ヤーズってどんな薬?生理のつらさを減らすために知っておきたいこと
ヤーズってどんな薬?
生理のつらさを減らすために知っておきたいこと

月経が辛くて『ヤーズ配合錠』を使っています。

ヤーズ配合錠は、女性ホルモンの変動を抑えながら、
月経困難症による痛みや生活の質(QOL)低下を改善できるお薬です。
ヤーズ配合錠はオンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
ヤーズ配合錠とは
ヤーズ配合錠は、ドロスピレノン(3mg)とエチニルエストラジオールベータデクス(0.020mg)を含む、低用量エストロゲン・プロゲスチン(EP)製剤です。
1シートに実薬24錠+プラセボ4錠を含み、28日間連続して服用することで、月経困難症(げっけいこんなんしょう)の痛みや不快な症状をやわらげます。
ヤーズ配合錠の特徴
● 第4世代プロゲスチン「ドロスピレノン」を採用
ドロスピレノンは、自然な黄体ホルモン(プロゲステロン)に近い作用を持ち、利尿作用のある抗ミネラルコルチコイド効果も示します。
● 日本で最も少ないエチニルエストラジオール量(0.020mg)
女性ホルモン(エストロゲン)の量を抑えることで、吐き気やむくみなどの副作用のリスクを低減しています。
● 24日間の実薬+4日間の休薬スケジュール
従来の「21日間実薬+7日間休薬」と比べ、休薬期間を短くすることで、ホルモンの変動を抑え、頭痛や下腹部痛などの症状を軽減します。
効能・効果
● 月経困難症(器質性の有無を問わず)
- 排卵の抑制
- 子宮内膜の増殖抑制
これにより、痛みの原因となるプロスタグランジンの産生を抑え、月経痛や過多月経(かたげっけい)を改善します。
有効性(臨床試験)
● 国内での二重盲検試験(最大4周期)
- ヤーズ投与群の月経困難症スコアは、−1.9(投与前:4.0)と有意に改善
- プラセボ群では**−1.0**(投与前:4.0)
● 長期投与試験(52週)
- **中間期出血の発現率は12.6%**で許容範囲内
- 痛みの軽減効果が1年間持続
- 安全性も良好と評価されました
用法・用量
- 1日1錠を毎日同じ時刻に、シートの矢印どおりに28日間連続で服用します。
- 服用開始は月経第1日目からが原則です。
● 飲み忘れた場合の対応
- 1日忘れた場合
→ 気づいた時点で前日分を服用し、当日分も通常の時刻に服用 - 2日以上忘れた場合
→ 前日分1錠+当日分1錠を服用し、その後は予定どおりに継続
※ 29日目から次のシートを開始し、周期を空けないことが重要です。
使用できない方(禁忌)
以下のような方には使用できません。
- 35歳以上で1日15本以上喫煙している方
- 血栓症(けっせんしょう)や脳卒中、心筋梗塞の既往またはそのリスクがある方
- 前兆を伴う片頭痛のある方
- 重い肝臓・腎臓の病気がある方
- **エストロゲン依存性悪性腫瘍(にゅうがん等)**のある方
- 未治療の異常性器出血がある方 など
飲み合わせに注意が必要な薬
| 主な薬剤群 | 影響 | 注意点(例) |
|---|---|---|
| 酵素誘導薬 | 効果の減弱、不正出血の増加 | リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン |
| 抗真菌薬 | ヤーズの血中濃度↑ | フルコナゾール、ボリコナゾール |
| カリウム保持薬 | 高カリウム血症のリスク | スピロノラクトン、ACE阻害薬、ARB |
| 一部の抗菌薬 | 効果の減弱 | テトラサイクリン系、ペニシリン系 |
| セイヨウオトギリソウ | 効果の減弱 | サプリ・健康食品での摂取に注意 |
副作用と発生頻度
● よくある副作用(発現率5%以上)
- 頭痛:41%
- 悪心(おしん):29.8%
- 不正子宮出血:25.4%
● 重大な副作用(頻度不明)
- 血栓症(けっせんしょう):以下のような症状に要注意
- 急な下肢の痛み・はれ
- 突然の息切れ・胸の痛み
- 激しい頭痛、手足のまひ、視力障害 など
→ これらの症状が出た場合は直ちに服用を中止し、救急受診が必要です。
特に以下の状況ではリスクが高まります:
- 服用開始後最初の3か月
- 長時間の安静
- 手術後
- 喫煙者
まとめ
ヤーズ配合錠は、女性ホルモンの変動を抑えながら、月経困難症による痛みや生活の質(QOL)低下を改善できるお薬です。
24日間実薬+4日間休薬というスケジュールにより、副作用リスクも抑えられています。
ただし、血栓症のリスクがある方や禁忌に該当する方は使用不可です。
服用中の体調変化や他の薬との併用が気になる場合は、自己判断せず医師に相談しましょう。
参考文献・出典
医中誌、PubMed、JAPICなどで「YAZ 月経困難症」「ドロスピレノン」などで検索すると、国内外の臨床試験データが確認できます。
PMDA(医薬品医療機器総合機構):
添付文書や審査報告書 → https://www.pmda.go.jp
KEGG DRUG(D09741):
薬の分類、構造、作用機序など → https://www.genome.jp/kegg/
よくある質問(Q&A)
-
内服していますが、休薬を前に出血しています。
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内服を継続ください。1、2か月継続していただくと、出血は収まってきます。
続くようでしたら、婦人科でご相談ください。
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同じ系統の薬(EP配合剤)と比べて、ヤーズの強みは?
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ヤーズ配合錠の主な特長は以下のとおりです:
休薬期間が短い(4日間)ので、ホルモンの変動が少ない
→ 生理前の不調(PMSなど)を軽くする効果が期待されますエストロゲンの量が日本で一番少ない(0.020mg)
→ 副作用(吐き気、むくみなど)が出にくいように配慮されています新しいタイプのホルモン「ドロスピレノン」配合
→ むくみにくく、体重が増えにくい成分です(スピロノラクトン系)
-
ヤーズ配合錠の先発品はいつ発売されたの?
-
日本では、2010年7月に「月経困難症」の治療薬として承認・発売されました。
それ以前は、避妊目的で海外(アメリカなど)で2006年に認可されています。
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1か月(30日)分の薬代はいくら?自己負担額は?
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ヤーズ配合錠(1シート28錠)の薬価は 4,420円(2025年時点)です。
後発品(ドロエチ配合錠)を使った場合:
→ 約690円前後になることもあります。1か月分(1シート)の自己負担額(3割負担の場合):
→ 約1,330円前後+調剤料など
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飲み始めてから、どれくらいで効きはじめるの?
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効果は飲み始めたその周期から少しずつ感じられることが多いです。
痛みがやわらぐまでは、1〜3周期(1〜3か月)ほどかかることもあります。
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効果はどれくらい続くの?
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ヤーズ配合錠は毎日飲み続けることで、効果が持続します。
中止すれば排卵が再開し、生理痛なども元に戻ることがあるので、症状がある間は継続的な服用が必要です。
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妊娠中でもヤーズ配合錠は飲んでいいの?
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妊娠中の使用はできません。
妊娠している可能性がある場合は、まず妊娠していないことを確認してから開始します。
妊娠中に飲み続けると、**胎児への影響(性器の形成異常など)**が心配されるため、妊娠がわかったらすぐ中止してください。
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子どもや10代でも使えるの?
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原則として骨の成長が終わっていない人(成長途中の子ども)には使いません。
なぜかというと、女性ホルモンが骨の成長板を早く閉じさせる作用があるためです。使う場合は、
身長の伸びや骨の成長がある程度終わっていると判断された場合に限られます
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ヤーズとピルはどう違うの?
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ヤーズも「低用量ピル」のひとつですが、日本では避妊薬としてではなく、「月経困難症の治療薬」として使われています。
避妊目的では保険適用外になります(=全額自己負担)。
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
-
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
詳しいプロフィールはこちら
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