頁
よくある質問(Q&A)
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オングリザは他のDPP-4阻害薬と比べて何が違う?強みはある?
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オングリザ(サキサグリプチン)は、DPP-4阻害薬の中で世界的に早期に承認された薬です。
作用の安定性と代謝物の活性があり、1日1回の服用で24時間血糖をカバーできるのが特長です。同じDPP-4阻害薬との比較:
薬剤名 服用回数 代謝・排泄の特徴 主な違い オングリザ 1日1回 肝・腎の両方で排泄/活性代謝物あり 肝機能障害でも比較的使いやすいが、腎障害には減量必要 ジャヌビア(シタグリプチン) 1日1回 主に腎排泄 腎機能で用量調整が必要だが、代謝物は少ない グラクティブ(ビルダグリプチン) 1日2回 主に肝代謝 食事の影響を受けにくいが、1日2回投与 ネシーナ(アログリプチン) 1日1回 主に腎排泄 長時間作用型、代謝少なめ ▶ オングリザの強みは、「代謝物も活性を持つため、作用の持続性があること」と「長期使用実績が豊富」な点です。
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オングリザ(サキサグリプチン)の先発薬っていつから使われているの?
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オングリザは2009年に米国で承認され、日本では2013年3月に承認・5月に発売されました。
DPP-4阻害薬としては比較的初期に登場した薬で、長期の安全性データも蓄積されています。
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1か月分の薬代はいくら?薬価と自己負担の目安は?
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オングリザの薬価(2024年現在)は以下の通りです。
製剤名 1錠あたり薬価 30日分(1日1錠) 3割負担の目安 オングリザ錠2.5mg(先発) 48.2円 約1,446円 約435円 オングリザ錠5mg(先発) 71.8円 約2,154円 約646円 サキサグリプチン錠2.5mg「サワイ」(後発) 26.9円 約807円 約242円 サキサグリプチン錠5mg「サワイ」(後発) 40.3円 約1,209円 約363円 ▶ 実際の薬局での支払額(自己負担額)は、3割負担の場合、約240~650円程度が目安です。
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オングリザを飲むとどれくらいで効いて、どのくらい効果が続くの?
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効果が出るまでの時間(作用発現時間)
→ 内服後、0.8時間(約50分)で血中濃度が最大になります。効果の持続時間(半減期)
→ 有効成分は約6〜7時間で代謝されますが、活性代謝物が8〜10時間以上作用するため、1日1回で24時間カバー可能です。▶ 朝食前に内服しておけば、日中の血糖変動にしっかり対応できます。
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妊娠中にオングリザは使っても大丈夫?
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原則、妊娠中の使用は避けるべきです。
動物実験(ラット・ウサギ)では大きな催奇形性は見られませんでしたが、併用薬(メトホルミン)との組み合わせで胎児異常の報告があります。
▶ 治療上の必要性が高く、医師が妊娠中でも使用が必要と判断した場合に限り使用されます。妊活中も医師に相談しましょう。
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授乳中にオングリザを飲んでもいいの?
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ラットで母乳への移行が報告されており、人でも移行の可能性があります。
授乳中の使用は、医師と相談しながら、母乳を続けるか中止するかを検討する必要があります。
▶ 一般的には、授乳中の使用は避けた方が安全とされています。に安心度は高く、
授乳中でも比較的安全に使えます。
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子ども(小児)には使える薬なの?
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現時点で、オングリザは小児への使用は承認されていません。
日本国内では、小児を対象とした安全性・有効性のデータがないため、18歳未満の方への処方は行われていません。
▶ 小児糖尿病への治療は、インスリンなど別の治療法が優先されます。増してしまうため特に注意。
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
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【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
詳しいプロフィールはこちら
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