ミストタイプで吸いやすい吸入薬|スピリーバ®の効果と副作用とは?
ミストタイプで吸いやすい吸入薬
スピリーバ®の効果と副作用とは?

喘息で『スピリーバ』を吸入しています。

長時間作用する、抗コリンタイプの喘息の吸入薬ですね。
スピリーバ®レスピマットはオンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
目次
スピリーバ®レスピマットとは?
スピリーバ®レスピマットは、長く効く抗コリン薬であるチオトロピウム臭化物水和物を、専用の吸入器(レスピマット®)でソフトミストとして吸入するお薬です。
💡 抗コリン薬とは?
神経の伝達をブロックすることで気道を広げて呼吸を楽にする薬のことです。主にCOPDや喘息の治療に使われます。
スピリーバ®レスピマットの特徴
- 少ない量でもしっかり肺に届く
- 吸入が簡単
- 1日1回で長時間効果が続く
患者さんにやさしい吸入薬です。
効能・効果
有効性(主な臨床試験結果)
▶ COPDに対する効果
- 国内試験(147例)
従来の粉末タイプ(18µg)と比較して非劣勢(=効果が劣らない)を確認
→ トラフFEV₁(息を吐く力)の改善量差:+0.008L - 海外1年試験(1,990例)
プラセボに比べて**+0.09L改善**
→ 息切れの改善、生活の質(QOL)向上にも有意差あり
→ 急性増悪(症状の急な悪化)を抑え、初回発生までの時間を延ばす効果も認められました
▶ 気管支喘息に対する効果
- 重症持続型喘息(約900例)
ピークFEV₁が**+0.09〜0.15L改善**
→ 重度の増悪リスクを約23%低下 - 中等症持続型喘息(約2,100例)
2.5µg・5µgのいずれも、プラセボより肺機能が有意に改善 - 国内試験(285例・52週)
1年間、効果が持続し、安全性も良好と評価されました
用法・用量(成人)
【気管支喘息】
- 通常は1.25µg製剤 × 2吸入(=2.5µg)
- 症状が強い場合は2.5µg製剤に増量可
【COPD】
- 2.5µg製剤 × 2吸入(=5µg)
使用方法のポイント
- 吸入器を縦に立て、カートリッジを装着
- 初回使用時は空噴霧(プライミング)を4回行う
- 息を吐き、マウスピースをくわえる
- ゆっくり深く吸いながらボタンを押す
- 10秒間息を止めてから、ゆっくり吐く
- この動作を2回連続で行う
使用できない方(禁忌)
以下に該当する方は使用できません:
- **閉塞隅角緑内障(へいそくぐうかくりょくないしょう)**の方
→ 眼圧が上がり、症状が悪化するおそれがあります - 前立腺肥大などによる排尿障害がある方
→ 尿がさらに出にくくなる可能性があります - チオトロピウムやアトロピン系薬にアレルギーのある方
飲み合わせに注意が必要な薬
スピリーバ®レスピマットを使う際には、以下の薬との併用に注意が必要です。
● 抗コリン薬(気道を広げる薬)
例:イプラトロピウム(アトロベント®など)
同じような作用を持つため、
口の渇きや排尿障害などの副作用が強く出る可能性があります。
● CYP3A4/2D6阻害薬(薬を分解する酵素の働きを抑える薬)
CYPとは:体内で薬を分解する酵素。
「CYP3A4」「CYP2D6」は、薬の代謝に関わる主要な酵素です。
阻害薬は、その働きを弱めてしまう薬のことです。
例:ケトコナゾール(抗真菌薬)、**リトナビル(抗ウイルス薬)**など
これらの薬を併用すると、
スピリーバの血中濃度(体内に残る薬の量)が少し上がる可能性があります。
通常の量では大きな問題になることは少ないですが、腎機能が低下している方は特に注意が必要です。
副作用と発生頻度
| 頻度 | 症状例 |
|---|---|
| 1%以上 | 口渇(こうかつ)(1.9%) |
| 1%未満 | 便秘、動悸(どうき)、咳、鼻血など |
| 頻度不明 | 心不全、心房細動、腸閉塞(ちょうへいそく)、緑内障の悪化、 アナフィラキシー(重いアレルギー反応)など |
🚨 異常を感じた場合は、すぐに医師に相談してください。
まとめ
- 1日1回・2吸入で24時間効果が持続する吸入薬
- COPD・気管支喘息の長期的管理に有効
- 粉末タイプの1/4の用量で同等の効果
- ソフトミストで吸入が苦手な人にも使いやすい
- 緑内障や排尿障害のある方は使用不可
- 主な副作用は口の渇き
- 薬の飲み合わせにも注意(特に抗コリン薬・CYP阻害薬)
参考文献・出典
【インタビューフォーム(IF)】
https://www.pmda.go.jp
※「スピリーバ® インタビューフォーム」で検索
【くすりのしおり(医薬品インフォメーション)】
https://www.rad-ar.or.jp
【製品電子添文(PMDA掲載)】
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/
【論文データベース】
PubMed(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)にて「tiotropium」「COPD」「asthma」などで検索
よくある質問(Q&A)
-
この薬(スピリーバ®レスピマット)って、他の吸入薬と比べてどこが優れているの?
-
「低用量なのにしっかり効く」「吸入しやすくミストがやさしい」ことが大きな強みです。
具体的には…
- 他の抗コリン薬(例:アトロベント®など)に比べて、肺のM3受容体に強く・長く作用します。
- 1日1回の吸入で24時間効果が持続するため、吸入回数が少なくて済むのもメリット。
- 専用デバイス「レスピマット®」は、微細なソフトミストをゆっくり噴霧するので、息の勢いが弱い人や高齢者にも吸いやすいです。
吸入効率が高く、同等の効果をより少ない用量で実現可能
チオトロピウムは「M3受容体からの解離が遅い」=選択的かつ持続的な効果がある
-
スピリーバ®はいつから使われている薬なの?
-
日本では2004年に粉末カプセルが承認され、2010年からレスピマット®タイプが使われています。
2014〜2016年:気管支喘息にも適応が広がり、軽症〜重症までカバー
2004年:粉末カプセルタイプ(18µg)がCOPD治療薬として日本で承認
2010年:吸入しやすさを改良したレスピマット®タイプが承認
-
1か月分(30日)の薬代ってどれくらい?自己負担の目安も知りたい。
-
薬の種類によって異なりますが、3割負担でおおよそ1,700〜3,100円前後です。
製剤 1日用量 薬価(1キット/60吸入) 自己負担(3割負担時の目安) スピリーバ®1.25µg 2.5µg/日 約1,766円 約530円 スピリーバ®2.5µg 5µg/日 約3,101円 約930円 ※1日2吸入×30日=60吸入で1キット使い切ります。
※薬局での調剤料や処方料は別途かかります。
-
効果はどれくらいで出て、どれくらい続くの?
-
吸入後すぐに作用し始め、**1日(24時間)しっかり続きます。
持続時間:24時間(つまり、1日1回の吸入でOK)
作用発現時間(効果が出るまで):吸入後5〜10分以内
最大効果の発現時間:約1〜3時間後
-
妊娠中でもこの薬は使って大丈夫?
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基本的には慎重な判断が必要です。
- 動物実験では胎児への明確な悪影響は報告されていませんが、
妊娠中の使用については「必要性がある場合のみ」とされています。 - 妊娠初期は特に注意が必要で、医師と相談の上で使用可否を判断してください。
- 動物実験では胎児への明確な悪影響は報告されていませんが、
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授乳中でも使っていいの?母乳に薬は出るの?
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基本的には使用可能ですが、赤ちゃんへの影響に注意が必要です。
授乳中の使用は「注意して使うこと」とされています
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子どもにも使える薬なの?
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スピリーバ®レスピマットは、12歳以上の子どもに対して使用が認められています。
- 日本では小児(12歳未満)への使用は承認されていません。
- 12歳以上の小児喘息患者には、重症例において医師の判断で使用されることがあります。
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粉末タイプ(カプセル吸入)とどっちがいいの?
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吸入が苦手な人や高齢の方には、レスピマット®のミストタイプが向いています。
特徴 粉末タイプ(カプセル) ミストタイプ(レスピマット) 吸入方式 吸う力で吸引 自動噴霧(ミスト) 吸入のしやすさ 要努力吸入(強く吸う) ゆっくり吸えばOK 投与量 18µg 1.25〜2.5µg(少量で効く) 使用頻度 1日1回 1日1回(同じ)
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
-
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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