車酔い・船酔いがつらい人に|病院で出される酔い止め「トラベルミン」って?

車酔い・船酔いがつらい人に|
病院で出される酔い止め「トラベルミン」って?

乗り物酔いで『トラベルミン配合錠』使えますか?

トラベルミン配合錠は、

吐き気・めまい・乗り物酔いなどの症状を改善する処方薬の酔い止めです。

抗ヒスタミン薬と、

中枢刺激作用を持つジプロフィリンの2つの成分が組み合わされており、

内耳や脳の嘔吐中枢の過敏さを落ち着かせる働きがあります。

トラベルミン配合錠はオンラインで処方することができます。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

トラベルミンⓇ配合錠とは

トラベルミンⓇ配合錠(一般名:ジフェンヒドラミンサリチル酸塩/ジプロフィリン)は、乗り物酔い(動揺病)やメニエール症候群に伴う
悪心(おしん:吐き気)・嘔吐(おうと:吐くこと)・めまい」をやわらげる**飲み薬(鎮暈剤(ちんうんざい))**です。

2つの有効成分がバランスよく働きます:

  • ジフェンヒドラミンサリチル酸塩(抗ヒスタミン薬):吐き気・嘔吐の元となる中枢を抑える
  • ジプロフィリン(テオフィリン誘導体):内耳の「迷路反応(めいろはんのう)」を鎮める

服用中は眠気が出やすいため、車の運転や危険な作業は禁止です。


トラベルミンⓇ配合錠の特徴

● 名称変更の背景

医療事故防止対策の一環として、旧「トラベルミン錠」から
「トラベルミン配合錠」へ販売名を変更
2009年6月に新たに製造販売承認されました。

● 成分と作用ポイント

成分役割効果
ジフェンヒドラミンサリチル酸塩抗ヒスタミン成分吐き気・嘔吐を抑える
ジプロフィリンテオフィリン誘導体めまい・ふらつきを抑える

※詳しい作用の仕組み(作用機序)はまだ完全にはわかっていませんが、
吐き気+めまい」の両方にアプローチできる点が特徴です。

● 用量設計がシンプル

  • 1回1錠が基本。必要に応じて1日3~4回まで調整可。

● 服用時のコツ

  • 噛まないで飲み込むこと(噛むと強い苦味や舌のしびれが出ることあり)

効能・効果

  • 動揺病(どうようびょう:船酔い・車酔い)による吐き気・嘔吐・めまい
  • メニエール症候群による吐き気・嘔吐・めまい

有効性(臨床試験結果)

対象有効率
動揺病(367例中336例)91.55%
メニエール症候群(61例中53例)86.89%

→ 古くから使われており、実績のあるお薬です。


用法・用量

  • 成人:通常1回1錠を経口で服用
  • 必要に応じて1日3~4回まで(年齢・症状で調整)

⚠ 注意点

  • 眠気が出やすい:運転・機械操作・高所作業はNG
  • 噛まないこと(苦味・しびれが出るため)

※小児や妊娠中の使用は個別にご相談ください(オンライン可)


使用できない方(禁忌)

❌ 絶対に服用できない人

  • **閉塞隅角緑内障(へいそくぐうかくりょくないしょう)**の方
     → 眼圧が上がって悪化するおそれあり
  • 前立腺肥大などで排尿がしにくい方
     → 尿が出にくくなる副作用が出やすい

⚠ 医師への事前相談が必要な人

  • 開放隅角緑内障
  • てんかん
  • 甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)
  • 腎臓に疾患がある方(特に急性腎炎)
  • 高齢者(副作用が出やすくなるため)
  • 妊婦:リスクとベネフィットを比較して判断
  • 授乳中:服用中は授乳を避けるのが望ましい
     → 母乳を通じて薬が移行し、赤ちゃんに眠気などの影響が報告されています。

飲み合わせに注意が必要な薬

● 併用に注意する薬や成分

種類注意点
中枢神経抑制薬・アルコール睡眠薬・抗不安薬・飲酒眠気・ふらつきが強くなる
モノアミン酸化酵素阻害薬(MAO阻害薬)一部の抗うつ薬などジフェンヒドラミンの作用が遷延・増強
他のキサンチン系・中枢興奮薬テオフィリン・カフェイン・エフェドリン興奮作用が強まりやすい

併用の可否は、必ず医師または薬剤師にご確認ください。


副作用と発生頻度

● 比較的よくある副作用(0.1~5%未満)

  • 眠気
  • 倦怠感(けんたいかん:だるさ)
  • 頭重感(ずじゅうかん:頭が重い感じ)
  • めまい
  • 口のかわき
  • 動悸(どうき:心臓がドキドキする)

● 頻度不明(報告があるもの)

  • 発疹(アレルギー症状)
  • 頭痛
  • 神経過敏(ちょっとした刺激で不安定になる)
  • 吐き気・嘔吐
  • 下痢 など

● 対処の目安

  • 眠気が強い/動悸/発疹/日常生活に支障が出た場合は
     → 服用を中止し、医療機関へ相談してください
  • 服用を開始するときは、予定のないタイミングで試すと安心です。

まとめ

  • トラベルミンⓇ配合錠は、乗り物酔いや耳の病気によるめまい・吐き気に対して、**高い有効性(動揺病:約92%、メニエール症候群:約87%)**を示す実績のある薬です。
  • 一方で、眠気が出やすいため、運転・作業には注意。
  • 緑内障(閉塞型)や排尿障害のある方は使用不可、その他、持病がある方は医師に必ず相談を。
  • 併用薬やアルコールとの相互作用にも注意が必要です。

参考文献・出典

PMDA医薬品医療機器総合機構:添付文書検索
 https://www.pmda.go.jp

KEGG DRUG データベース
 https://www.kegg.jp/dbget-bin/www_bget?dr:D04261

JAPIC 添付文書情報(アルフレッサファーマ)

PubMed論文例
 - Dostal LA et al., J Pharm Sci. 1989
 - Ratner B., J Pediatr. 1947
 - 国内論文(1950年代)では耳鼻科領域での有効性を示した報告もあり

よくある質問(Q&A)


トラベルミン配合錠とはどんな薬ですか?

トラベルミン配合錠は、吐き気・めまい・乗り物酔いなどの症状を改善する処方薬の酔い止めです。
**抗ヒスタミン薬(ジフェンヒドラミンサリチル酸塩)**と、**中枢刺激作用を持つジプロフィリン(テオフィリン誘導体)**の2つの成分が組み合わされており、内耳や脳の嘔吐中枢の過敏さを落ち着かせる働きがあります。

この薬の同じ系統の既製薬品と比べてどんな強みがありますか?

同じように酔い止め・めまい止めとして使われる薬には以下のようなものがあります:

薬剤名成分特徴
メクリジンメクリジン塩酸塩眠気が比較的少ない/めまいに特化
セファドールジメンヒドリナートトラベルミンと似た抗ヒスタミン系
トラベルミン配合錠ジフェンヒドラミンサリチル酸塩+ジプロフィリン2成分で吐き気+めまい両方にアプローチ/作用が早い/臨床実績が多い

特にトラベルミン配合錠は、

  • 迷路反応抑制(めまい)+嘔吐中枢抑制(吐き気)のダブル作用
  • 古くから使われているため、臨床データが豊富
    という点が強みです。

トラベルミン配合錠の先発薬はいつ発売されましたか?

「トラベルミン錠(旧名称)」としては長年使用されていましたが、
2009年6月に医療事故防止対策の一環で名称変更され
「トラベルミン配合錠」として製造販売承認されました。

トラベルミン配合錠を30日分処方された場合の薬価と自己負担額の目安は?

薬価(公定価格)6.1円/錠

1日3回×30日処方=90錠合計549円(薬価ベース)

▼ 自己負担額(3割負担の場合の目安)
約165円(+調剤料・薬局加算など)

トラベルミン配合錠は飲んでからどれくらいで効きますか?持続時間は?

作用発現時間(効果が出始めるまで)30分前後

持続時間(効果が続く時間)3~4時間程度

→ 旅行前や乗り物に乗る30分前の服用が推奨されます。

妊娠中でもトラベルミン配合錠は使えますか?

妊娠中の使用は、
**「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ可」**とされています。

原則は避け、どうしても必要な場合は医師と相談のうえ慎重に使用

授乳中に服用できますか?母乳への影響はありますか?

授乳中は、授乳を避けるのが望ましいとされています。

  • ジフェンヒドラミンは乳汁中に移行することが確認されており
  • 哺乳中の赤ちゃんに「昏睡(こんすい)」が報告された例もあります。

→ 授乳中に使用が必要な場合は、授乳を中止することが推奨されます。

子どもにトラベルミン配合錠は使えますか?

添付文書に小児用量の明記はなく、原則「成人用」です。

小児向けの酔い止めには、より安全性を考慮した別剤が選ばれることもあります。

小児に使う際は、年齢・体重に応じて医師の判断が必要です。

抗ヒスタミン成分が中枢神経に作用するため、眠気や興奮などが強く出ることもあるため注意が必要です。

この記事の監修者

佐田七海子