顔が赤い・イライラ・のぼせに…
黄連解毒湯ってどんな漢方？

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黄連解毒湯（おうれんげどくとう）とは

「黄連解毒湯」は、のぼせや赤ら顔、いらいらしやすい体質の方に用いられる漢方薬です。

4つの生薬（オウレン・オウバク・オウゴン・サンシシ）から構成され、熱を冷ます・炎症をしずめる作用が中心。皮膚症状・睡眠トラブル・胃の不調など、幅広い症状に対応します。

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黄連解毒湯の特徴

• 古典『外台秘要方』に記された処方をベースに、
• ツムラ独自の乾式造粒法で、服用しやすい顆粒に製剤化されています。

含有成分の一例

• バイカリン（オウゴン由来）
• ベルベリン（オウレン・オウバク由来）
• ゲニポシド（サンシシ由来）

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効能・効果

以下のような体質の方に適します：

比較的体力があり、のぼせがち・顔が赤くなりやすい・いらいらしやすい方

適応する症状

• 鼻出血、高血圧に伴う諸症状
• 不眠、ノイローゼ（神経症）
• 胃炎、二日酔
• 血の道症（更年期・産前産後の心身不調）
• めまい、動悸
• 湿疹・皮膚炎・皮膚そう痒

※漢方薬は「証（しょう）＝体質・症状の特徴」が合うかが重要です。体質に合わないと十分な効果が出ないことがあります。

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有効性（有効性試験などの要点）

ツムラの添付文書には主に基礎研究データが記載されています。

確認されている作用

• 抗炎症作用
  　むくみ（浮腫）・血管透過性の亢進・肉芽形成を抑制
• 胃粘膜保護作用
  　酸化ストレスや薬剤誘発の胃障害を軽減
• 循環系への作用
  　ラットで海馬（記憶に関与）の血流が増加
• 血小板凝集抑制作用（試験管内）
  　血小板の凝集・放出反応を複数の刺激で抑制

※これらは作用のしくみの裏づけであり、患者さんでの臨床試験成績（数値）は添付文書に多くは記載されていません。

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用法・用量

• 通常、成人は1日7.5gを2～3回に分けて服用
• **食前または食間（食後2～3時間）**が基本
• 年齢・体重・症状により調整が必要

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使用できない方（禁忌）

添付文書上に「禁忌」はありませんが、以下に該当する場合は使用を避けるか、医師に必ず相談してください。

• 著しく体力が低下している方
  　→ 副作用が出やすくなります
• 妊婦・妊娠の可能性がある方
  　→ 治療上の必要性があるときのみ使用
• 授乳中の方
  　→ 母乳継続の可否を検討
• 小児
  　→ 臨床試験データがなく、安全性不明
• 高齢者
  　→ 一般に機能が低下しているため、減量など慎重な対応が必要
• 本剤や生薬にアレルギー歴のある方
• 間質性肺炎・肝機能障害の既往がある方
• 長期使用予定の方（5年以上）
  　→ サンシシ含有製剤で腸間膜静脈硬化症のリスクあり
  　→ 定期的なCT・大腸内視鏡などの検査が推奨されます

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飲み合わせに注意が必要な薬

漢方薬の併用

• 他の漢方製剤と同じ生薬の重複に注意
  　→ 特にサンシシ含有製剤との併用は避ける（リスク回避のため）

抗血小板薬・抗凝固薬

• 基礎研究で血小板凝集抑制作用が示唆されています
  　→ 服用中の方は、出血傾向に注意し、主治医に申告

※アスピリン、クロピドグレル、ワルファリンなどが該当

その他

• サプリ・健康食品も含めて、自己判断での併用は避け、医師に相談してください。

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副作用と発生頻度

いずれも頻度不明ですが、以下の副作用が報告されています。異常を感じたら服用を中止し、すぐに受診してください。

【重大な副作用】

• 間質性肺炎
  　咳・息切れ・発熱・胸部異常音など
• 肝機能障害・黄疸
  　倦怠感・食欲不振・尿の色が濃い・目や皮膚の黄ばみ
• 腸間膜静脈硬化症（長期投与で報告）
  　腹痛・下痢・便秘・腹部膨満感・便潜血陽性など

【その他の副作用】

• 過敏症：発疹、じんましんなど
• 消化器症状：胃もたれ、吐き気、腹痛、下痢など

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まとめ

「黄連解毒湯」は、
のぼせ・赤ら顔・イライラが目立つ体質に合う、
熱を冷ます・炎症をしずめるタイプの漢方薬です。

使用上のポイント

• 効果には「証（体質）」との相性が重要
• 自己判断での長期使用は避ける
• サンシシ含有製剤との併用・継続投与に注意
• 飲み合わせや副作用が心配な方は、医師に体質判定を相談

参考文献・出典

医療用添付文書（2023年12月改訂）

インタビューフォーム

KEGG DRUG データベース（D06924）

JAPIC 添付文書情報

主要文献例：

Mizukawa H et al., Am. J. Chin. Med. 21(1), 71-78 (1993)

楊麗波ら. 臨牀と研究 69(9), 3005-3018 (1992)

小林隆ら. 和漢医薬学会誌 10(3), 222-230 (1993)

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