新しい片頭痛薬レイボーとは?トリプタンとの違いも解説

片頭痛で『レイボー』を使っています。

レイボーはトリプタン系と違って「血管を収縮させない」点が最大の特徴です。

レイボーはオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

レイボー(ラスミジタン)とは

レイボー®錠(一般名:ラスミジタン)は、片頭痛の発作をやわらげるためのお薬です。
これまでの治療薬とはちがい、血管を縮めることなく、神経に直接働きかけて痛みを抑えるのが特徴です。

片頭痛では、脳の神経や血管が刺激されて、「ズキズキする痛み」「吐き気」「光や音がつらい」といった症状が起こります。
レイボーは、この神経の興奮をおさえて、片頭痛をやわらげるお薬です。


レイボーの特徴

● 血管を縮めない、体にやさしいタイプの薬

これまで片頭痛によく使われていたトリプタン系の薬は、「広がりすぎた脳の血管を縮める」ことで頭痛を抑えていました。

でも、心臓病や脳卒中の経験がある方は、血管が縮まることでリスクが高くなることがあるため、使えないこともありました。

レイボーは、血管ではなく“神経”にだけ働きかけて痛みを抑えるため、血管への影響が少なく、体への負担が少ないと考えられています。

● 脳の中枢にしっかり届く薬

この薬は、脳の奥の神経にまでしっかり届いて、痛みの信号をブロックします。
これが、従来の薬との大きな違いのひとつです。


効能・効果

  • 片頭痛の発作が起きたときに使う薬です
  • 「前兆があるタイプ」「前兆がないタイプ」のどちらにも使えます
  • 毎日飲んで予防する薬ではありません

有効性(効果の確認データ)

日本での試験(第Ⅱ相試験)

  • 対象:片頭痛の患者さん846人
  • 2時間後に頭痛が完全に消えた人の割合:
用量症状が消えた人の割合
偽薬(プラセボ)16.6%
レイボー 50mg23.5%
レイボー 100mg32.4%
レイボー 200mg40.8%

※用量が多いほど効果が高い傾向がありましたが、眠気やめまいも増えました。

海外での試験(第Ⅲ相)

  • 3,000人以上の患者さんが参加
  • 100mg、200mgともに偽薬より明らかに効果が高いと確認されました

改善された内容:

  • 頭痛の消失
  • 吐き気・光や音への過敏など、片頭痛に伴うつらい症状の改善

長期間の使用データ

  • 1年間使い続けても新しい副作用は見つからず、安全性が保たれていました

用法・用量(飲み方)

状況推奨される量補足
通常100mgを1回服用発作が起きてから4時間以内に飲むのが効果的
もっと強い効果が必要なとき200mgまで増量可1日の合計は200mgまで
副作用が心配な方50mgから開始も可能少ない量から様子を見ることもできます

同じ日に再発した場合も、合計200mg以内であればもう一度飲むことができます

※予防薬としては使えません


使用できない方(禁忌)

以下の方は使用できません:

  • この薬で過去にアレルギー症状を起こしたことがある方

飲み合わせに注意が必要なもの

併用に注意が必要なもの起こる可能性があること実際の注意点
アルコール、睡眠薬など強い眠気やめまいが出やすくなるできれば避けてください。使う場合は十分注意
一部の心臓の薬(例:プロプラノロール)心拍が遅くなりすぎる可能性医師による脈拍のチェックが必要
抗うつ薬(SSRI・SNRI・三環系など)セロトニン症候群のリスク(発熱・ふるえ・混乱など)異常があればすぐに医師に相談
ジゴキシンなど特定の薬血中濃度が高くなる可能性用量調整や血液検査が必要なこともあります

副作用とその頻度

比較的よくある副作用(1%以上)

  • ふわふわするようなめまい(18.8%)
  • 強い眠気
  • だるさ、吐き気、筋力の低下、酩酊感(お酒に酔ったような感じ)

まれだけど注意が必要な副作用(0.1%未満)

  • セロトニン症候群
     (筋肉がこわばる・高熱・ふるえ・混乱など)


まとめ

レイボーは、血管を縮めない新しいタイプの片頭痛治療薬です。
これまでの薬が合わなかった方や、心臓や血管の病気でトリプタンが使えない方にも使える可能性があります。

ただし、副作用として眠気やめまいが出やすいため、使用には医師の指導が必要です。


参考文献・出典

【PMDA添付文書】「レイボー錠」製品情報(医療用医薬品解説PDF)

【KEGG DRUG】ラスミジタンコハク酸塩(D10424)

【頭痛の診療ガイドライン2021】(日本頭痛学会)

【アメリカFDA情報】"Lasmiditan (REYVOW)" drug approval & clinical trials

【PubMed】で「lasmiditan migraine」と検索すれば臨床試験論文も閲覧可能

よくある質問(Q&A)


レイボー錠って、今ある片頭痛の薬と何が違うの?

トリプタン系と違って「血管を収縮させない」点が最大の特徴です。

レイボー錠(ラスミジタン)は「5-HT₁F受容体」に選択的に作用するジタン系という新しいタイプの片頭痛薬です。
従来のトリプタン系は血管を収縮させて痛みを抑えますが、レイボーは血管には作用せず、三叉神経の興奮だけを抑えます。

そのため、心疾患のある方や、血管が心配な人にも使える可能性があり、これまでトリプタンを使えなかった人にも選択肢となります。

レイボー錠の発売年はいつ?

日本では2022年1月に承認されました。

もともとアメリカでは2019年に承認され、日本では臨床試験データをもとに2022年に「片頭痛発作時の治療薬」として承認されました。

1か月(30日)分処方レイボー錠は1か月使うと薬代はいくらぐらい?されたときの薬価や自己負担額の目安は?

1か月(30日間)でおおよそ3,000〜10,000円程度(自己負担3割の場合)です。

  • レイボー錠50mg:324.7円/錠
  • レイボー錠100mg:570.9円/錠

例えば:

  • 月に3回使用(100mg×3回)→ 1,712円(自己負担3割:514円)
  • 月に10回使用(100mg×10回)→ 5,709円(自己負担:1,713円)

※診察料や調剤料は別途かかります。

※当院では月10回までの処方です。

レイボー錠の効果はどれくらいで出る?どれくらい持つ?

30分〜1時間ほどで効果が出て、24時間ほど持続します。

効果は24時間持続する人もおり、再発も少ないのが特長です。

服用30分〜1時間後に頭痛の改善が始まり、

2時間後に頭痛が完全に消える人も多くいます。

妊娠中にレイボーは使える?

原則として妊娠中の使用は「避ける」べきです。

妊娠中の動物実験では、胎児への心血管の異常や胚の損失が確認されており、
人での安全性は確立されていません。

当院では処方しません

授乳中にレイボーは使っても大丈夫?

母乳に移行する可能性があり、注意が必要です。

ラットの試験では乳汁中に薬が移行することが確認されており
人でも影響が出る可能性があります。

当院では処方しません

子どもには使える薬なの?

小児(18歳未満)への使用は推奨されていません。

現在までに小児を対象とした臨床試験は行われておらず
安全性・有効性が確認されていないため、原則使用しません。

当院では処方しません

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
詳しいプロフィールはこちら