オンライン診療にデメリットはある?医師が正直に解説する利用前の注意点

オンライン診療にデメリットはある?
医師が正直に解説する利用前の注意点

オンライン診療にはどんなデメリットがあるのでしょうか?

触診・検査ができない、点滴などの処置はできない、通信トラブルのリスクがある、処方できる薬に制限がある——という4点が主なデメリットです。特性を理解したうえで使えば、非常に便利な仕組みです。

オンライン診療はとても便利な仕組みですが、対面診療とまったく同じことができるわけではありません。利用前に知っておいていただきたいデメリットを、医師の立場から正直に整理してお伝えします。

1. 診断の精度には限界がある|触診・聴診・検査ができない

オンライン診療では、医師はカメラ越しの視診と問診を中心に診療を進めます。実際に触れて確認する触診や、聴診器を当てる聴診はできません。採血・レントゲン・エコーといった画像検査もその場で行えません。

そのため、これらの所見が判断の決め手になる症状については、オンラインだけで結論を出すのが難しいケースがあります。腹痛や胸痛など、触ったり聴いたりして初めて見えてくるサインがある症状では、対面診療の方が安全です。オンライン診療に向いている症状・向いていない症状も参考にしてください。

2. 治療手段は基本的に「お薬の処方」に限られる

オンライン診療でできる治療は、基本的にお薬の処方が中心になります。点滴・注射・創部の処置・リハビリテーションといった「その場で何かをする治療」は行えません。

また、診察時間にも一定の枠があるため、対面でじっくりお話しいただくスタイルに比べると、ゆったり時間を取りにくい場面が出てくることもあります。オンライン診療で薬だけ処方してもらえる?も合わせてご覧ください。

3. 通信・システム上のトラブルが起こりうる

オンライン診療はインターネット環境に依存します。システムの不具合や電波状況によって、診察が途中で途切れるリスクがあります。

また、対面の通院と違って物理的に「待合室にいる」状態が作れないため、予約時間の失念や時間のズレが起こりやすいのも事実です。患者さんが診察画面に現れなかったり、医師側も別の診察が長引いて予定時間に遅れたりすることが起こり得ます。こうしたトラブル時には、電話で別途連絡を取り直して対応する形になります。

4. 処方できる薬に制限がある|受け取り時のミスにも注意

国の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(厚生労働省)により、睡眠薬の一部など、オンライン診療では処方できない薬や対応できない症状があります。いつも飲んでいるお薬がオンラインで出せるかどうかは、受診前に確認しておくと安心です。詳細は初診オンライン診療で処方できない薬とは?もご参照ください。

もう一つ見落とされがちなのが、薬の受け取りに関するリスクです。対面診療であれば、処方箋を窓口で受け取った時点で「薬の名前が違う」「量がおかしい」といったミスにその場で気づけます。一方、オンライン診療で服薬指導までオンラインで完結する場合、薬は郵送で手元に届くため、開封してから「希望と違う」と気づくと、返品や再処方のやり取りという手間が発生します。

そのため当院でも、オンライン診療では「患者さんがどのような薬を希望されていて、こちらが何を処方するか」の確認を、対面以上に時間をかけて丁寧に行うようにしています。

デメリットを最小化するコツ|ウェブ問診票を活用する

ここまでお伝えしたデメリットの多くは、事前のウェブ問診票をしっかり記入いただくことでかなり防げます。症状の経過・希望するお薬・過去の処方歴・アレルギー歴などを文字情報として残していただけると、診察中の確認漏れや薬の取り違えが起きにくくなります。

オンライン診療のメリット(料金の安さ・待ち時間の解消・移動不要など)については、継続受診の仕組みと効果などの関連記事もあわせてご参照ください。

まとめ

触診・検査ができない、薬の処方が中心、通信トラブルのリスク、処方薬の制限——という4点が主なデメリットです。事前にウェブ問診票を丁寧に記入いただくことで多くはカバーできます。ご不明な点はよくある質問(Q&A)もご活用ください。


よくある質問(Q&A)

オンライン診療で対応できない症状はどんなものですか?

触診・聴診が必要な症状(腹痛・胸痛など)、採血・レントゲンが判断の決め手になる症状、点滴や処置が必要な症状はオンライン診療が苦手とするケースです。まずはご相談いただければ、対面への切り替えが必要かどうかも含めてご案内します。

いつも飲んでいる薬は、オンライン診療で続けて処方してもらえますか?

お薬の種類によります。睡眠薬の一部など、初診オンライン診療では処方できない薬があります。再診でも種類によって制限がある場合があります。ご不明な場合は受診前にお問い合わせいただくか、受診時にご確認ください。

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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