うがい薬でのどの痛みが治る?「アズノールうがい液」の効果と注意点

うがい薬でのどの痛みが治る?
「アズノールうがい液」の効果と注意点

喉が痛くて『アズノールうがい液4%』使っています

アズノールうがい液4%は、液剤タイプの医療用うがい薬で、

創傷治癒促進効果と消炎効果を両立しており、

のどや口のトラブル全般に広く対応できる点がメリットとされています。

アズノールうがい液4%はオンラインで処方することができます。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。


アズノールうがい液4%とは?

アズレンスルホン酸ナトリウム水和物を有効成分とするうがい薬(含嗽〈がんそう〉液)です。
のどの痛み・はれ、口内炎、歯ぐきの炎症、口の中の傷のケアに使用される医療用医薬品
です。


特徴

カモミール(キク科植物のカミツレ)に含まれる「アズレン」という成分は、古くから炎症をしずめる作用があるとされてきました。1930年代にはその効果が実験で確認されています。

その後、アズレンの仲間であるグアイアズレン由来の誘導体=アズレンスルホン酸ナトリウム水和物が開発され、医療現場で広く使用されるようになりました。

従来は水に溶けにくい粉タイプ(散剤・錠剤)が主流でしたが、このアズノールうがい液4%は液体タイプとして2002年に登場
水に溶けやすく、成分が均一に広がるため、使いやすくなっています。


効能・効果

以下のような、口やのどの炎症や傷に使用されます:

  • 咽頭炎・扁桃炎(のどの痛み・はれ)
  • 口内炎
  • 急性歯肉炎
  • 舌炎
  • 口腔創傷(口の中の傷)

有効性(作用のしくみと研究データ)

● 抗炎症のしくみ

  • 白血球が炎症部位へ集まるのを抑える
  • ヒスタミン(炎症を引き起こす物質)の放出を抑える
  • 血管の透過性(炎症によるはれ)をおさえる

👉 ※この薬はステロイドとは異なり、ホルモンのバランスやプロスタグランジン(炎症を悪化させる物質)には作用しない「局所的に働く抗炎症薬」です。


● 傷の治りを早める効果(実験による確認)

酢酸で口内炎をつくったハムスターを使った研究で、40μg/mL以上の濃度で使用すると、傷の治りが早くなることが確認されました。


● 基礎研究における消炎作用の確認

ネズミを使った実験や、試験管内での実験(基礎実験)では、以下のような炎症をおさえる作用が見られました:

  • 白血球の移動を抑える
  • ヒスタミンの放出を抑える
  • カラゲニンやデキストランなど炎症を起こす物質による反応を抑える

● 他の薬と比べたときの効果(粉薬との比較)

本剤(液体)と、以前からある粉タイプのうがい薬(散剤)を同じ濃度に調整して比較したところ、
傷の治り方や炎症の抑え方に大きな違いはありませんでした。

→ つまり、「どちらも同じような効果がある(=同等の効果)」と判断されています。

※これらのデータは動物実験や基礎研究に基づいていますが、実際の医療現場でも「炎症の緩和や治癒の補助」を目的として広く使われています。


用法・用量(正しい使い方)

  • 1回の使用量:4〜6mg(5〜7滴)
  • 希釈方法:水またはぬるま湯(約100mLに溶かす)
  • 使用頻度:1日数回(年齢や症状に合わせて調整)

使い方のコツと注意点

  • 飲み込まず、のどの奥まで届くようにゆっくり丁寧にうがいしてください。
  • 抜歯後などで口に傷がある場合は、血が固まるまで強いうがいは控えること。
  • 小さなお子さんが使用する場合は、誤って飲み込まないように大人が見守ってください。
  • 火気厳禁なので保管にも注意が必要です。

使用できない方(禁忌)

添付文書に明確な禁止事項(禁忌)は記載されていません。
ただし、アズレンにアレルギーがある方は使用を避けてください。


医師に相談すべきケース

  • 強い痛み、高熱、出血などがあるとき
  • 妊娠中・授乳中、または乳幼児に使う場合
  • 誤嚥のリスクがある方(むせやすい、うまくうがいできない など)

飲み合わせに注意が必要な薬(相互作用)

重大な薬の飲み合わせ(相互作用)は報告されていませんが、

  • 他のうがい薬や消毒薬と一緒に使うと刺激が強くなりすぎることがあります。

→ 時間をあけて使う、または併用を避けるようにしましょう。
→ 心配なときは、医師または薬剤師に相談してください。


副作用とその頻度

報告されている副作用(頻度は不明):

  • 口の中の荒れ
  • のどや口に刺激を感じる

→ これらの症状が出た場合は使用を中止し、症状が続くときは医療機関を受診してください。


まとめ

アズノールうがい液4%は、口やのどの炎症や傷をやわらげ、治りを早めるためのうがい薬です。

症状が重い・長引くときは医師の診察を受けることが大切です察を受けましょう。

液体タイプで使いやすく、均一に混ざりやすい

比較的副作用が少ないが、刺激感や荒れに注意

抜歯後などには、使い方に注意が必要

参考文献・出典

添付文書(最終改訂:2023年3月)

KEGG DRUG(D02706):薬効分類・薬物動態など

JAPIC(日本医薬情報センター)添付文書

主要文献

山崎英正 他, 日薬理誌 1958; 54(2): 362–377

宇田昭夫 他, 日薬理誌 1960; 56(5): 1151–1163

柴田芳久 他, 薬理と治療 1986; 14(3): 1303–1311

特に基礎薬理(抗炎症作用、創傷治癒促進)に関するデータが、臨床使用の根拠となっています。

よくある質問(Q&A)


アズノールうがい液4%の同じ系統の既製薬と比べた強みは?

アズノールうがい液4%は、有効成分アズレンスルホン酸ナトリウム水和物を含む液剤タイプの医療用うがい薬で、高濃度でも安定していて、すぐに均一に溶ける使いやすさが最大の特長です。
従来の散剤や錠剤タイプのうがい薬(例:アズレン含嗽用散0.4%など)は溶かす手間や溶けにくさが課題でしたが、アズノールうがい液は調製不要・即使用可の液体製剤で、使用現場での利便性が高い点が強みです。

また、創傷治癒促進効果と消炎効果を両立しており、のどや口のトラブル全般に広く対応できる点もメリットとされています。いです。

アズノールうがい液4%の先発薬の発売年は?

「アズノールうがい液4%」は、2002年8月に販売が開始された液剤タイプの製品です。
それ以前から、アズレン系成分を含む含嗽剤(うがい薬)は、錠剤・散剤として長く使用されていました。

1か月(30日)処方時の薬価と実際の目安価格は?

アズノールうがい液4%(ロートニッテン製)の薬価は、24.3円/mLです。
用法通りに1日3回、各回5滴(約0.25mL)使用した場合:

  • 1日あたり使用量:約0.75mL(=18.2円)
  • 30日分の薬価:0.75mL × 30日 × 24.3円 ≒ 547円

自己負担額の目安(3割負担)としては:

  • 約165円〜170円程度/月(処方料・調剤料等は別)

※なお、薬局での調剤単位や使用量により変動あり。

作用が出るまでの時間や、効果の持続時間は?

アズレンスルホン酸ナトリウム水和物は局所作用型のため、うがい直後から 比較的速やかに抗炎症効果を発揮します(白血球遊走やヒスタミン放出を抑制)。

持続時間の明確な臨床データはありませんが、1日数回の使用で効果を保つよう設計されており、数時間程度の持続と考えられます

妊娠中の使用はできますか?リスクや注意点は?

添付文書上、妊娠中の使用に関する明確な禁忌は記載されていませんが、妊娠中の使用に関する安全性は確立されていないため、

  • 必要最小限の使用にとどめること
  • 使用前に必ず医師へ相談すること

が原則です。

全身への吸収はごく微量と考えられますが、妊娠初期の使用には慎重になるべきです。

授乳中の使用はできますか?母乳への移行や注意点は?

授乳中の使用についても、添付文書には母乳移行に関する記載はなく、明確な禁忌もなしです。

ただし、乳児への影響は不明な点もあるため、

  • 使用後はうがい液をしっかり吐き出す
  • 頻回使用や連用を避ける

などの注意が必要です。心配な場合は医師に相談してください。

子どもには使えますか?使用年齢の目安や注意点は?

小児にも処方されることはありますが、年齢による使用制限は明示されていません。ただし:

  • 誤飲リスクがある年齢(3歳未満など)には使用を避けるか注意
  • 正しいうがいができる年齢(概ね4〜5歳以上)が目安
  • 必ず保護者が見守り、目に入らないように注意

という点が重要です。