抗生剤と耐性菌の話|不要なときに飲むと、本当に必要な時に効かなくなる

抗生剤と耐性菌の話|不要なときに飲むと、本当に必要な時に効かなくなる

風邪で喉が痛いんですけど、抗生剤を出してもらえませんか?早く治したくて…

お気持ちはわかります。ただ、風邪はほとんどがウイルスのため、抗生剤は効きません

そして「念のため」抗生剤を使うことには、本人にも社会にも大きなツケがついてきます。

今日は「抗生剤を不要な時に使うと、将来本当に必要な時に効かなくなる」というお話。WHOが「静かなパンデミック」と呼ぶ、薬剤耐性(AMR)の問題です。

まず基本:抗生剤・抗菌薬・抗ウイルス薬は別物

薬の種類働く相手効かない相手
抗菌薬(抗生剤)細菌ウイルス・真菌・寄生虫ペニシリン、セフェム、マクロライド、キノロン
抗ウイルス薬ウイルス細菌タミフル、ゾフルーザ、抗HIV薬、抗ヘルペス薬
抗真菌薬真菌(カビ)細菌・ウイルスフルコナゾール、ボリコナゾール
抗寄生虫薬寄生虫細菌・ウイルスメトロニダゾール、イベルメクチン

「抗生剤=何にでも効く万能薬」というイメージは完全な誤解。風邪・インフルエンザ・コロナはウイルスなので、抗生剤を飲んでも治りません。

耐性菌はどうやってできるのか

細菌は20〜30分に1回分裂してどんどん増えます。その過程で「偶然、抗生剤に強い変異」を持つ菌が必ず一定数生まれます。

  • 抗生剤を投与すると普通の菌は死滅、変異した強い菌だけが生き残る
  • 生き残った菌が増えて耐性菌の集団になる
  • 耐性菌の遺伝子は他の細菌にも水平に伝わる(プラスミドという仕組み)
  • 結果として、同じ抗生剤がもう効かない細菌が地域や病院に広がる
  • 不必要・不適切な使用ほど耐性を選択するスピードが上がる

抗生剤は「使うほどに効かなくなる薬」

不要なときに使う=将来本当に必要なときに使えなくなる、というトレードオフがあります。

世界と日本の現状

指標数字
世界で年間AMR関連の死亡(2019年)約495万人(直接の死亡 約127万人)
2050年予測(O'Neill 2016)年間1,000万人がAMRで死亡(がんを超える可能性)
日本のAMR関連死亡(年間)MRSA・大腸菌など主要耐性菌で約8,000人以上
日本の抗菌薬使用量人口当たり世界平均より少ないが、外来でのマクロライド・セフェム経口剤の使用が多い
政府目標(AMRアクションプラン2023-2027)経口セフェム系・キノロン系・マクロライド系の使用量を2020年比でさらに削減

WHOは耐性菌の脅威を「silent pandemic(静かなパンデミック)」と呼んでいます。

代表的な耐性菌

名称どんな菌なぜ怖いか
MRSAメチシリン耐性黄色ブドウ球菌術後感染・敗血症の原因。バンコマイシン等の限られた薬しか効かない
ESBL産生大腸菌広範囲β-ラクタマーゼ産生尿路感染症で増加。第3世代セフェムが効かない
CREカルバペネム耐性腸内細菌「最後の砦」カルバペネムが効かない。死亡率高い
多剤耐性緑膿菌(MDRP)院内感染。治療が極めて困難
多剤耐性結核(MDR-TB/XDR-TB)治療期間が2年以上、副作用も強い
耐性淋菌すでにセフェム耐性が出現。性感染症で問題化
クロストリディオイデス・ディフィシル(CD腸炎)抗菌薬で腸内細菌叢が乱れ発症。重症化すると致死的

「楽な薬がほしい」の落とし穴:クラビット・ジスロマック問題

外来でいちばん多いリクエストの一つが「1日1回でいい薬」「クラビットがほしい」「ジスロマック3日でほしい」というもの。

これらは確かに飲みやすく短期間で済むメリットがありますが、「広く効きすぎる薬」「不適切な使用が耐性菌を量産しやすい薬」でもあります。日本ではこの2系統の耐性化が世界トップクラスの速さで進行しています。

薬の名前一般名よくある「希望」理由問題点
クラビットレボフロキサシン(ニューキノロン系)1日1回・短期間・「強い薬」のイメージ大腸菌のキノロン耐性率は約40%超(日本)。アキレス腱断裂・QT延長・低血糖・神経精神症状。結核を覆い隠して診断を遅らせる
ジスロマックアジスロマイシン(マクロライド系)3日内服で1週間効くと聞いた、副作用が少なそう肺炎マイコプラズマ・淋菌・百日咳菌などで耐性化が進行。心血管イベント、QT延長
クラリス/クラリシッドクラリスロマイシン(マクロライド系)1日2回でいい、副作用が少ない上記同様。さらに多くの薬と相互作用
フロモックス/メイアクト/セフゾン経口セフェム系(第3世代)「とりあえずよく出るやつ」腸からほぼ吸収されないため腸内細菌叢を直撃しESBL産生菌を選択。AMRアクションプランで削減対象

これらの薬は「当てずっぽうで広く効く」性質を持つため、正確な診断が必要な感染症をぼかしてしまう怖さがあります。

特にクラビットを長引く咳に出してしまうと、潜在する結核を覆い隠して診断・隔離を遅らせるという重大な問題があり、日本の感染症医が口を揃えて警告しています。

日本のキノロン・マクロライド耐性は世界ワーストクラス

菌種・場面耐性率(日本の代表的データ)
大腸菌のキノロン(レボフロキサシン)耐性40〜45%(外来の尿路感染症の半数で効かない計算)
大腸菌のESBL産生(第3世代セフェム耐性)20〜25%
肺炎マイコプラズマのマクロライド耐性地域差あり 20〜70%
淋菌のセフェム・キノロン耐性耐性化進行中、近年はセフトリアキソンも一部効かない
肺炎球菌のペニシリン低感受性20〜30%
結核のキノロン耐性(多剤耐性結核)日本でも年間数百件報告

このため「とりあえずクラビット」では、半数近くの尿路感染症が効かないという現実があります。「強い薬」「広く効く薬」と思って使ってきたら、結局は耐性ばかりが残った──というのが日本の現状です。

採血・血液培養と「薬剤感受性検査」とは

入院が必要な細菌感染症(敗血症・腎盂腎炎・髄膜炎など)では、抗菌薬を始める前に血液培養(採血)を取るのが標準的です。

検査内容分かること
血液培養採血した血液を専用ボトルで48〜72時間培養菌血症の有無、原因菌の種類
尿・喀痰・膿などの培養感染部位から検体を採取原因菌の種類
菌種同定質量分析(MALDI-TOF)等で原因菌名を確定大腸菌?黄色ブドウ球菌?など
薬剤感受性検査(AST)各種抗菌薬を培養菌にかけて効果を判定どの薬が効くか(S)/効かないか(R)

結果は S(感受性あり・効く)/I(中間)/R(耐性・効かない) で報告され、医師はその結果をもとに「広く当てる薬」から「狙い撃ちの狭い薬」へ切り替えます(de-escalation)。

外来でも、尿路感染症や副鼻腔炎の遷延例などで培養を取ることがあります。培養なしの抗菌薬使用は「当てずっぽう」になり、外れたときに耐性菌を残すだけになります。

耐性は「人類全体」だけでなく「自分自身」にも蓄積する

AMRというと「世界の話」「公衆衛生の話」と感じる方が多いですが、実はあなた自身の体にも耐性菌が蓄積していきます。

抗菌薬を1回使うたびに、あなたの腸内・皮膚・鼻腔の常在菌の中で耐性遺伝子を持つ菌が増えていくのです。

これは数か月〜年単位で残り、次に感染症にかかった時に「自分の体内の耐性菌が原因菌になる」リスクを上げます。

シナリオ起こりやすいこと
過去数年でクラビットを何度か飲んだ腸内にキノロン耐性大腸菌が定着。次に膀胱炎・腎盂腎炎を起こすと内服薬が効かず点滴入院に
セフェム系を頻繁に処方されてきたESBL産生大腸菌を保菌。同じく外来薬が効きにくくなる
ジスロマックを毎冬もらっていたマイコプラズマ肺炎の時にマクロライドが効かず、別系統への切替が必要に
抗菌薬の繰り返し使用クロストリディオイデス・ディフィシル腸炎のリスク上昇。再発を繰り返す方も

「採血でCRPが高い=抗菌薬」ではない

採血でCRP(炎症反応)や白血球(WBC)が上がっているから抗菌薬がほしい、というご相談も多いのですが、これは医療側の重要な誤解の一つです。

  • CRP・WBCは「炎症があるか」を見る指標で、「細菌かウイルスか」を区別できない
  • インフルエンザ、コロナ、ヘルペス、川崎病、自己免疫疾患でもCRPは上がる
  • 逆に、本物の細菌感染症でも初期はCRPが上がっていない
  • 抗菌薬の必要性は「症状+経過+身体所見+必要な検査(画像・培養)」で総合判断
  • 「CRPが高いから念のため」は、典型的な不適切処方の入り口です

当院ではCRP・WBCの数値だけで抗菌薬を出すことはしません

「採血でこの数値が出たから抗菌薬」という説明を受けた経験のある方もいるかと思いますが、それは古い・短絡的なロジックです。

抗生剤が「不要」な代表的な状況

症状・病気原因抗生剤の必要性
普通の風邪ウイルス不要
インフルエンザウイルス不要(必要なら抗ウイルス薬)
新型コロナ感染症ウイルス不要
急性気管支炎大半がウイルス原則不要
急性咽頭炎・扁桃炎大半がウイルス(溶連菌は別)原則不要。溶連菌迅速検査陽性なら処方
急性鼻副鼻腔炎の多く大半がウイルス軽症は不要。10日以上続く重症例で検討
軽症の中耳炎2〜3日経過観察(小児ガイドライン)

抗生剤が「必要」な代表的な状況

病気コメント
細菌性肺炎レントゲンと症状で判断
急性腎盂腎炎・尿路感染症発熱を伴う上部尿路感染は早期治療が必要
蜂窩織炎皮下組織の細菌感染
溶連菌性咽頭炎迅速検査で確認のうえ
細菌性副鼻腔炎(重症・遷延)10日以上の症状や顔面痛・発熱
性感染症(淋菌・クラミジア・梅毒)確定診断後に適切な薬剤
抜歯・手術後の感染予防(適応のあるもの)歯科口腔外科などの指示
急性胆管炎・憩室炎
細菌性髄膜炎救急
重症の細菌性腸炎カンピロバクター、サルモネラの一部

抗生剤の正しい使い方(処方された時)

  • 処方された分は最後まで飲み切る(「治った気がした」で途中でやめると耐性菌の温床に)
  • 残った分は次回の風邪のために取っておかない
  • 他人にあげない(家族・友人・SNSで譲渡しない)
  • 自己判断で量を増やさない・減らさない
  • 飲み合わせ・副作用(下痢、アレルギー)が出たら早めに相談
  • 必ず食事・水分を取りながら服用(胃腸障害予防)
  • 海外で買った抗菌薬、ネット通販の輸入品は絶対に使わない

当院での抗菌薬処方方針

  • 風邪・軽症の咳・軽症の咽頭痛には原則として抗菌薬は処方しません
  • 溶連菌咽頭炎、急性膀胱炎、蜂窩織炎、抜歯後の予防内服、性感染症など適応のある状況では適切な薬剤を選んで処方します
  • 症状や経過から細菌感染が強く疑われる場合のみ、必要な期間に絞って処方
  • 「念のため」「すぐ治したいから」という理由での抗菌薬処方は行いません。耐性菌対策・本人の腸内環境保護のためです
  • 重症(高熱が続く、呼吸困難、意識障害、激しい腰背部痛など)の方は対面の医療機関で点滴・入院治療が必要なため、当院オンライン診療の適応外となります

副作用:「念のため」が腸内環境を壊す

抗菌薬は標的の細菌だけでなく腸内細菌叢(善玉菌も含む)をも一掃してしまうため、次のような副作用が起こりえます。

  • 下痢・軟便(とても多い。約10〜30%)
  • クロストリディオイデス・ディフィシル腸炎(重症は致死的)
  • カンジダ感染症(口腔・性器)
  • 薬疹・アレルギー(軽度〜重症のSJS/TENまで)
  • 肝・腎機能障害
  • 長期的な肥満・アレルギー疾患リスク(特に小児期の頻回使用)

耐性菌に立ち向かう生活習慣

対策内容
感染しない手洗い・うがい・マスク(流行期)・ワクチン接種(インフル、コロナ、肺炎球菌、帯状疱疹)
免疫を保つ睡眠・栄養・運動・節酒(飲酒は免疫低下
慢性疾患の管理生活習慣病シリーズ。糖尿病・腎不全・喫煙は感染症リスクを上げる
慢性的な皮膚の傷を作らない保湿、虫さされ予防、深爪を避ける
動物との接触犬猫の口腔常在菌、家畜の耐性菌に注意

医療側・社会側の取り組み

  • 抗微生物薬適正使用支援(AS:Antimicrobial Stewardship):処方の妥当性をチェックする病院内活動
  • 地域の感染症サーベイランス:耐性菌の発生動向を把握
  • 新規抗菌薬の開発:1980年代以降、新規薬剤の登場が激減
  • 畜産での使用制限:成長促進目的の使用は世界的に削減
  • 市民への啓発:本記事のような情報発信もその一部

よくある質問

熱が出たら、念のため抗生剤を飲んでおきたい

気持ちはわかりますが、「念のため」が耐性菌を増やす最大の原因です。

発熱の多くはウイルス感染による正常な免疫反応です。水分・休息・解熱剤(カロナール等)で経過観察するのが基本。

3〜5日経っても改善しない、高熱が続く、呼吸が苦しい、意識がもうろうとするなどの場合は対面で受診を。

「抗生剤を飲むと早く治る気がする」のは思い込み?

プラセボ効果と自然経過の組み合わせです。

風邪は抗生剤の有無に関わらず7〜10日で治ることが多く、たまたまそのタイミングで治っただけ、ということが多い。

一方で下痢や腸内環境の乱れが抗生剤で起こると、回復が遅れることすらあります。

子どもの中耳炎にはいつも抗生剤を出されます

小児の急性中耳炎は軽症ならまず鎮痛剤で2〜3日経過観察が国際標準のガイドラインです。

ただし2歳未満、両側性、重症(高熱・激しい耳痛・耳漏)の場合は抗菌薬が必要。

小児科専門医の判断に従ってください。「いつも抗生剤を希望」ではなく「必要なときに使う」の姿勢が大切です。

処方された抗生剤が余りました。捨てるべき?

はい、捨ててください(自治体のルールに従って)。

次の風邪のために取っておく、家族にあげる、SNSで譲るのは絶対NG。半端な量で飲むことが耐性菌を育てます。

残薬が頻繁に出るなら、医師に相談して処方量を調整してもらうのも一案。

抗生剤と整腸剤・ヨーグルトを一緒に取れば腸内環境は大丈夫?

完全には防げませんが、整腸剤(ビオフェルミン、ミヤBM等)の併用は推奨されています。

ヨーグルトも気軽な選択肢ですが、抗菌薬と同時にとると一部の菌が殺菌されるので、服用と数時間ずらして食べるのが良いでしょう。

抗菌薬使用後数週間〜数か月かけて腸内環境は徐々に回復します。

海外で買った抗生剤、ネットで買える抗生剤は安いし便利では?

絶対に使わないでください

偽造品・有効成分が違う・容量が誤っているケースが報告されています。さらに自己判断での使用は耐性菌を大量に作る原因に。

抗菌薬は医師の処方のもとで使う薬です。

動物(ペット・家畜)の抗生剤も耐性菌に関係する?

はい、大きく関係します。家畜の成長促進・予防目的の大量使用が耐性菌の発生源として世界的に問題視されています。

日本も2018年から畜産での使用制限を強化中。「ヒト・動物・環境の一体的な対策(One Health)」がWHO・FAO・OIEの共通方針です。

「いつもクラビットでよくなる」と言われました。希望してもダメですか?

「よくなった」と感じても、それは自然経過で治った可能性が高い(風邪・気管支炎は抗菌薬の有無に関わらず7〜10日で治る)。

一方で「いつもクラビット」を続けると、腸内にキノロン耐性大腸菌が定着し、将来の膀胱炎・腎盂腎炎で「内服では治らない」状況に陥ることがあります。

当院では適応のない方への希望処方は行いません。ご理解ください。

採血でCRPが高かったから「念のため」抗菌薬がほしい

CRPやWBCは「炎症があるか」を示すだけで、「細菌か/ウイルスか」「抗菌薬が必要か」は判定できません。

ウイルス感染・自己免疫疾患・がん・術後など多くの状況でCRPは上昇します。

抗菌薬の要否は症状経過・身体所見・場合により培養や画像で総合判断します。

「強い抗菌薬を最初から使えば確実」じゃないんですか?

医療では真逆で、「狭く効く薬から始め、必要なら広く」が正しい順序とされています(de-escalation)。

最初から広く強い薬を使うと、効いたあとに耐性菌だけが残る+本人の腸内環境が大きく乱れる+次に本当に重症感染症になった時の選択肢を失う、というトリプルパンチに。

もう少し詳しく

「念のため」抗菌薬を出す医療側の事情

医師側にも「治らなかったら訴えられるかも」「患者が満足しないかも」「時間がない外来で説明が大変」という心理が働きます。

この心理によって不要な処方が積み重なり、結果として地域全体の耐性菌が増えてきました。

近年は「処方しない選択を医師と患者で共有する(Shared decision making)」が国際標準。当院でも「処方しない理由」を丁寧に説明する方針です。

AMRで「最後の砦」と呼ばれる薬

カルバペネム系(メロペネム、イミペネム)、バンコマイシンコリスチンなどは、多剤耐性菌に対する最後の手段。

これらが効かなくなると(CRE、VRSA、コリスチン耐性大腸菌など)、治療手段がほぼ尽きてしまいます。

抗菌薬の終焉」というシナリオを避けるため、外来でのありふれた処方一つひとつが大切なのです。

新規抗菌薬の開発が進まない理由

抗菌薬は短期間しか使わないため、製薬会社の収益性が低い。さらに耐性菌が出れば短命に終わるため、開発投資が抑制されてきました。

1980年代以降、新規系統の抗菌薬はほぼ登場していません。

近年、各国政府・国際機関が新薬開発を支援する制度を導入中ですが、追いつくか不透明です。

感染症ごとの治療期間の例

急性膀胱炎:3日間(ニューキノロンなら3日、ST合剤なら3日)

急性腎盂腎炎:7〜14日

溶連菌性咽頭炎:10日(リウマチ熱予防のため最後まで)

市中肺炎:5〜7日(重症度による)

蜂窩織炎:5〜7日

昔より「短く絞る」方向にガイドラインが変わってきています(不要な長期投与は耐性を増やすため)。

参考文献・情報源

  • WHO. Global Antimicrobial Resistance and Use Surveillance System (GLASS) Report 2022.
  • Antimicrobial Resistance Collaborators. Global burden of bacterial antimicrobial resistance in 2019. Lancet. 2022;399:629-655.
  • O'Neill J. Tackling Drug-Resistant Infections Globally: Final Report and Recommendations. 2016.
  • 厚生労働省「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン 2023-2027」
  • 国立感染症研究所「JANIS 院内感染対策サーベイランス事業報告」
  • 日本感染症学会・日本化学療法学会「JAID/JSC感染症治療ガイド2023」
  • CDC. Antibiotic Resistance Threats in the United States, 2019.

まとめ

  • 抗生剤(抗菌薬)は細菌にしか効かない。風邪・インフルエンザ・コロナはウイルスなので無効
  • 不適切に使うほど耐性菌が生まれ、将来本当に必要な時に効かなくなる
  • 世界では2019年に約500万人がAMR関連で死亡。2050年には年1000万人に達する予測も
  • 処方された分は飲み切る/余りを取っておかない/他人にあげない
  • 当院は風邪・軽症の咽頭痛・気管支炎には抗菌薬を処方しない方針
  • 感染予防(手洗い・ワクチン・健康維持)が最大の耐性菌対策

本当に必要な時のために」抗菌薬を大切に使う──ご理解とご協力をお願いします。

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)を修了し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/公衆衛生修士(MPH)/産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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