酒さ(しゅさ)とは?赤ら顔・ほてり・ブツブツの正体と治療法を医師が解説

酒さ(しゅさ)とは?赤ら顔・ほてり・ブツブツの正体と治療法を医師が解説

日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」に基づく、酒さの病型・原因・ロゼックスゲル等の治療まで

頬と鼻のあたりがずっと赤くて、お酒も飲んでいないのにポーッとほてります。ニキビみたいなブツブツも出てきて…これって何の病気なんでしょうか?

そのお話だけでも、「酒さ(しゅさ)」という病気の可能性が高そうです。

酒さとは、お酒を飲んでもいないのに「お酒に酔ったように赤くなる」病気で、医学的には「赤ら顔をきたす慢性の炎症性皮膚疾患」と定義されています。30代以降の女性に多くみられますが、男性にも子どもにも起こります。

「酔っぱらいみたいに見えて恥ずかしい」「ニキビと言われたのに、いつもの治療が効かない」と長く悩む方が多い病気ですが、原因を理解して、ロゼックスゲルなどの保険薬とスキンケアを組み合わせれば、しっかりコントロールできます

この記事では、日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」と最新の海外文献をもとに、酒さって結局なんなのか・原因・タイプ・治療まで、一般の方にも分かりやすく解説していきます。

酒さって、結局なんの病気?

「酒さ」って病名、初めて聞きました。普通の赤ら顔とは違うんですか?

酒さ(rosacea:ロザシア)とは、顔の中心(頬・鼻・額・あご)に出る、赤み・ブツブツ・ほてりを繰り返す慢性の皮膚炎症です。

ポイントは、ふつうの「赤ら顔」と違って、① 数か月〜年単位で続く ② 紫外線・お酒・ストレスで悪化する ③ 治療しないと血管が拡張したり、鼻がコブのように変形することもある、という点です。

お酒を飲み続けたから起きる、というわけではありません。アルコールは「悪化因子の一つ」にすぎず、お酒を飲まない方でも酒さになります。ただ見た目が酔っぱらいに似ているために、この名前がついています。

「酒さ」と「赤ら顔」「ニキビ」の違いをひと目で

一時的な赤ら顔:温泉や運動・緊張で一時的に赤くなるだけ。数十分〜数時間で治まる。

ニキビ(尋常性痤瘡):思春期〜20代に多く、毛穴の詰まり(白ニキビ・黒ニキビ=コメド)が必ず最初に出る。背中・胸にも出やすい。

酒さ:30代以降に多く、顔の中心の赤み・ほてり・ブツブツが続く。コメドはほとんど作られないのが大きな違い。

コメド(白ニキビ)の有無、年齢、悪化因子の違いから、医師は酒さとニキビを区別します。

酒さの4つのタイプ(病型)

酒さって、人によって症状が全然違うって聞きました。タイプ分けがあるんですか?

はい、酒さは見え方の違いから昔から「4つのタイプ(古典的病型分類)」に分けられてきました。実際には複数のタイプが混ざる方も多いです。

タイプ英語名主な見た目よくある悩み
① 紅斑毛細血管拡張型erythematotelangiectatic頬・鼻の持続する赤み、細い血管が透けて見える「ずっと顔が赤い」「ファンデーションで隠せない」
② 丘疹膿疱型papulopustular赤みに加えてニキビのような小さな丘疹・膿疱「ニキビと言われたが治療が効かない」
③ 腫瘤型phymatous鼻の皮膚が分厚く凸凹になる(鼻瘤)「鼻の毛穴が大きい、形が変わってきた」
④ 眼型ocularまぶたや結膜の充血、目の異物感・乾燥「目がいつもショボショボする」

もう少し詳しく:各タイプの特徴

① 紅斑毛細血管拡張型:顔の中心部にずっと赤みがあり、暑さ・ストレス・飲酒で悪化。初期は一時的でも、放置すると赤みが定着して毛細血管が透けて見えるように。

② 丘疹膿疱型:赤みに、ニキビにそっくりな赤い丘疹や膿を持った膿疱が出ます。痛みやヒリヒリ感を伴うことも。「大人になってニキビが治らない」方は、実はこのタイプの可能性があります。

③ 腫瘤型:男性に多く、鼻の皮膚が肥厚して凸凹に。日本人では海外ほど目立つ変形は少ないですが、「鼻の毛穴が大きい」と気にされる方の中にこのタイプがあります。

④ 眼型:皮膚症状がなくても、まぶた・結膜・角膜の炎症だけで起こることがあります。眼科との連携が必要なタイプ。

海外ガイドライン(ROSCO 2019、米国NRSの2019年アップデート)では、見た目の組み合わせから「診断的表現型」という考え方も使われています。

なぜ起こる?酒さの原因

お酒のせいでなければ、何が原因なんですか?

酒さの原因はまだ完全には解明されていませんが、現在の研究では「一つの原因ではなく、いくつもの要因が重なって起こる」と考えられています。

① 遺伝:家族に酒さの方がいるとリスクが上がります。

② 免疫の異常:皮膚で「カテリシジン」「LL-37」「カリクレイン5」といった抗菌タンパクが増えすぎ、慢性の炎症を起こします。

③ 血管と神経の調節異常:皮膚にあるTRPチャネルという温度センサーが過敏になり、暑さ・寒さ・ストレスで顔が真っ赤になります。

④ 皮膚常在環境の乱れ:とくに「デモデックス(毛包虫・ニキビダニ)」というダニが酒さの方の毛穴で増えていることが分かっており、海外ではイベルメクチン外用が標準治療になっています。

⑤ 紫外線:UVAが皮膚のコラーゲンを壊し、炎症と血管新生を促進します。

⑥ バリア機能の低下:皮膚から水分が抜けやすくなり(TEWL増加)、刺激を受けやすい状態になります。

こうした要因が組み合わさって慢性炎症が成り立つので、治療も「ひとつ」ではなく「複数のアプローチ」を組み合わせる必要があります。

日常で気をつけたい「悪化因子」

日常で「これは避けて」というものはありますか?

海外の患者会の調査では、酒さの悪化因子は次の順で多いと報告されています。

  • 紫外線(もっとも影響が強い)
  • 心理的ストレス
  • 熱湯・サウナ・長風呂
  • 風(強風・寒風)
  • 激しい運動
  • アルコール
  • 寒い天候
  • 香辛料(唐辛子・カレー・スパイシーフード)
  • 刺激の強いスキンケア製品
  • ホットドリンク(熱いコーヒー・お茶)
  • 乳製品(人による)

「悪化因子を避けること」は外用薬と同じくらい大事な治療です。何が自分のトリガーかを記録しておくと、診察でも役立ちます。

酒さと間違えやすい病気(鑑別)

ニキビと言われて治療していたんですが、全然治らなくて…酒さだった、なんてこともあるんですか?

はい、実は「ニキビと診断されていたけど、よく見ると酒さだった」ケースは少なくありません。とくに30代以降に「ニキビが治らない」「いつもの薬で逆に赤くなった」場合は、酒さを疑います。

酒さと似た見た目をするのは、次の5つです。

似ている病気見分けるポイント
尋常性痤瘡(ニキビ)白ニキビ(コメド)が必ずある。10〜20代に多い
脂漏性皮膚炎鼻横や眉、髪の生え際の皮むけが目立つ
接触皮膚炎化粧品・洗顔料が原因で、急に出る・触った場所のみ
口囲皮膚炎口の周りに限局した小さな丘疹
酒さ様皮膚炎顔へのステロイドの長期使用が原因。中止が第一歩

特に注意したい「酒さ様皮膚炎」とは

酒さ様皮膚炎(さしゅさようひふえん)は、ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏(プロトピック)を顔に長期間塗ったことで、酒さに似た赤み・ブツブツが出てしまう状態のことです。

見た目はそっくりですが、原因がはっきりしている(薬剤性)のが特徴で、治療のアプローチも違います。

一番大切なのは「まず原因のステロイドをやめる」こと。やめると一時的に強くリバウンドが出ますが、徐々に回復します。問診で「顔にステロイドを長く塗っていなかったか」を必ず確認します。

ニキビ用の薬を顔に塗っていただけ、というつもりでも、市販の「フルコート」「リンデロンVG」「ロコイド」などのステロイド配合外用薬を長期使用していたケースが多いので、過去のスキンケアもお伝えください。

診断とチェック方法

病院ではどんなふうに調べるんですか?

酒さは血液検査などで「これがあれば確定」というものはなく、視診と問診が基本になります。

チェックポイントは次の通りです。

  • 主要項目:紅潮(一時的な赤み)/持続する赤み/丘疹や膿疱/毛細血管拡張
  • 副次項目:刺激症状/斑/乾燥/むくみ/眼症状/鼻などの腫瘤化

海外の診断基準では、主要項目・副次項目のうち1つ以上に当てはまると酒さの可能性が高いとされています。

追加で行う検査(必要な場合)

ダーモスコピー:拡大鏡で毛包周囲の赤みや毛細血管の拡張を観察。

直接鏡検:皮膚をこすって、デモデックス(毛包虫)の数を顕微鏡で確認。

皮膚生検(まれ):他の病気との鑑別が難しいときに、ごく小さな皮膚を取って組織を見ます。

これらは対面の皮膚科で行う検査です。当院オンライン診療では、まず視診・問診で酒さを疑い、必要があれば対面医療機関へご紹介します。

酒さの治療:まずは「悪化因子の除去」とスキンケア

治療はやっぱり、強い薬を使うんですか?

いいえ、ガイドラインも口を揃えて言っているのは「薬の前に、悪化因子の除去とスキンケアが最重要」ということです。これだけで赤みが半分以下になる方も少なくありません。

当院では次のような生活管理を、毎日の習慣として取り入れていただいています。

  • 紫外線対策:SPFだけでなくPA値も高い日焼け止めを毎日。曇りでも雨でも使う
  • 洗顔は優しく:たっぷり泡立てて、こすらず、すばやく、ぬるま湯
  • スキンケアはシンプルに:あれこれ重ねない。新しい化粧品は二の腕でパッチテスト
  • 保湿はバリア機能重視:セラミド・ナイアシンアミドを取り入れる
  • マスクをこまめに外す:摩擦と蒸れで悪化
  • 辛いもの・熱いもの・アルコールは控えめに
  • ストレス管理:質の良い睡眠、深呼吸、適度な運動

スキンケアの「これは避けて」

ピーリング系のゴワゴワしたスクラブ:バリアを壊します

アルコール(エタノール)配合の化粧水:刺激と乾燥の原因

香料・着色料の強い化粧品:かぶれの原因

ヘパリン類似物質(ヒルドイドなど):保湿には良いですが、酒さでは赤み・刺激が強まることがあり、注意して使う必要があります

レチノール・高濃度ビタミンC・AHAなど刺激の強い美容成分:症状が落ち着くまでは控えめに

保険適応の塗り薬:ロゼックスゲル

日本で保険が使える酒さの塗り薬って、何があるんですか?

日本で酒さに対して保険適応がある外用薬は、現時点では「ロゼックスゲル0.75%(メトロニダゾール)」の1種類のみです。

2022年に酒さへの保険適応が認められた、いま日本の酒さ治療の標準(第一選択)と言える塗り薬です。

もともと感染症や悪臭への治療で使われていた成分で、抗菌作用と抗炎症作用を持ち、酒さの中でも特に「丘疹膿疱型」のブツブツ・赤みによく効きます。

1日2回、洗顔後の清潔な肌に薄く塗布します。効果実感までの目安は早くて数週間、しっかり整うまで1〜2か月かかります。詳しくは「ロゼックスゲルの記事」もご参照ください。

ロゼックスゲルの副作用・注意点

主な副作用:適用部位の刺激感、乾燥、赤み、かゆみ、皮むけ

注意点:使い始めにヒリヒリ感が出ることがありますが、多くは続けるうちに慣れます。強く続く場合は使用を一時中断して受診。

妊娠・授乳中:メトロニダゾールは妊娠初期の安全性データが限られるため、妊娠中・妊娠の可能性がある方は医師に必ずお伝えください。

保険薬価は約102円/g。15g入で約1,522円、3割負担なら約460円程度です。

塗布後は紫外線対策をしっかり行ってください。

保険適応外の塗り薬(自費・海外標準)

日本では保険が効かないけど、海外では使われている薬もあるんですか?

はい、海外のガイドラインでは複数の外用薬が標準治療として使われていますが、日本では保険適応がなく、当院でも自費診療・専門医療機関のご紹介となります。

薬剤成分特徴
アゼライン酸15〜20%小麦由来の天然成分抗炎症・抗菌作用。丘疹膿疱型に効果あり。日本では保険適応外
イベルメクチン1%クリーム駆虫薬・抗炎症デモデックス(毛包虫)対策の海外標準治療。日本では保険適応外
ブリモニジン0.33%ゲルα2受容体作動薬血管収縮で赤みを一時的に改善。リバウンドに注意。日本では保険適応外
オキシメタゾリン1%クリームα1受容体作動薬上に同じ。リバウンドに注意。日本では保険適応外

ロゼックスゲルで物足りない方には、これらの組み合わせが検討されることがありますが、副作用や費用を含め、対面で詳しく説明したうえで判断する治療です。

飲み薬:内服抗菌薬・イソトレチノイン・漢方

塗り薬だけでは追いつかないとき、飲み薬もあるんですか?

はい、ロゼックスゲルだけで十分にコントロールできないとき、特に丘疹・膿疱が広い範囲に出ているときは、内服薬を組み合わせていきます。

① テトラサイクリン系内服抗菌薬:ガイドラインでも推奨されており、当院でもよく処方します。

② イソトレチノイン(自費):難治の重症例・腫瘤型に検討。妊娠中は絶対に使えません。

③ 漢方薬:体質・赤ら顔タイプにあわせて、補助的に併用することがあります。

① 内服抗菌薬(テトラサイクリン系)の詳しい解説

ビブラマイシン(ドキシサイクリン):抗菌作用に加えて抗炎症作用があり、酒さの炎症性病変に有効。

ミノマイシン(ミノサイクリン):同じくテトラサイクリン系。めまい・色素沈着の副作用に注意。

いずれも外用薬と3か月以内を目安に併用し、効果を確認したら塗り薬中心に切り替えていきます。

注意点:8歳未満の小児、妊婦・授乳婦には使えません。テトラサイクリン系は歯の着色や、長期使用での日光過敏症(日に当たると赤くなりやすい)にも注意します。

② イソトレチノイン(自費診療)

ビタミンA誘導体の内服薬で、皮脂腺を強力に縮小させる作用があります。重症ニキビと同様、難治の酒さ、特に腫瘤型(鼻瘤)に効果が報告されています。

重大な副作用:胎児奇形のリスクがあるため、妊娠中・妊娠の可能性がある方は絶対に使用できません。服用中・中止後一定期間は確実な避妊が必要です。

皮膚・粘膜の強い乾燥、脂質異常、肝機能障害、稀に気分の変化も報告されています。

日本では保険適応外の自費診療となるため、当院では取り扱いがありません。皮膚科専門医療機関へのご紹介となります。

③ 補助的に使う漢方薬

清上防風湯(せいじょうぼうふうとう):顔の赤ら顔・赤ニキビが繰り返すタイプ。酒さの第一選択漢方。

黄連解毒湯(おうれんげどくとう):のぼせ・顔の赤み・イライラを伴うタイプ。

桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん):月経前に悪化する女性のタイプ。

漢方は西洋薬と一緒に使えることが多く、悪化因子の調整+ロゼックスゲル+漢方の組み合わせで、再燃のコントロールがしやすくなります。

その他の治療:レーザー・光線療法

血管が広がってずっと赤いタイプには、レーザーが効くって聞きました。本当ですか?

はい、薬で完全には消えにくい毛細血管拡張(細い血管が透けて見える状態)には、光線療法(IPL)・色素レーザー(Vビーム)が高い効果を示します。

光線療法(IPL):幅広い波長の光で、皮膚のヘモグロビン(赤血球の色素)に反応させて拡張した血管を狙います。シミの改善効果も期待。

色素レーザー(Vビーム):585〜595nmの波長で、より強く血管を標的化。「毛細血管拡張症」の病名なら一部保険適応のクリニックもあります。

通常、月1回ペースで数回〜半年ほどかけて行います。当院オンライン診療では対応できないので、ご希望の方は専門医療機関へのご紹介をご案内します。

治療期間と費用の目安

どれくらい続ければ効果が出ますか?費用はどれくらい?

酒さは慢性疾患なので、ニキビ以上に「長く付き合っていく」イメージで治療します。

治療効果実感の目安費用の目安(3割負担)
ロゼックスゲル外用3〜8週間15g約460円・50g約1,533円
内服抗菌薬(ビブラマイシン等)2〜4週間1か月数百〜1,500円程度
イソトレチノイン(自費)1〜数か月医療機関により大きく異なる(自費)
レーザー(Vビーム)数回〜半年1回1〜3万円程度(自費/一部保険)

炎症が落ち着いたあとも、悪化因子のコントロールと低刺激スキンケアは生涯にわたって大切です。「治しきる」ではなく、「うまく付き合う」考え方が成功のポイントになります。

受診予約方法

オンライン診療でも、酒さの治療はできるんですか?

はい、当院ではオンライン診療でロゼックスゲル(保険適応の外用薬)・テトラサイクリン系内服抗菌薬・漢方薬の処方を行っています。

対面でしか行えないレーザー治療・光線療法・自費のイソトレチノインが必要なケースや、眼型(眼科併診が必要)・重度の腫瘤型では、専門医療機関へのご紹介をご案内します。

「ニキビと言われて治療していたけど、ずっと改善しない」「顔の赤みが恥ずかしくて人と会いたくない」「酒さ様皮膚炎かもしれず、ステロイドをやめたい」、そんなお悩みもオンライン診療でご相談いただけます。

よくある質問

お酒を飲まないのに「酒さ」と言われました。お酒のせいなんですか?

いいえ、酒さはお酒が原因の病気ではありません。アルコールは「悪化因子の一つ」にすぎません。

名前の由来は、見た目が「お酒に酔ったように顔が赤い」ことから付けられた歴史的な呼び方で、英語のrosacea(ロザシア)も「バラ色」が語源です。お酒を飲まなくても発症します。

酒さとニキビの違いは何ですか?

いちばんの違いは「白ニキビ(コメド)の有無」と「発症年齢」です。

ニキビ:思春期〜20代に多く、毛穴の詰まり(白ニキビ)が最初に出ます。背中・胸にも出やすい。詳しくは「ニキビの薬を徹底比較」もご参照ください。

酒さ:30代以降に多く、顔の中心の赤み・ほてり・血管拡張が主体で、コメドはほとんど作られません。同じ「顔のブツブツ」でも治療法はかなり違うので、見分けが大切です。

顔のステロイドをずっと塗っています。やめても大丈夫ですか?

長期的に顔へステロイドを塗っていた方は、「酒さ様皮膚炎」の可能性があります。やめると一時的に強くリバウンド(赤み・ヒリヒリ・腫れ)が出るため、自己判断で急にやめず、医師と相談しながら少しずつ切り替えていきましょう。

スキンケアの見直しと、必要に応じてロゼックスゲルや内服抗菌薬を組み合わせることで、リバウンドのつらさを軽減できます。

ロゼックスゲルはどれくらいで効きますか?

丘疹・膿疱の改善は3〜8週間で実感する方が多いです。早い方は2〜3週間で変化を感じます。

赤み(紅斑)は塗り薬だけでは改善しにくいことがあり、その場合はレーザー治療や光線療法を併用検討します。

紫外線対策はどのくらい大切ですか?

酒さの悪化因子で、もっとも影響が強いのが紫外線です。

SPF30以上+PA+++以上の日焼け止めを、晴れた日も曇りの日も毎日塗ってください。低刺激(ノンケミカル=紫外線散乱剤主体)のタイプが酒さの方には合いやすいです。

帽子・日傘・サングラスの併用も効果的です。

マスクで顔が赤くなる気がします。マスクは酒さを悪化させますか?

はい、マスクの摩擦・蒸れ・蒸し暑さは酒さの悪化因子になり得ます。

長時間の連続着用を避け、こまめに外して肌を休ませる、肌当たりが優しいマスクを選ぶ、汗をかいたら早めに清潔なものへ交換する、などの工夫がおすすめです。

酒さは治る病気ですか?一生治療を続けるんですか?

残念ながら酒さは慢性疾患で、「完全に治す」より「うまくコントロールする」治療になります。

ただし、悪化因子の管理+ロゼックスゲルなどの治療で、赤みやブツブツを目立たないレベルに保ち続けることは十分可能です。「治療をやめたら戻る」病気だと割り切って、長く付き合っていく姿勢が大切です。

漢方だけで治せますか?

漢方単独で完治させるのは難しいことが多いですが、清上防風湯黄連解毒湯などの漢方は、体質の底上げや赤ら顔の改善に有用です。

ロゼックスゲル+漢方+悪化因子の管理を組み合わせるのが、酒さで漢方を使う場合のおすすめのスタイルです。

化粧はしても大丈夫ですか?

はい、症状が安定していれば化粧は可能です。ただし、次の点に注意してください。

低刺激・ノンコメドジェニックの表示があるものを選ぶ。新しいアイテムは耳の後ろや二の腕でパッチテストを。

クレンジングはオイルではなく、ミルクやジェルタイプでやさしく。赤みカバーには緑系の下地が目立たないコツです。

オンライン診療でロゼックスゲルは処方してもらえますか?

はい、当院では初診からオンライン診療でロゼックスゲルを保険処方しています。診察ではマスクを外したお顔の状態を見せていただき、悪化因子・生活背景もていねいに伺います。

スキンケアの見直し・生活管理についても、診察の中でアドバイスいたします。処方が確定すると、薬局から服薬指導のお電話をしたうえで宅薬便(ポスト投函)でお薬をお送りします。最短で翌日にお手元に届きますが、薬局の服薬指導の枠の状況によっては、お電話やお届けが翌日にずれ込むこともあります。あらかじめご了承ください。

参考文献・出典

  • 日本皮膚科学会編「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」
  • PMDA 医薬品添付文書「ロゼックスゲル0.75%(メトロニダゾール)」
  • PMDA 医薬品添付文書「ビブラマイシン錠50mg・100mg/ミノマイシン錠」
  • van Zuuren EJ, et al. Rosacea: new concepts in classification and treatment. Am J Clin Dermatol. 2021;22(4):457-465.
  • Thiboutot D, et al. Standard management options for rosacea: The 2019 update by the National Rosacea Society Expert Committee. J Am Acad Dermatol. 2020;82(6):1501-1510.
  • Schaller M, et al. Recommendations for rosacea diagnosis, classification and management: update from the global ROSCO 2019 panel. Br J Dermatol. 2020;182(5):1269-1276.
  • Zhang H, et al. Rosacea treatment: review and update. Dermatol Ther (Heidelb). 2021;11:13-24.
  • National Rosacea Society https://www.rosacea.org/

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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