高脂血症はオンライン診療で管理できる?コレステロールの薬を遠隔で調整する仕組みを医師が解説
高脂血症はオンライン診療で管理できる?
コレステロールの薬を遠隔で調整する仕組みを医師が解説

コレステロールの薬を飲んでいるのですが、最近病院に行けていなくて…。オンライン診療でも管理してもらえますか?

高脂血症はオンライン診療と相性のよい疾患です。血液検査の結果さえ共有していただければ、薬の調整はオンラインで十分対応できます。「症状がないから大丈夫」と受診をやめてしまうことが一番のリスクなので、続けやすい形で管理することが大切です。
目次
高脂血症とオンライン診療の相性
高脂血症(脂質異常症)は、自覚症状がほとんどない疾患です。LDLコレステロールや中性脂肪が高くても、頭痛も胸痛も何も感じない。だからこそ「少し数値が落ち着いたから」と受診をやめてしまう方が非常に多い。
管理の中心は「血液検査の数値」と「スタチンなどの薬の調整」です。触診や聴診が毎回必要な疾患ではないため、血液検査の結果を持参していただければ、診察はオンラインで十分成立します。
- 健康診断でLDLコレステロールが高い方
- 数値はある程度コントロールされているが、定期フォローが必要な方
- 忙しくて通院の時間が取りにくい方
こういった方に特にオンライン診療は向いています。
複数の研究が示すエビデンス
遠隔サポートやテレヘルス介入が脂質管理を改善することは、複数のランダム化比較試験(RCT)で示されています。
Pogosova(2021年、Global Heart誌)のRCTでは、高心血管リスク患者100人を対象に、医師によるカウンセリング+看護師の電話遠隔サポートを通常診療と比較。12ヶ月後、遠隔介入グループはLDL-Cが有意に低下(p=0.003)し、その効果が長期にわたって持続しました。
また、BMC Health Services Research(2025年)に掲載されたRCTでは、スタチン服薬中の糖尿病患者90人を対象に、SMSによるテレヘルス介入の効果を検討。12週後のLDL-cは介入群 71 mg/dL vs 通常ケア群 108 mg/dL(p<0.001)と、介入群で大幅に改善しました。
これらの研究が示すのは一点です。「定期的な受診と服薬継続を支える仕組み」があれば、遠隔でも十分に脂質管理ができるということです。
参考文献:
・Pogosova N, et al. Glob Heart. 2021;16(1):21. doi:10.5334/gh.825. PMID: 33833945
・BMC Health Serv Res. 2025. doi:10.1186/s12913-025-13295-3
なぜオンライン診療でコレステロールが管理できるのか
高脂血症でLDLが下がらない最大の理由は、スタチンが中断されることです。
スタチンは副作用が少なく安全な薬ですが、「症状がないから飲まなくてよいのでは」と自己判断で中断してしまう患者さんが少なくありません。処方された患者の約半数が1年以内に服薬を中断しているという報告もあります。
オンライン診療はこの問題を正面から解決します。
- 受診ハードルが下がる 通院の手間がなくなり、定期フォローが途切れにくい
- 薬の必要性を定期確認 医師が定期的に確認することで、自己判断中断を防ぐ
- 血液検査をもとに細かく調整 LDL目標値に合わせて薬の種類・量を最適化
「薬を続けながら、定期的に医師が確認する」この仕組みそのものが、高脂血症管理の最重要ポイントです。
当院のオンライン高脂血症管理について
当院では、高脂血症の継続管理をオンラインで行っています。基本的な流れはシンプルです。
- 血液検査を事前に受ける 健康診断などの採血でLDL・中性脂肪・HDLなどを測定
- 結果を持ってオンラインで受診 数値をもとに薬の効果・副作用・生活習慣を確認
- 必要に応じて処方を調整 薬はご自宅に配送も可能
毎回同じ病院に行く必要はなく、お近くで採血だけ受けていただければオンラインで対応できます。
オンライン診療での高脂血症管理が向いているケース
- すでに高脂血症の診断がついており、スタチンなどの薬が処方されている
- 数値はある程度落ち着いており、定期フォローが必要
- 仕事や育児で通院の時間が取りにくい
- 筋肉痛などの副作用がなく、薬を問題なく内服できている
対面受診が必要なケース
- 薬を飲んでいるけど、LDLコレステロールの値が下がらない (治療困難例)
- 甲状腺疾患・腎疾患など、二次性脂質異常症が疑われる
- 家族性高コレステロール血症(FH)が疑われる
このような場合は、まず対面でしっかり評価を受けていただくことをおすすめしています。
まとめ
高脂血症は「症状がないから受診をやめてしまう」ことが最大のリスクです。スタチンを続けながら定期的に血液検査をフォローするという管理スタイルは、オンライン診療と非常に相性が良い。血液検査の結果さえ把握できていれば、処方の維持・調整はオンラインで十分対応できます。
診断がついており薬が安定している方は、ぜひオンライン診療を活用して通院の負担を減らしてみてください。オンライン診療で受診できる症状についてはこちらもご覧ください。
よくある質問(Q&A)
-
高脂血症はオンライン診療で管理できますか?
-
血液検査の結果を共有いただくことで、オンラインでの継続管理が可能です。LDLや中性脂肪の数値をもとに薬の調整も行えます。
-
コレステロールの薬は一生飲み続けるものですか?
-
一概に「一生」と決まっているわけではありませんが、長期管理になるケースは多いです。
特に動脈硬化のリスクが高い方では、長期的に継続することで心筋梗塞や脳梗塞の予防につながります。
一方で、
・体重が大きく減った
・食事や運動習慣が改善した
・数値が安定している
といった場合には減量や中止を検討することもあります。大切なのは、
「飲み続けるかどうか」を定期的に見直すことであり、
その管理にオンライン診療は非常に向いています。
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
-
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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