片頭痛の薬を徹底比較|トリプタン5種・レイボー・予防薬・漢方

片頭痛の薬を徹底比較|トリプタン5種・レイボー・予防薬・漢方

頭痛ガイドライン2021に基づく急性期と予防の選び方、CGRP皮下注は当院非処方

片頭痛がよく起こります。市販薬では効きません。病院の薬って何種類くらいあるんですか?

片頭痛は日本で約840万人。急性期治療薬予防薬に分かれます。

急性期はトリプタン5種+レイボー+ナルティーク、予防は内服6種類、根治レベルのCGRP皮下注(当院非処方)まで。

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片頭痛と緊張型頭痛の見分け方

特徴片頭痛緊張型頭痛
痛みの場所片側または両側(こめかみ)頭全体・後頭部
痛み方ズキンズキン(拍動性)ギューッと締め付ける
強さ中〜重度軽〜中等度
持続4〜72時間数十分〜数日
動くと悪化変わらない
吐き気・嘔吐よくあるほぼなし
光・音過敏ほぼなし
前兆(閃輝暗点)約2割なし

「危険な頭痛」のサイン(即受診)

「今までで一番強い頭痛」(雷鳴頭痛)、突然始まった頭痛、発熱・首のこわばり、意識障害・けいれん・麻痺、50歳以降に新たに始まった頭痛、頭部外傷後、徐々に強くなる頭痛、がん・免疫不全の方の新規頭痛。

これらはくも膜下出血・髄膜炎・脳腫瘍などの可能性があり、対面医療機関を速やかに受診してください。

🌟 片頭痛治療の全体像

分類役割代表薬使うタイミング
急性期頭痛を止めるトリプタン5種/レイボーナルティーク/カロナール/ロキソニン発作時
予防発作を減らすミグシス/インデラル/バルプロ酸/アミトリプチリン/漢方毎日
CGRP皮下注(当院非処方)重症の予防エムガルティ/アジョビ/アイモビーグ専門医のみ

① 軽症:カロナール・ロキソニン

軽症〜中等症ならまずカロナール(アセトアミノフェン)NSAIDs(ロキソニン・ボルタレン)。市販の総合感冒薬・複合鎮痛薬を月10日以上使い続けると薬剤の使用過多による頭痛(MOH)になるので注意。

② トリプタン製剤:片頭痛の特効薬

薬剤一般名効果持続特徴
イミグランスマトリプタン30〜60分短め点鼻・自己注射もあり
ゾーミッグゾルミトリプタン30〜60分中等度OD錠あり
レルパックスエレトリプタン30〜60分中等度吐き気が少ない
マクサルトリザトリプタン30分中等度OD錠・即効性
アマージナラトリプタン60〜120分長い4〜6時間効果ゆっくり長持ち、月経関連片頭痛

トリプタンを使う時の注意

飲むタイミング:頭痛が始まったら早めに(前兆期ではなく頭痛開始直後)。

使用回数:1か月10日以上で「薬剤の使用過多による頭痛(MOH)」。

禁忌:脳血管疾患・虚血性心疾患の既往、コントロール不良の高血圧、片麻痺性片頭痛、SSRI/三環系抗うつ薬併用注意。

副作用:胸の圧迫感(5分以内に消失)、眠気・めまい・吐き気。

③ レイボー(ラスミジタン)と ④ ナルティーク(リメゲパント)

薬剤機序特徴向く方
レイボー5-HT1F作動。血管収縮なし服用後8時間運転禁止心血管リスクでトリプタン不可
ナルティークCGRP受容体拮抗(経口)血管収縮なし、OD錠トリプタン無効/心血管リスク

⑤ 予防治療:月3〜4回以上の発作に

薬剤分類向く方注意
ミグシスCa拮抗日本では第一選択ふらつき・眠気
インデラルβ遮断薬頻脈・高血圧合併喘息・徐脈は禁忌
デパケン(バルプロ酸)抗てんかん薬重症・回数多い妊婦禁忌・肝機能注意
トリプタノール(アミトリプチリン)三環系抗うつ薬緊張型混合・不眠合併眠気・口渇
トピナ(トピラマート)抗てんかん薬他で効果不十分時保険適応外(自費)

予防薬は2〜3か月で効果判定、6〜12か月続けて安定したら段階的に減量。

⑥ 漢方薬

漢方向く方
五苓散低気圧・天候で悪化、むくみ、二日酔い系
呉茱萸湯冷えと吐き気を伴う頭痛、月経関連片頭痛
釣藤散高血圧傾向・中高年・朝の頭痛
半夏白朮天麻湯めまい・冷え・胃腸虚弱を伴う頭痛
七物降下湯のぼせ・耳鳴り・頭重感

⑦ CGRP関連抗体薬(皮下注):当院非処方

エムガルティ(ガルカネズマブ)/アジョビ(フレマネズマブ)/アイモビーグ(エレヌマブ)。月1〜3か月1回の皮下注射で予防効果。月の頭痛日数を半減できる方が約半数。

対面での皮下注射が必要なため、当院では処方せず、頭痛専門医・脳神経内科の対面医療機関へご紹介します。

CGRP抗体薬の導入を検討するケース

月に8日以上の頭痛があり生活に大きな支障

予防薬を2種類以上試しても効果が不十分

予防薬の副作用で続けられない

頭痛専門医療機関での導入が原則。当院では一次評価+紹介をご案内します。

🩺 ケース別:私にはどの薬?

ケース急性期予防
軽症・月数回カロナール/ロキソニン
市販薬で効かないイミグラン/レルパックス/ゾーミッグ
吐き気が強いイミグラン点鼻/ゾーミッグOD/マクサルトOD
月経関連片頭痛(持続長い)アマージ/呉茱萸湯
心血管リスク・脳卒中既往レイボー/ナルティークミグシス
月3〜4回以上上記+ミグシス → インデラル → バルプロ酸/アミトリプチリン
月8日以上・難治上記CGRP抗体(専門医へ)
低気圧で悪化/むくみ五苓散
妊娠中・授乳中カロナール—(バルプロ酸禁忌)

誘因を避ける生活のコツ

  • 規則正しい睡眠(寝不足も寝すぎも誘因)
  • 欠食しない(低血糖は引き金)
  • カフェイン適量、急にやめると離脱頭痛
  • アルコール・赤ワイン・チーズ・チョコレートに注意
  • 低気圧・季節の変わり目に注意(五苓散の出番)
  • 月経周期に合わせて記録

「念のため検査」を考えたいサイン

  • 50歳以降に新たに始まった頭痛
  • 今までで最強の頭痛・突然始まった頭痛(雷鳴頭痛)
  • 発熱・首のこわばり・けいれん・麻痺・意識障害
  • 頭部外傷後の頭痛
  • 徐々に強くなる頭痛が数日〜数週間続く
  • 市販薬・トリプタンを月10日以上飲んでいる(MOH)

受診予約方法

オンライン診療で片頭痛の薬は出してもらえますか?

はい、当院ではカロナール・ロキソニン・トリプタン5種・レイボー・ナルティーク・ミグシス・インデラル・漢方を処方しています。

CGRP皮下注対面処置が必要なケースは頭痛専門医療機関・脳神経内科へご紹介。危険な頭痛サインがあるときはまず対面医療機関で頭部画像検査をおすすめします。処方が確定すると、薬局から服薬指導のお電話をしたうえで宅薬便(ポスト投函)でお薬をお送りします。最短で翌日にお手元に届きますが、薬局の服薬指導の枠の状況によっては、お電話やお届けが翌日にずれ込むこともあります。あらかじめご了承ください。

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よくある質問

トリプタン5種、どれを選べばいい?

基本はイミグラン・レルパックス・ゾーミッグ・マクサルトのいずれかから開始。

月経関連片頭痛(持続長い)にはアマージ

吐き気が強い時はイミグラン点鼻・自己注射、ゾーミッグOD・マクサルトOD

トリプタンが効きません。次の選択肢は?

① 飲むタイミングを早める(頭痛開始直後)。

② 別のトリプタンに変更

③ レイボー・ナルティーク(作用機序が違うため不応例にも有効)。

④ 予防治療の導入

頭痛薬を毎日飲んでしまいます。やめられる?

市販薬・トリプタンを月10日以上、NSAIDsを月15日以上飲み続けると「薬剤の使用過多による頭痛(MOH)」に。

離脱(原因薬の中止)が必要で、その間は別の予防薬や漢方を併用。専門医療機関での治療をおすすめすることも。

妊娠中・授乳中の片頭痛は?

急性期:カロナールが最も安全。NSAIDsとトリプタンは妊娠後期は避ける。

予防バルプロ酸は妊娠中禁忌。ミグシス・インデラルは産科医と相談。

漢方:呉茱萸湯・五苓散は比較的使いやすい。必ず申告を。

低気圧・天候で悪化します。何が効く?

五苓散が代表的によく効きます。体内の水分代謝を整え、低気圧・むくみ・天気痛に効果的。「頭痛が来そうな時」の頓服もOK。

前兆(閃輝暗点)が出てから飲むのと、頭痛が始まってから飲むの、どちら?

トリプタンは「頭痛が始まった直後」。前兆期に飲んでも効果が落ちます。

NSAIDs・カロナールは前兆期に飲んでも問題ありません。

CGRP抗体薬(エムガルティ・アジョビ・アイモビーグ)はオンラインで打てる?

いいえ、CGRP抗体薬は皮下注射が必要のため、対面の医療機関でしか実施できません。

当院では頭痛専門医療機関(頭痛外来・脳神経内科)へご紹介。注射継続中で「急性期治療や予防薬の併用」だけオンラインで処方というご相談はお受けできます。

片頭痛は遺伝しますか?

はい、遺伝的素因が強い病気。両親のどちらかが片頭痛だとお子さんの発症リスクが約45〜70%上がります。

頭痛日記の付け方は?

日付・時刻・痛みの強さ(10段階)/場所・痛み方/随伴症状(吐き気・光過敏)/飲んだ薬と効き具合/誘因(月経・天気・睡眠不足)を記録。診察と予防薬の効果判定に有用。

オンライン診療で片頭痛の薬は出してもらえますか?

はい、カロナール・ロキソニン・トリプタン5種・レイボー・ナルティーク・ミグシス・インデラル・各種漢方を処方しています。初診時に頭痛の頻度・強さ・誘因・前医処方歴をお伺いします。処方が確定すると、薬局から服薬指導のお電話をしたうえで宅薬便(ポスト投函)でお薬をお送りします。最短で翌日にお手元に届きますが、薬局の服薬指導の枠の状況によっては、お電話やお届けが翌日にずれ込むこともあります。あらかじめご了承ください。

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参考文献・出典

  • 日本頭痛学会・日本神経学会編「頭痛の診療ガイドライン2021」
  • PMDA 医薬品添付文書 各片頭痛薬(トリプタン/レイボー/ナルティーク/ミグシス/インデラル/バルプロ酸/アミトリプチリン)
  • 国際頭痛学会 ICHD-3「頭痛の国際分類 第3版」

お薬手帳・併用中の薬(サプリ・市販薬含む)と一緒に相互作用が心配な方は 片頭痛の薬の飲み合わせ|トリプタン・ナルティーク・レイボーの併用禁忌と注意 もあわせてどうぞ。

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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