ボラザG軟膏ってどんな薬?いぼ痔・きれ痔の出血や痛みに

ボラザG軟膏ってどんな薬?
いぼ痔・きれ痔の出血や痛みに

痔があるので『ボラザG軟膏』処方してほしいです

ボラザG軟膏は、ステロイドを含まないトリベノシドと

表面麻酔作用のあるリドカインを配合したお薬です

ボラザG軟膏はオンラインで処方することができます。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

ボラザG軟膏とは

ボラザG軟膏は、トリベノシドリドカインを配合した“小容器入り軟膏(なんこう)”の痔(じ)のお薬です。

  • 痔核(じかく/いぼ痔)や裂肛(れっこう/きれ痔)にともなう
    出血・痛み・腫れをやわらげ、
    傷の治りを助ける目的で使用されます。
  • 坐剤(ざざい/肛門に入れる固形の薬)のように形が決まっていないため、
    肛門内に注入(ちゅうにゅう)することも、外から塗ることもできる使いやすさが特長です。

ボラザG軟膏の特徴

● ステロイドを使っていない

  • 有効成分トリベノシドは、傷の治りを早める作用があります。
    ステロイドのように治りを遅らせる心配がありません

● 痛みへの配慮

  • リドカインという局所麻酔成分を配合。
    表面の痛みをやわらげる作用があります。

● 使いやすさ

  • 指を汚さず注入でき、小容器で携帯にも便利。
    坐剤の挿入がむずかしい方にも向いています。

● 開発の背景

  • トリベノシドは1957年にスイスで合成された糖(とう)誘導体
  • 日本では以下の順で登場:
    • 1978年:経口剤(けいこうざい)
    • 1983年:坐剤(ざざい)
    • 1994年:軟膏(なんこう)
  • 軟膏化により、内痔核だけでなく外痔核・裂肛にも使用可能になりました。

効能・効果

  • 痔核にともなう
    出血・痛み・腫れの緩和(かんわ)
  • 裂肛にともなう
    出血・痛みの緩和、および
    傷の皮ふの再生(上皮化:じょうひか)促進

有効性(臨床試験による改善率)

※すべて国内試験/治療期間は原則1日2回・2週間
非盲検試験(偽薬との比較ではない)である点にご注意ください。

● 内痔核(外痔核を合併する例も含む)

  • 第II相試験:改善率 73.3%(44/60)
  • 第III相 群間比較:
    • ボラザG軟膏:70.2%(92/131)
    • 坐剤:67.2%(86/128)
       → 坐剤と同程度の効果が示されました。

● 外痔核

  • 一般臨床試験:改善率 69.0%(40/58)

● 裂肛

  • 第II相試験:改善率 76.0%(19/25)
  • 第III相試験(対照薬と比較):
    • ボラザG軟膏:83.7%(118/141)
    • 対照薬:76.5%(101/132)
      ※大腸菌死菌浮遊液+ヒドロコルチゾン軟膏との比較

用法・用量(使い方)

● 内痔核の場合

  • 1回1容器分(トリベノシド200mg+リドカイン40mg)を
    1日2回(朝・夕)肛門内に注入します。

● 裂肛・外痔核の場合

  • 1日2回(朝・夕)、適量を患部に塗布または肛門内へ注入します。

※補足

  • 使用回数は症状に応じて医師が調整します。
  • 他のトリベノシド製剤・リドカイン製剤と併用する場合は、必ず医師へ相談を。

使用できない方(禁忌)

以下に該当する方は使用できません

  • 本剤の成分(トリベノシド、リドカインなど)にアレルギー歴のある方
  • アニリド系局所麻酔薬(リドカイン等)にアレルギー歴のある方

また、以下の方は使用前に医師へご相談ください:

  • 妊娠中・授乳中の方
  • 気管支ぜんそく・アレルギー性鼻炎の既往がある方
  • 関節リウマチの方
  • 高齢者

飲み合わせに注意が必要な薬(相互作用)

● ワルファリン(抗凝固剤)

  • 血液が固まりにくくなる作用が強まる可能性があります。
  • 併用時は用量調整・PT-INRの定期チェックなどが必要です。

● 他のトリベノシド/リドカイン製剤

  • 血中濃度が上昇するおそれあり。
     → 自己判断での併用は禁止、医師にご相談を。

副作用とその頻度

● 重大な副作用(頻度不明)

  • アナフィラキシー(急なアレルギー反応)
    • 顔・まぶたの腫れ
    • じんましん
    • 息苦しさ
      使用を中止し、すぐに受診してください。

● その他の副作用(多くは軽度)

  • 発疹・かゆみ・刺激感
  • 下痢・吐き気
  • 動悸など

● 副作用の発生率

調査種別発生率対象数
承認時調査1.26%7/554例
市販後調査0.65%19/2,909例

※副作用は比較的まれですが、異常を感じた場合はすぐに医師へご相談を。


まとめ

強い痛み・出血・長引く症状は、痔以外の疾患の可能性もあります。
→ 自己判断で長期使用せず、早めに医師の診察を体質に応じて変わります。医師と相談しながら、最適な治療を一緒に見つけていきましょう。

ボラザG軟膏は、ステロイドを含まないトリベノシドと表面麻酔作用のあるリドカインを配合したお薬です。

出血・痛み・腫れをやわらげ、傷の治りを促す作用があります。

内痔核・外痔核・裂肛に広く対応し、注入・塗布の両方に対応
→ 坐剤が使いにくい方にも有用です。

国内臨床試験での有効性は確認されていますが、偽薬との比較ではない点には留意を。

飲み合わせ(特にワルファリン)やアレルギー体質の方は要注意


参考文献・出典

【添付文書(天藤製薬)】
→ JAPIC、PMDAで検索可能

【KEGG DRUG】

トリベノシド(D01095)
リドカイン(D00358)
配合剤(D04688)

よくある質問(Q&A)


ボラザG軟膏って、どんな痔の薬なの?

ボラザG軟膏は、痔核(いぼ痔)や裂肛(きれ痔)による「出血・痛み・腫れ」などの症状をやわらげるお薬です。
傷の治りを促すトリベノシドと、痛みを感じにくくするリドカイン(局所麻酔)の2つの成分が入っています。

他にも痔の薬はあるけど、ボラザG軟膏の強みって何?

ステロイドが入っていない → 傷の治りを遅らせず、長く使いやすい

注入も塗布もOKな軟膏タイプ → 坐剤のように入れづらさがない

いぼ痔・きれ痔どちらにも使える → 裂肛にも効能が認められているのが特長

抗浮腫作用・創傷治癒促進作用の両方をもつ → 単なる「炎症止め」とは異なる点

この薬はいつからあるの?古い薬?

経口タイプ(カプセル):1978年発売

坐剤タイプ:1983年発売

軟膏タイプ:1994年発売
→ 実績のあるロングセラー薬です。

1か月分(30日)処方されたら、薬価はいくら?自己負担額は?

参考価格)

容器数薬価合計(28.2円/g)自己負担目安(3割)
60本(1日2回×30日)約1,692円約510円

※薬局での調剤料や指導料を含めると、自己負担1,000円前後になることもあります(あくまで目安)。

どれくらいで効く?効果が出るまでの時間や持続時間は?

リドカイン:塗ってから数分以内に表面のしびれ感(麻酔効果)を感じることがあります。効果は1~2時間程度持続。

トリベノシド:作用機序がはっきりしていませんが、数日~1週間程度で出血や腫れの軽減が期待できます。
→ 症状が軽快しない場合は、再受診をおすすめします。

妊娠中でも使えるの?

原則として、「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合」にのみ使用とされています。

妊娠中は皮膚の血流も変化しやすく、成分吸収のリスクもあります。

使用する場合は、必ず産婦人科と連携したうえで医師の判断が必要です。

授乳中は使っても大丈夫?

トリベノシド・リドカインともに母乳への移行に関するデータは限られています

リドカインは大量使用や頻回使用で母乳中に移行する可能性がありますが、通常の外用使用では影響は少ないとされています。

授乳を継続するか、薬を使うかは医師と相談のうえで判断してください。す。

子どもにも使える?

ボラザG軟膏は小児への安全性は確立していません

小児対象の臨床試験は実施されておらず、使用経験も少ないため、原則として医師の判断が必要です。

アレルギー体質のあるお子さんには慎重に。

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
詳しいプロフィールはこちら