かゆみ・赤みにアズノール軟膏って効く?ステロイドじゃない塗り薬の話

かゆみ・赤みにアズノール軟膏って効く?
ステロイドじゃない塗り薬の話

子供のおむつかぶれで『アズノール』を使っています。

アズノールは乳幼児にも処方されることが多いです。

特におむつかぶれや軽い肌荒れなどに使われることが多く、安全性の高い薬です。

アズノールはオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

アズノール軟膏0.033%とは

アズノール軟膏0.033%は、ジメチルイソプロピルアズレン(別名:グアイアズレン)を有効成分とする非ステロイド性の外用消炎薬です。

主に次のような症状に使われます:

  • 湿疹(しっしん)
  • 軽い火傷(やけど)
  • 皮膚のただれ(びらん)や傷のような深い損傷(潰瘍〈かいよう〉)

ステロイドではないため、

「まずは刺激の少ない塗り薬から使いたい」
というケースで選ばれることがあります(※適応範囲内での使用が前提です)。


自己判断での使用や中止は避け、必ず医師の診察と指示に従ってください。


アズノール軟膏の特徴

● 由来

アズノールの有効成分は、ジャーマンカモミール(カミツレ)というハーブに含まれる「アズレン系成分」の研究から誕生しました。

1930年代、ドイツの研究者によって抗炎症作用が見いだされ、その後、

  • ヒスタミンの放出を抑える働き
  • 傷を治りやすくする効果(創傷治癒促進〈そうしょうちゆそくしん〉)

なども報告されました。

● 作用機序(さようきじょ)

アズノールは、次のような局所的な働きで炎症をおさえます:

  • 白血球が集まりすぎるのを防ぐ(白血球遊走〈ゆうそう〉の抑制)
  • アレルギーの原因物質「ヒスタミン」の放出をおさえる

また、一般的なNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)のようなプロスタグランジン(PGE₂)合成の抑制作用は示しません。つまり、副腎(ふくじん)など全身への影響は少ないと考えられています。

● 製剤の特徴

  • 基剤:精製ラノリンと白色ワセリン
  • 天然物由来のため、色やかたさに個体差が出ることがあります。
  • 一部液化することもありますが、薬の効果には影響ありません

効能・効果

以下のような皮膚の炎症やただれに使われます:

  • 湿疹(しっしん)
  • 熱傷(やけど)やその他による皮膚のびらん(ただれ)
  • 潰瘍(かいよう)※深めの皮膚損傷

目には使えません。眼科用ではありません。


有効性

― 国内での臨床試験成績 ―

以下は、日本国内で行われた臨床試験における有効率です(※効果判定例中、有効とされた割合)。

対象疾患有効率
湿疹60.6%(109/180例)
皮膚炎80.2%(130/162例)
熱傷89.7%(26/29例)
びらん性皮膚疾患87.5%(14/16例)
潰瘍性皮膚疾患86.5%(32/37例)

※試験条件により成績は異なります。処方の可否は個別の状態に応じて医師が判断します。


用法・用量

  • 通常、症状に応じて適量を1日数回、患部に薄く塗布します。
  • 使用前は患部を清潔にし、こすらずやさしくのばします。
  • 他の外用薬を使っている場合は、塗る順番や回数を医師に確認してください。

🚫 目に入れないでください。眼科用ではありません。


使用できない方(禁忌)

次のような方は使用できません:

  • 本剤成分(アズレン系)に過敏症の既往がある方
    → 以前に赤み・かゆみ・刺激感が出た経験がある場合は必ず医師に申告してください。

使用に注意が必要な方・場合

● 妊娠中・授乳中の方

  • 治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ使用します。
  • 授乳中は、授乳を続けるか中止するかを医師と相談してください。

● 他の薬との併用

  • 特定の併用禁忌薬は記載されていませんが、
    • ステロイド外用薬
    • 抗菌外用薬
    • 保湿剤など
      同じ部位に使う場合は、重ね塗りの順番・時間間隔などを医師に確認しましょう。

副作用とその頻度

● よくある副作用(0.1〜1%未満)

  • 皮膚刺激感
  • 熱感(あつく感じる)
  • かゆみ(瘙痒〈そうよう〉感)
  • ピリピリ感(ヒリヒリ)

● 稀な副作用(頻度不明)

  • 接触性皮膚炎(赤くただれる、かぶれるなど)

※再評価時の調査によると、副作用発生率は以下のとおりです:

  • 全体:0.51%(4例/784例中)
    • 熱感:0.26%
    • かゆみ:0.13%
    • ヒリヒリ感:0.13%

📌 異常を感じたらすぐに使用を中止し、医師の診察を受けてください。
長期使用・広範囲使用は自己判断で行わず、必ず医師に相談を。


まとめ

アズノール軟膏0.033%は、ステロイドではないタイプの消炎外用薬です。
次のような働きで、皮膚の炎症をやわらげます:

  • ヒスタミンの放出をおさえる
  • 白血球の集まりすぎを防ぐ

適応

  • 湿疹
  • 軽い火傷(熱傷)
  • びらんや潰瘍などの皮膚疾患

ポイント

  • 有効性:疾患ごとに60〜90%台の有効率
  • 副作用:比較的少なく、安全性も高い
  • 保存:遮光保管が必要
  • 妊娠・授乳中:要相談
  • 目には使えない(眼科用ではない)

ご相談ください

皮膚の状態や体質により、最適な塗り薬は人それぞれです。

「赤みやヒリつきが続く…」
「市販薬でよくならない…」

そんな時は、ぜひ医師にご相談ください。
当院でも、状態を丁寧に評価したうえで、本剤を含む治療法をご提案いたします。



参考文献・出典

KEGG DRUG:D01037
 → 薬効分類や成分データベース(https://www.genome.jp/kegg/drug/)

添付文書(JAPICまたはPMDA)
 → 最新の使用上の注意・副作用情報が確認できます。

日薬理誌(1958, 1960)、薬理と治療(1986)などの臨床論文
 → 開発初期の薬効データ、作用機序の研究報告

よくある質問(Q&A)


この薬の同じ系統の既製薬品に対する強みは?

アズノール軟膏0.033%の強みは、「非ステロイドでありながら抗炎症・創傷治癒効果がある」点です。

一般的な外用薬には、ステロイド(炎症を強く抑える)や保湿剤(皮膚を保護する)が多く使われますが、アズノールは:

  • ステロイドを含まず、副作用リスクが低い
  • 傷の治りを助ける作用もある
  • 抗ヒスタミンとは異なり、かゆみ・赤みの原因を根本から抑える

などが特徴です。
「まずは刺激の少ない薬から始めたい」「赤ちゃんや妊婦にも比較的安心な塗り薬を探している」といった場面で特に選ばれやすい薬です。

アズノール軟膏はいつから使われている薬?

初代「アズノール軟膏」は1958年7月に登場しました。

現在の「アズノール軟膏0.033%」という名前になったのは2005年2月です(製造承認を更新)。

70年近くにわたり医療現場で使われており、安全性・実績ともに信頼できる薬といえます。

アズノール軟膏の1か月処方時の薬価・自己負担は?

2023年時点の薬価は8.03円/gです。

例えば30日分(1日2g使用)を計算すると:

  • 必要量:約60g
  • 薬価:約481.8円
  • 自己負担(3割負担の場合):約145円+調剤料など

ただし、実際の負担額は調剤方法や保険種別で変動します。

アズノールは塗ってからどれくらいで効いてくる?効果はどのくらい続く?

アズノール軟膏は、即効性というより「じんわり炎症を鎮めていくタイプ」の薬です。

  • 塗って数時間以内に軽度の赤みやヒリヒリ感が和らぐことが多い
  • 効果のピークは数時間~半日程度
  • 持続時間は明確に定義されていないが、1日数回の使用が基本

強力な即効性ではないため、数日~1週間程度の継続使用で効果を判断します。

妊娠中にアズノール軟膏は使っていいの?

はい、妊娠中でも使用可能ですが、医師の判断が必要です。

添付文書上は、

「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合に使用すること」

とされており、安全性に大きな懸念は示されていません
ただし、自己判断で使わず、かならず医師と相談しましょう。

授乳中にアズノール軟膏を使っても大丈夫?

使用可能です。ただし、授乳の可否は医師と相談してください。

成分の母乳移行について明確な報告はありませんが、
添付文書では以下のように記載されています:

「治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討すること」

つまり、授乳中の使用も医師の判断のもとで行うのが原則です。

子どもにもアズノール軟膏は使えるの?

はい、アズノールは乳幼児にも処方されることがあります。

特におむつかぶれや軽い肌荒れなどに使われることが多く、安全性の高い薬です。

ただし、

  • 皮膚の状態が悪化している場合
  • 別の薬をすでに塗っている場合

には医師の確認が必要です。独自判断での使用は避けてください。

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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