シムビコートの使い方・副作用・注意点|1本で予防と発作をコントロール

シムビコートの使い方・副作用・注意点|
1本で予防と発作をコントロール

喘息で『シムビコート』を使っています。

喘息の予防と発作時の対応、両方に使える便利な薬です。

シムビコート®タービュヘイラー(ブテホル吸入)はオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

シムビコート®タービュヘイラー®とは

シムビコート®タービュヘイラー®は、吸入ステロイド薬(ICS)であるブデソニド160µgと、長時間作用型β<sub>2</sub>刺激薬(LABA)であるホルモテロール4.5µgを1回で同時に吸入できる粉末吸入薬(ドライパウダー吸入=DPI)です。
喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の長期管理薬
として使われており、1本で複数回の吸入が可能です。


シムビコート®タービュヘイラー®の特徴

配合の必然性

  • ブデソニド:気道の炎症を抑えるステロイド(グルココルチコイド)
  • ホルモテロール:数分で気管支を広げ、約12時間効果が続くLABA

👉 この2成分を1本で同時に吸入できることで、「炎症のコントロール」と「速効性の気管支拡張」を両立し、吸入回数の削減や服薬継続率の向上(アドヒアランス改善)が期待されます。

開発の歩み

  • 2000年:スウェーデンで喘息治療薬として初承認
  • 2009年:日本で喘息の維持療法薬として承認
  • 2012年:「維持吸入+頓用吸入」の用法・用量が追加承認
  • 2012年:COPDへの適応が日本でも承認
  • 現在では、喘息:125か国以上COPD:105か国以上で使用

※「維持+頓用吸入」とは…
ふだんの定期吸入(維持)に加えて、症状が出たときに追加吸入できる治療法です。


効能・効果

気管支喘息

吸入ステロイド薬(ICS)と長時間β<sub>2</sub>刺激薬(LABA)の併用が必要な患者の長期管理に使用。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

慢性気管支炎や肺気腫に伴う症状の緩和を目的に、ICS+LABAの併用が必要なケースで使用。


有効性(主な臨床試験結果)

【喘息:維持+頓用療法】

  • 52週・2,091例(うち日本人400例)の国際試験
  • 短時間β<sub>2</sub>刺激薬の頓用群と比較して
    重症急性増悪のリスクを約30%低減

【喘息:維持療法】

  • 国内第Ⅲ相試験(8週)
  • 朝のピークフロー(呼気流量)が、対照群(ブデソニド+テオフィリン)より有意に改善
    → +8.8L/min

【COPD】

  • 国際共同試験(12週・1,293例)で、
    → 呼吸機能(FEV₁)104.6%(シムビコート) vs 101.5%(ホルモテロール)
  • 初回増悪までの期間延長と、増悪頻度の減少も確認。

用法・用量

気管支喘息の場合

▶ 維持療法のみ:

  • 通常:1回1吸入を1日2回
  • 症状に応じて:最大1回4吸入×2回/日(合計8吸入)まで増量可

▶ 維持+頓用吸入療法:

  • 発作時に1吸入し、効果が不十分なら数分後にもう1吸入
  • 1発作あたり最大6吸入まで
  • 1日合計8吸入(短期的に12吸入まで)可能

COPDの場合

  • 1回2吸入を1日2回(合計4吸入/日)

💡 使用後は必ずうがいをしましょう。口腔カンジダ症の予防になります。
初回は医療者による吸入指導を必ず受けてください。


使用できない方(禁忌)

  • 抗菌薬の効かない感染症、深在性真菌症
  • シムビコートの成分にアレルギーがある方

飲み合わせに注意が必要な薬

併用薬の例留意点・理由
CYP3A4阻害薬(イトラコナゾールなど)ブデソニドの血中濃度↑ → 全身性ステロイド作用リスク
キサンチン製剤・利尿薬・全身性ステロイド薬血清カリウムが下がりやすくなり、不整脈のリスクが増える
β遮断薬ホルモテロールの作用(気管支拡張)を弱める可能性
QT延長作用のある薬(三環系抗うつ薬など)不整脈のリスクが増す(QT延長が重複)

💡 サプリや市販薬も含め、他の薬を使っている場合は、必ず医師・薬剤師に相談しましょう。


副作用と発生頻度

【重大な副作用】

  • アナフィラキシー(頻度不明)
    ➤ 呼吸困難、蕁麻疹、顔の腫れなど
  • 重篤な低カリウム血症(0.1〜1%未満)
    ➤ 不整脈や筋力低下の原因に

【主な副作用(0.1〜5%未満)】

  • 嗄声(させい)(声がかれる)
  • 口腔カンジダ症
  • のどの刺激感、咳
  • 頭痛、振戦(ふるえ)、動悸、不整脈、筋痙攣 など

🔔 発熱・息苦しさ・強い動悸などの症状があれば、すぐに受診してください。


まとめ

シムビコート®タービュヘイラー®は、
炎症コントロール」と「速効性の気管支拡張」を1本で実現する吸入薬です。

  • 喘息
    → 毎日の吸入に加えて、発作時も同じ吸入器で対処できる
    → 発作の早期改善+その後の悪化予防が可能
  • COPD
    → 肺機能や運動耐容能の改善+増悪の抑制

参考文献・出典

医薬品インタビューフォーム(IF):アストラゼネカ社公式

独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)

ガイドライン:「喘息予防・管理ガイドライン」「COPD診断と治療のためのガイドライン」

PubMed/J-STAGE:シムビコートに関する臨床試験・比較研究

GINA(Global Initiative for Asthma)

よくある質問(Q&A)


この薬の同じ系統の薬と比べた強みは?

シムビコートの最大の強みは、「SMART療法(スマート療法)」に対応していることです。
これは、**毎日の吸入(維持療法)**だけでなく、発作時にも同じ吸入薬で追加吸入ができる治療法です。

これにより、吸入薬を複数持ち歩かずに済み、発作の早期対応と予防が同時に可能になります。

また、吸入後すぐに効き始めるホルモテロールの速効性があるため、発作にも対応できる唯一のICS/LABA製剤です。

先発薬(シムビコート)の発売年は?

海外での初承認:2000年(スウェーデン)

日本での承認:2009年(喘息)、2012年(COPDとSMART療法の適応追加)

1か月(30日)分の薬価と実際の自己負担額は?

▼ 代表的な薬価(2024年時点)

  • 30吸入×2本(1日2吸入×30日分)の場合:
    • 先発品:シムビコート® → 約2,535円(60吸入1本)×2本=5,070円(薬価)
    • ジェネリック(ブデホルなど) → 約1,468円(60吸入1本)×2本=2,936円

▼ 自己負担額(目安)

  • 3割負担の場合
    • 先発品:約1,520円/月
    • ジェネリック:約880円/月
      ※別途、診察料・調剤料などがかかります。

効果が出るまでどのくらい?どのくらい持続する?

作用発現時間:吸入後、数分以内に効果があらわれます(ホルモテロールによる即効性)

持続時間12時間程度(維持療法としても十分な長時間作用)

妊娠中でもシムビコートは使える?

慎重投与が原則です。

  • 動物実験ではブデソニドで**胎児への影響(発育遅延など)**が報告されていますが、人での明確な危険性は確立されていません。
  • 妊娠中に喘息を悪化させるほうが胎児に悪影響を与えるため、医師の判断で使用されるケースもあります。

🚨 妊娠初期は特に注意が必要。使用する場合は必ず医師に相談しましょう。

授乳中にシムビコートを使ってもいい?

  • 成分のうちブデソニドは少量ながら母乳中に移行する可能性が報告されています。
  • ただし、吸入による全身への移行はわずかであり、授乳中でも使用可とされることが多いです。

⚠ 授乳直後の吸入を避ける、赤ちゃんに異変がないか注意するなど、医師の指導を受けながら使用しましょう。

子どもにも使えますか?

  • 5歳以上の小児には使用可とされています(国内承認あり)
  • 小児に使う場合は以下の点に特に注意が必要です:
    • 吸入操作の習得(指導が必須)
    • 成長抑制の可能性:長期使用でごくわずかに成長に影響する報告もあり

🎓 定期的な身長チェックや、医師との経過観察が推奨されます。

発作が起きたときはどうやって使うの?

  • 通常の1日2回の吸入に加えて、発作時は1吸入追加(効果がなければ数分後にもう1吸入)
  • 1発作で最大6吸入まで、1日合計12吸入までとされています(短期間に限る)

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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