葛根湯っていつ飲むの?風邪のひき始めに効くって本当?

葛根湯っていつ飲むの?…
風邪のひき始めに効くって本当?

風邪の引きはじめに『葛根湯』使えますか?

葛根湯は、「汗が出ていない風邪の初期症状」に特化した処方です。

発汗を促す生薬(麻黄+桂皮)と、筋肉の緊張を緩める芍薬が入っており、

肩こり・頭痛・発熱・悪寒が同時にある状態に効果を発揮しやすく

比較的体力のある人向け(=証が合えば効果が早い)の処方です。

葛根湯はオンラインで処方が可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。


葛根湯(かっこんとう)とは

葛根湯は、漢方の古典『傷寒論(しょうかんろん)』に基づいた風邪の初期に使われる代表的な漢方薬です。
7つの生薬(葛根・麻黄・桂皮・芍薬・甘草・生姜・大棗)で構成されており、

寒気・発熱・頭痛・肩こりがあり、まだ汗が出ていない
そんな風邪の初期に特に向いています。


葛根湯の特徴

● 製剤としての工夫

葛根湯は、古典の処方に基づいて、水だけで煎じた生薬から有効成分を抽出。
たとえばツムラでは、**乾式造粒法(かんしきぞうりゅうほう)**という方法で顆粒化し、飲みやすく安定した製剤にしています。

● 生薬どうしの相乗効果

生薬主な作用
麻黄発汗・熱を下げる(エフェドリン類)
甘草炎症を和らげる(グリチルリチン酸)
芍薬筋肉のこわばりをやわらげる(ペオニフロリン)
生姜胃腸の調子を整える、温める(ショーガオール)

これらが組み合わさり、「寒気があって汗が出ていない風邪」に合った症状を整えます。

● 合う体質(証)

比較的体力があり、「まだ汗をかいていない」状態で、以下のような症状がある人に効果を発揮します。

  • 肩こり
  • 頭痛
  • 発熱や悪寒

効能・効果

以下のような状態に用います:

  • 感冒(風邪)・鼻かぜ、発熱をともなう病気の初期
  • 結膜炎・中耳炎・扁桃腺炎・乳腺炎などの炎症性の病気
  • 肩こり、上半身の神経痛、じんましん など

ポイント: 汗がまだ出ていない、初期の風邪に使うのが基本です。
汗をかいて体力を消耗している段階には向かないことがあります。


有効性(わかりやすく)

● 炎症を起こす物質を抑える

体の中で「痛み・熱・腫れ」などの原因になる
プロスタグランジンE₂(PGE₂)という物質の分泌を調整する作用があります。

● 免疫のバランスを整える

マウスの実験で、インフルエンザに感染させた際に以下の反応がありました:

  • **IL-1α(炎症を引き起こす物質)**の増加をおさえた
  • **IL-12(免疫を高める物質)**の増加がみられた

● アレルギー症状を抑える

アレルギー反応によって起こる腫れやむくみを抑える働きが報告されています。

● インフルエンザモデルでの効果

動物実験では、発熱をおさえ、死亡率を下げる効果も見られました。

ただし、これらは細胞や動物での実験結果であり、
実際の診療では「症状に合った対症療法」として使われます。


用法・用量

  • 成人:1日7.5g2〜3回に分けて、食前または食間に服用
  • 症状や体格に応じて医師が調整します

製品によって含まれる量や錠数が違うため、必ず医師の指示に従ってください。


使えない場合(注意が必要な方)

絶対に使ってはいけないとまでは書かれていませんが、以下のような方は注意が必要です:

  • 病後で体力がかなり落ちている方
  • 胃腸が弱く、食欲がない/吐き気がある方
  • 汗をかきやすい体質の方
  • 心臓に持病がある方(狭心症・心筋梗塞など)や高血圧
  • 尿が出にくい方
  • 甲状腺が過剰に働いている方(甲状腺機能亢進症)
  • 重い腎臓の病気がある方
  • 妊娠・授乳中の方(医師と相談)
  • 小児(医療用での試験なし)
  • 高齢者(減量などの配慮が必要)

飲み合わせに注意が必要な薬

以下のような薬と一緒に飲むと、動悸・不眠・興奮・脱力感などの副作用が出やすくなります。

薬の種類内容・例注意点
麻黄(エフェドリン)を含む薬小青竜湯、麻黄湯、市販の鼻炎薬(例:フェキソフェナジン+プソイドエフェドリン)不眠・動悸・興奮が出やすくなる
MAO阻害薬セレギリン、ラサギリンなど交感神経が刺激されやすくなる
甲状腺ホルモンチロキシン(T₄)、リオチロニン(T₃)同上
カテコールアミン系アドレナリン、イソプレナリンなど同上
キサンチン系テオフィリン、ジプロフィリンなど動悸や不眠に注意
甘草(グリチルリチン酸)含有薬芍薬甘草湯、補中益気湯、抑肝散など筋力低下・むくみなどの副作用(偽アルドステロン症)リスク上昇

☑ 他の漢方薬とも成分がかぶることがあるので、自己判断せず必ず相談を。


副作用

● 特に注意が必要な副作用(頻度不明)

副作用内容・症状
偽アルドステロン症筋力が落ちる、足がつる、むくみ、体重が増える、血圧が上がる
ミオパチー(筋肉の障害)力が入らない、手足がしびれる、動かしにくい
肝機能障害・黄疸倦怠感、目や肌が黄色くなる、尿が濃くなるなど

● その他の副作用(頻度不明)

  • 発疹・かゆみ
  • 不眠、発汗、動悸、精神的に落ち着かない感じ
  • 胃の不快感、吐き気、食欲不振
  • 排尿しにくい
  • 湿疹や皮膚炎の悪化

✋服用後に「動悸が強い」「夜眠れない」「足がつる」「体がだるい」などがある場合は、すぐに服用を中止して医療機関へ。


まとめ

妊娠中・授乳中・高齢者・持病のある方は、必ず専門家の確認を得てください。必ず医師や薬剤師に相談しましょう。併用できる?」などの疑問は、症状や体質に応じて変わります。医師と相談しながら、最適な治療を一緒に見つけていきましょう。

葛根湯は、寒気・発熱・肩こりなどをともなう風邪の初期に向いた漢方薬です。

「まだ汗をかいていない」「体力は比較的ある」といった体質(証)に合えば効果を発揮します。

合わないと感じたら無理に続けず、医師・薬剤師に相談を。

他の漢方薬や市販薬(特に風邪薬や鼻炎薬)と重なる場合は、副作用のリスクが上がるため注意が必要です。


参考文献・出典

🧾 公的資料

📚 主な論文

松田秀秋ほか, 和漢医薬学会誌 1990

Kutsuwa M. et al., Phytomedicine 1998

Nakahata N. et al., 和漢医薬学雑誌 1998

Kurokawa M. et al., Antiviral Research 2002

よくある質問(Q&A)


葛根湯って、他の風邪薬(同じ系統の漢方薬)と比べて、どんな強みがあるの?

葛根湯は、**「汗が出ていない風邪の初期症状」**に特化した処方で、以下の点が他の漢方薬と異なる強みです:

  • 肩こり・頭痛・発熱・悪寒が同時にある状態に効果を発揮しやすい
  • 比較的体力のある人向け(=証が合えば効果が早い)
  • 発汗を促す生薬(麻黄+桂皮)と、筋肉の緊張を緩める芍薬が入っており、頭痛や肩こりへの即効性があるとされる

他の代表的な漢方薬との違い:

漢方薬特徴
小青竜湯水様性の鼻水やくしゃみなどアレルギー系の風邪に向く
麻黄湯強めの寒気と発熱があり、汗をかいていない風邪初期に用いるが、葛根湯より刺激が強め
桂枝湯体力がなく、汗をかいてしまっている人に向く

葛根湯の医療用製剤は、いつ発売されたの?

ツムラ葛根湯エキス顆粒(医療用)は、
1985年(昭和60年)5月31日付けで製造承認されています。

漢方の古典「傷寒論」に基づく処方を、ツムラ独自の「乾式造粒法」で顆粒化したものです。

葛根湯を30日間処方された場合、薬価と自己負担はいくらくらい?

医療用エキス製剤(例:ツムラ葛根湯エキス顆粒)の薬価は 13.4円/g
通常処方では 1日7.5g×30日=225g

費用項目金額(概算)
薬価(225g×13.4円)約3,015円
自己負担(3割負担の場合)約905円
※1割負担の場合約300円

※診察料・調剤料・他の薬剤が加わると、全体費用はもう少しかかります。

葛根湯の効果って、どれくらいで出る?どのくらい続く?

一般的に、葛根湯は服用から30分~数時間以内に発汗や体の温まりを感じることがあります。

  • 作用発現時間: 比較的早い(30分~2時間程度)
  • 持続時間: 4~6時間ほど(個人差あり)

※効果を実感するには「証(体質・症状)」が合っていることが重要です。になります。

妊娠中に葛根湯を飲んでも大丈夫?

基本的には、妊娠中の使用は医師の判断が必要です。

  • 葛根湯に含まれる 麻黄(エフェドリン類)甘草(グリチルリチン酸) は、
     高血圧・むくみ・胎児への影響の可能性が指摘されています。
  • 特に妊娠初期は、自己判断での服用は避けるべきです。

医師が「治療上の有益性が危険性を上回る」と判断した場合にのみ使用されます。

授乳中に葛根湯を飲んでもいいの?母乳に影響は?

葛根湯の成分は、母乳中に移行する可能性は否定できませんが、詳細なデータはありません。

授乳を一時中断するかどうかも、医師の判断によって決定します。

授乳中の使用は 医師と相談のうえで可否を判断します。

特に 麻黄(エフェドリン類) が母乳を通じて赤ちゃんに影響するリスクがあるため、注意が必要です。

子どもにも葛根湯は使えるの?年齢や注意点は?

子どもへの使用は、年齢・体重・体質(証)に応じて慎重に判断する必要があります。

市販の小児用葛根湯(クラシエなど)はありますが、必ず薬剤師・医師に相談して使用しましょう。

医療用製剤では、小児を対象とした臨床試験は実施されていません。

小児用量の設定はあるものの、「証が合わない」場合はかえって症状が悪化することも。

この記事の監修者

佐田七海子