初診オンライン診療で処方できない薬とは?向精神薬・睡眠薬の注意点

初診オンライン診療で処方できない薬とは?
向精神薬・睡眠薬の処方ルールを医師が解説

マイスリー(ゾルピデム)やデパス(エチゾラム)は、オンライン診療の初診でもらえますか?

初診がオンラインの場合は向精神薬は処方できません。さらに令和8年4月21日の疑義解釈(その4)により、再診でもオンラインのみでは処方不可と明確になりました。

初診オンライン診療で処方できない薬(法令で禁止)

医療法施行規則第9条の6の13第3項(令和8年4月1日施行)により、初診のオンライン診療では以下の薬を処方することができません。

向精神薬(第1種〜第3種)

  • 第1種向精神薬:メチルフェニデート(リタリン・コンサータ)など
  • 第2種向精神薬:フルニトラゼパム(サイレース)など
  • 第3種向精神薬:ゾルピデム(マイスリー)、エチゾラム(デパス)、ブロチゾラム(レンドルミン)、トリアゾラム(ハルシオン)、ニトラゼパム(ベンザリン)など

麻薬

  • モルヒネ、オキシコドン、フェンタニル、トラマドール(ワントラム・トラマール)など

初診オンライン診療で処方できる薬

向精神薬・麻薬に該当しない以下の薬は、初診のオンライン診療でも処方できます。

不眠・睡眠の薬(依存性なし)

  • ロゼレム(ラメルテオン):メラトニン受容体作動薬。依存性・習慣性なし
  • クービビック(ラメルテオン放出制御錠):ロゼレムの改良版
  • デエビゴ(レンボレキサント):オレキシン受容体拮抗薬。自然な眠気を引き出す
  • ベルソムラ(スボレキサント):同じくオレキシン受容体拮抗薬

うつ・不安の薬(SSRI・SNRI等)

  • SSRI:エスシタロプラム(レクサプロ)、セルトラリン(ジェイゾロフト)、パロキセチン(パキシル)など
  • SNRI:デュロキセチン(サインバルタ)、ベンラファキシン(イフェクサー)など
  • その他:ミルタザピン(リフレックス)、ボルチオキセチン(トリンテリックス)など

当院の対応

  • 初診では依存性のない睡眠薬(デエビゴ・ベルソムラ・ロゼレムなど)や抗うつ薬(SSRI・SNRIなど)を処方します
  • 他院でマイスリー・デパス等のベンゾジアゼピン系を服用中の方は、初診での継続処方はできません。再診でのオンライン処方も、当院では処方いたしません。
  • 令和8年4月21日の疑義解釈(その4)により、再診でもオンライン完結では向精神薬処方不可。

【参考】医療法施行規則第9条の6の13第3項(令和8年4月1日改正)、厚生労働省 疑義解釈資料(その4)令和8年4月21日付 問16

【重要】再診でもオンラインのみでは処方できないケース

令和8年4月21日公表の疑義解釈資料(その4)問16により、さらに重要な点が明確化されました。

  • 処方可能:当院で過去に対面診療を受けた症状について、再診オンラインで継続処方を希望する場合
  • 処方不可:初診・再診ともにオンラインのみ(一度も対面診療を受けていない場合)は向精神薬・睡眠薬(ベンゾジアゼピン系等)は処方不可
  • 抜け穴も閉鎖:たとえば初診で抑肝散(漢方)を処方して関係を作り、2回目からベンゾジアゼピン系に切り替えるような行為も、「その症状について対面診療を経ていない」として認められません

つまり「オンライン診療クリニックで最初は別の薬を処方し、すぐ向精神薬に切り替える」という行為は保険適用外となります。

まとめ

令和8年4月改正により、マイスリー・デパスなど向精神薬・麻薬は初診オンライン診療で処方できません。当院では初診から処方できる依存性のない睡眠薬(デエビゴ・ベルソムラ・ロゼレム)で治療していきます。


よくある質問(Q&A)

マイスリー(ゾルピデム)はオンライン診療の初診で処方してもらえますか?

いいえ、処方できません。マイスリー(ゾルピデム)は第3種向精神薬に該当するため、令和8年4月1日以降、初診のオンライン診療での処方は法律で禁止されています。初診では依存性のないデエビゴやベルソムラなどの睡眠薬をご提案します。

他の病院で対面診療を受けた症状なら、当院のオンライン診療で向精神薬をもらえますか?

原則として難しいです。令和8年4月21日の疑義解釈(その4)では「その症状について対面診療を経ている場合」のみ再診オンラインで向精神薬処方可とされていますが、これは当院での対面診療歴を指します。他院での受診歴は対象外となります。

SSRI(抗うつ薬)はオンライン診療の初診で処方できますか?

はい、SSRIやSNRIは向精神薬・麻薬に該当しないため、初診のオンライン診療でも処方できます。エスシタロプラム(レクサプロ)、セルトラリン(ジェイゾロフト)、デュロキセチン(サインバルタ)などが代表的です。しかし定期的に処方が必要な場合は、当院では精神科の受診を勧めております。

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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