【リベルサスとは?】飲み方・副作用・体重変化などわかりやすく解説!
【リベルサスとは?】
飲み方・副作用・体重変化などわかりやすく解説!

糖尿病があるので『リベルサス錠』を使っています。

リベルサス錠は、GLP-1受容体作動薬という系統の薬の中で、唯一の経口薬(飲み薬)です。
糖尿病が落ち着いている方はリベルサス錠をオンライン診療で処方可能です。
この記事は、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
目次
リベルサス®錠とは?
2型糖尿病の新しい経口GLP-1受容体作動薬
当院でも処方している「リベルサス®錠」は、2型糖尿病の治療に使われる飲み薬タイプのGLP-1受容体作動薬です。
この記事では、
- リベルサス錠をこれから検討している方
- すでに使い始めて「もっと詳しく知りたい」という方
に向けて、できる限りわかりやすく解説します。
リベルサス®錠とは
リベルサス錠は、有効成分としてセマグルチド(遺伝子組換え)を含みます。
以下のような特徴を持つ糖尿病治療薬です。
- 2型糖尿病の治療薬(1型には使用不可)
- 経口GLP-1受容体作動薬(飲み薬タイプ)
- 3mg・7mg・14mgの3種類の錠剤
血糖を下げるだけでなく、
- インスリン分泌を助ける
- 食欲を抑える
- 胃の動きをゆっくりにする
といった作用もあります。
世界中で使われている薬で、日本でも2020年に承認されました。
※劇薬・処方箋医薬品のため、必ず医師の管理のもとで使用します。
リベルサス®錠の特徴
① GLP-1という「体内ホルモン」を利用した薬
GLP-1は、小腸から出るインクレチンホルモンで、次のような作用があります。
- 血糖が高いときにインスリンの分泌を促す
- 血糖を上げるホルモン「グルカゴン」を抑える
- 胃の動きをゆっくりにする
ただし、体内のGLP-1はすぐに壊れてしまうため、そのままでは薬として使えません。
そこで登場したのが、壊れにくく作用が持続する「GLP-1受容体作動薬」です。
セマグルチドは、GLP-1とよく似た構造を持ちながら、分解されにくいように工夫されています。
② 最初は注射薬 → 経口薬へ進化
セマグルチドはもともと、週1回の注射薬「オゼンピック®」として使われてきました。
ですが、
- 注射に抵抗がある
- 毎週続けるのが負担
- 長期治療をもっとラクにしたい
という声を受けて、飲み薬(リベルサス錠)が開発されました。
③ 吸収促進剤で「飲めるGLP-1薬」に
セマグルチドのようなたんぱく質製剤は、通常胃や腸で壊れてしまうため、
飲み薬として使うのはとても難しいものでした。
リベルサス錠は、「SNAC(サルカプロザートナトリウム)」という吸収促進剤を一緒に含むことで、
- 胃の中で薬が溶けやすく
- セマグルチドが一時的に吸収されやすい状態を作る
という仕組みにより、世界初の経口GLP-1薬として実現されました。
効能・効果
- 適応症:2型糖尿病
(※1型糖尿病には使用できません) - 対象:食事療法・運動療法をきちんと行っても血糖が十分に下がらない方
※「やせ薬」ではありません
体重減少がみられることもありますが、減量目的のみでの使用は不適切です。
有効性:臨床試験のポイント
① HbA1cの改善
- プラセボとの比較で、1%前後またはそれ以上のHbA1c低下
- 特に7mg・14mgでは、明確な血糖改善効果
- 他の薬(メトホルミン、SGLT2阻害薬など)との併用でも有効
📌 試験によって異なりますが、−0.5〜−1.8%程度のHbA1c低下が確認されています。
② 体重への影響
- 多くの試験で、体重が少しずつ減少
- 特に14mgでは明確な体重減少が報告されています
※ただし「必ずやせる薬」ではありません。
効果には個人差があります。
③ 低血糖リスク
- 単独使用やメトホルミン・SGLT2阻害薬との併用:
重い低血糖はまれ - SU薬・インスリンと併用:
低血糖の頻度が増えるため、併用時はこれらの減量を検討します。
飲み方と用法・用量
基本的な使い方
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 初期量 | 1日1回3mgから開始(少なくとも4週間) |
| 維持量 | 1日1回7mgへ増量 |
| 最大量 | 効果不十分なら14mgへ(7mg×2錠ではなく、14mg錠を1錠で) |
非常に重要な「飲み方のルール」
- 朝、最初の飲食前に飲む(空腹時)
- 120mL以下の水で1錠だけ服用
- 30分間は何も飲食しない/他の薬もNG
- 錠剤は割らない・かまない・砕かない
📌 飲み忘れた場合は無理に飲まず、翌日から再開してください。
2回分をまとめて飲むのは危険です。
使用できない方(禁忌)
- 過去にアレルギー反応が出た方
- 糖尿病性ケトアシドーシス/昏睡のある方
- 1型糖尿病の方(インスリン必須)
- 重い感染症・大手術などの緊急状態にある方
注意が必要な方(要相談)
- 膵炎を起こしたことがある
- 重い胃腸障害や腸閉塞・手術歴がある
- 胃の一部を切除している(吸収に影響)
- 低血糖を起こしやすい状態にある
- 妊娠中・授乳中・妊娠希望
- 高齢者
- 腎臓・肝臓・甲状腺・胆のうの病気がある方
飲み合わせに注意が必要な薬
① 他の糖尿病薬
- SU薬、速効型インスリン分泌薬、インスリン製剤など
→ 低血糖のリスクが高まる
※用量調整(減量など)が必要になる場合があります。
- DPP-4阻害薬
→ GLP-1系の作用が重複するため、併用は推奨されません
② レボチロキシン(甲状腺ホルモン薬)
- 血中の甲状腺ホルモンが上昇する可能性あり
→ 定期的なTSH(ホルモン)検査が検討されます
③ その他の薬
- メトホルミン、ワルファリン、ジゴキシン、ロスバスタチンなどは
基本的に問題ないとされていますが、
薬の追加・変更時は**「リベルサス使用中」と必ず伝える**ことが大切です。
主な副作用とその頻度
よくある副作用(軽〜中程度)
- 悪心(むかつき)
- 下痢/便秘
- 嘔吐/食欲不振
→ 飲み始めや増量初期に出やすく、多くは自然に軽くなることが多いです。
注意が必要な重い副作用
| 副作用 | 具体的症状・対応 |
|---|---|
| 低血糖 | ふるえ、冷や汗、動悸、強い空腹、意識消失リスクあり |
| 急性膵炎 | 持続的な腹痛・背中まで抜ける痛み・嘔吐など |
| 胆道系疾患 | 右上腹部の痛み、発熱、黄疸(目や皮膚の黄ばみ) |
| イレウス(腸閉塞) | 強い便秘、お腹の張り、持続する腹痛、嘔吐など |
| 網膜症悪化 | 急な視力低下、かすみ、見えにくさなど |
| 腎機能障害 | 強いだるさ、むくみ、尿量減少など |
| 甲状腺の問題 | ラット実験での髄様癌報告 → 首のしこり、声枯れ、飲み込みにくさは要注意 |
まとめ:リベルサス®錠を検討される方へ
リベルサス錠は、
- 1日1回の経口GLP-1薬
- HbA1cと体重の改善が期待できる
- 消化器症状は出るが、飲み方次第で吸収・効果に大きく影響する薬
です。
一方で、
- 飲み方に厳格なルールがある
- 一部の薬と併用に注意が必要
- 妊娠中・授乳中の方には向かない
- 膵炎・胆のう・腸の病歴がある方には慎重な対応が必要
という点もあります。
最後に
- 「自分に合う薬か知りたい」
- 「他の糖尿病薬と比較したい」
- 「すでに飲んでいるけど不安がある」
などの疑問や不安があれば、診察時に遠慮なくご相談ください。
あなたの体質や生活習慣に合わせて、最適な治療法を一緒に考えていきます。
参考文献・出典
日本糖尿病学会の治療ガイドライン(2023年版など)
KEGG DRUG:D10025(セマグルチド)
厚生労働省「最適使用推進GL(GLP-1受容体作動薬関連)」
主な論文:
国内第III相試験(JAPIC登録情報など)
PIONEER試験シリーズ(PIONEER 1〜10)
よくある質問(Q&A)
-
この薬(リベルサス錠)の同じ系統の薬と比べた強みは?
-
リベルサス錠は、GLP-1受容体作動薬という系統の薬の中で、唯一の経口薬(飲み薬)です。通常、GLP-1受容体作動薬は注射剤(週1回や毎日注射)が一般的でしたが、リベルサスは注射が苦手な方にも使いやすいという利点があります。
項目 リベルサス錠 他のGLP-1薬(例:オゼンピック、ビクトーザなど) 形状 飲み薬 注射薬 投与頻度 1日1回 毎日または週1回 体重減少効果 あり あり(薬剤により効果差あり) 吸収制限 飲み方に制約あり なし 注射を避けたい方には、リベルサスが最も取り入れやすいGLP-1系薬剤です。
-
リベルサス錠の先発薬や注射型の発売年は?
-
リベルサスの有効成分であるセマグルチドは、もともと週1回の注射薬「オゼンピック®」として登場しました。
- オゼンピック®:2018年3月 日本で承認
- リベルサス®錠:2020年6月 日本で承認(世界初の経口GLP-1薬)
-
1か月(30日)処方時の薬価と自己負担額は?
-
用量 薬価(1錠) 月額薬価(30錠) 自己負担(3割負担) 3mg 139.6円 4,188円 約1,256円 7mg 325.7円 9,771円 約2,931円 14mg 488.5円 14,655円 約4,396円 ※実際の窓口負担は、調剤技術料・管理料などが加算されるため、+500~1,000円程度多くなることがあります。
-
効果が出るまでの時間と持続時間は?
-
- 作用発現時間:数日~1週間ほどで血糖低下の効果が現れることが多いです。
- 持続時間:1日1回の服用で、24時間効果が持続するとされています。
※個人差あり。HbA1cの明確な改善は数週間~1〜2か月で現れてきます。
-
妊娠中に使える?注意点は?
-
使用は推奨されていません。
血糖コントロールが必要な場合は、インスリン治療が推奨されます。
動物実験で胎児への影響(催奇形性など)が報告されているため、
妊娠中または妊娠の可能性がある方は、リベルサスは避けるべきとされています。
-
授乳中に使える?母乳への移行と注意点は?
-
ヒトでの母乳中移行性は不明ですが、
動物実験では乳汁中への移行が確認されており、
授乳中は使用を控えるか、授乳を中止して投与することが検討されます。
-
子どもに使える?小児への使用は?
-
日本国内では、小児(18歳未満)への安全性・有効性は確立していません。
海外では一部で12歳以上の使用が認可されている国もありますが、
日本では現時点で小児への使用は原則不可とされています。
※治験等で年齢対象が広がる可能性はありますが、慎重な対応が必要です。
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
-
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
詳しいプロフィールはこちら
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