ニキビに1日1回で効くエピデュオとは?使い方・注意点・副作用まとめ

ニキビに1日1回で効くエピデュオとは?
使い方・注意点・副作用まとめ

ニキビに『エピデュオ』を塗っています。

エピデュオゲルは、

  • 毛穴の詰まりを防ぐ(アダパレン(ディフェリン®))
  • アクネ菌を殺菌し、角質を剥がす(過酸化ベンゾイル(ベピオ®))

この2つの作用を1日1回の使用で同時に行える外用ニキビ治療です

エピデュオはオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

エピデュオゲルとは?

エピデュオゲルは、以下の2つの有効成分を1本に配合した外用ニキビ治療薬です:

  • アダパレン 0.1%:毛穴の詰まり(角化)を予防する
  • 過酸化ベンゾイル(BPO)2.5%:アクネ菌を殺菌し、古い角質を剥がす

1日1回の塗布で、白ニキビ・黒ニキビ(面皰)と赤ニキビ(炎症性病変)を同時に改善できます。


エピデュオゲルの特徴

▶ 相補的な2つの作用

成分主な作用
アダパレン毛穴の詰まりを防ぎ、白・黒ニキビ(コメド)を予防
BPO(過酸化ベンゾイル)アクネ菌を殺菌し、毛穴の角質を自然にはがす

▶ この2成分が補い合うことで、幅広いタイプのニキビに対応可能です。


▶ 1日1回のシンプルな使用で高い効果

  • 単剤(アダパレン単体、BPO単体)より優れた効果
  • 耐性菌(薬が効かなくなる菌)の報告がなく、長期使用にも向く


効能・効果

  • 適応症:尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)=一般的な顔面のニキビ
    ※ 胸や背中のニキビに対する効果・安全性は確認されていません。

有効性(臨床試験データ)

試験名投与期間主な評価項目結果
国内第Ⅲ相(比較試験)12週総皮疹数の減少率82.7%(アダパレン単剤:68.6%、BPO単剤:81.6%)
国内第Ⅲ相(長期)12か月総皮疹数の推移1週目:25.6% → 12か月後:86.2%
海外第Ⅲ相メタ解析12週奏効率(IGAスケール0/1:皮疹ほぼ消失)33.1%

※ 比較試験では、**アダパレン単剤に比べて統計的に有意な差(p < 0.001)**が確認されています。


用法・用量

  • 1日1回、洗顔後に顔全体の患部へ薄く塗布
  • 基本的には就寝前の使用が推奨されます

使用上のポイント

  • 3か月以内に改善が見られない場合は中止を検討

使用できない方(禁忌)

以下の方は使用できません:

  • 本剤の成分に**アレルギー(過敏症)**のある方
  • 妊娠中または妊娠の可能性がある方

併用に注意が必要な薬や製品

種類注意点
刺激性外用薬ディフェリン®、ピーリング剤など刺激・赤みが強くなる可能性あり
アルコール含有化粧品拭き取り系化粧水など乾燥や炎症が悪化することあり
漂白作用をもつ製品衣類・髪への付着に注意変色の恐れあり
レチノール配合化粧品エイジングケア商品などレチノイド作用が重なり、刺激が強くなる可能性あり

副作用と発生頻度(国内試験より)

よくある副作用

  • 5%以上:ヒリヒリ感、赤み、乾燥など
  • 0.1〜5%未満:皮膚の痛み、かゆみ、日光皮膚炎(紫外線で悪化)、アレルギー性皮膚炎、びらん(ただれ)、まぶたの炎症(眼瞼炎)
  • 頻度不明:顔の腫れ、水ぶくれ、接触皮膚炎、蕁麻疹など

刺激症状が強いときは2日に1回など、使用頻度を下げて使ってください


アダパレン単剤・ベピオ単剤との使い分け

エピデュオゲルは、アダパレン(ディフェリン®)と過酸化ベンゾイル(ベピオ®)の両方を含んだ薬です。
それぞれの単剤と比較すると、次のように使い分けができます。

状態・目的おすすめ
白ニキビ・黒ニキビが多い(面皰中心)アダパレン単剤(ディフェリン®)
赤ニキビ・炎症が目立つBPO単剤(ベピオ®)
両方ある/予防も治療もしたいエピデュオゲル
長期的に肌を安定させたいアダパレン単剤 or エピデュオ
薬を塗り分けたくない・1本で済ませたいエピデュオゲル

アダパレンは「詰まり予防」、BPOは「殺菌・角質ケア」、
エピデュオはその両方を1回で同時に行える薬です。


まとめ

エピデュオゲルは、

  • 毛穴の詰まりを防ぐ(アダパレン)
  • アクネ菌を殺菌し、角質を剥がす(BPO)

この2つの作用を1日1回の使用で同時に行える外用ニキビ治療薬です。

✅ 白ニキビ・黒ニキビ・赤ニキビすべてに対応
✅ 臨床試験で高い有効性が証明され、12か月の長期使用でも効果が持続
✅ 耐性菌のリスクが少ない
✅ 忙しい学生・社会人にも使いやすい処方です


参考文献・出典

PMDA医薬品情報検索(添付文書・RMP)
 https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/

KEGG DRUGデータベース(薬効・成分構造)
 https://www.genome.jp/kegg/drug/

国内臨床試験情報(医薬品インタビューフォーム)
 例:「エピデュオゲル インタビューフォーム(マルホ株式会社)」

代表的な論文
 Gollnick H, Drugs, 2003;63(15):1579-1596.
 Burkhart CN, Skin Pharmacol Appl Skin Physiol, 2000;13(5):292–296.

よくある質問(Q&A)


エピデュオゲルは他のニキビ外用薬と何が違うの?

2つの有効成分を1本にまとめた“デュアルアクション”が最大の強みです。

エピデュオは、アダパレン(毛穴づまり改善)過酸化ベンゾイル(殺菌・角質剥離)の2成分を配合した医療用外用薬です。
これまではそれぞれ単剤で使う必要がありましたが、1回の塗布で両方の効果が得られるため、手間が減り、治療の継続率も向上しやすいです。

また、耐性菌が出にくいという特徴もあり、長期的な治療でも効果が落ちにくいのもメリットとされています。

エピデュオゲルっていつ発売された薬なの?

日本では2016年7月に承認されました。

開発はスイスのガルデルマ社によるもので、2017年にマルホ株式会社が日本での販売を引き継いでいます。
海外では日本より先に販売されており、実績がある薬です。

エピデュオを1か月使ったときの薬代はいくら?

薬価は1gあたり98.9円、30日分(1本15g×2本)で約3,000円前後が目安です。

1回の使用量は顔全体で約0.5g。
30日分使うと15gチューブが2本必要になることが多く、薬価は約2,967円(自己負担3割の場合:約890円程度)です。
診察料や薬局での技術料などは別途かかります。

エピデュオの効果はいつから出る?どれくらい続くの?

1週間ほどで効果の兆しが見え始め、長期的には12か月以上の効果持続も確認されています。

国内試験では、1週目で約25%の皮疹減少が見られ、3か月目には74.7%、12か月目には86.2%と改善が続く結果が出ています。
即効性というよりは、じわじわ効くタイプですが、続けるほどしっかり効く薬です。

妊娠中だけど、エピデュオは使っていいの?

妊娠中は使用できません。

エピデュオにはアダパレンというレチノイド様成分が含まれており、妊娠中の安全性が確立していません
動物実験では胎児に影響が出た報告もあるため、妊娠中または妊娠の可能性がある場合は使用を避けましょう

授乳中にエピデュオは使っても大丈夫?

慎重な判断が必要です。必要があれば使える場合もあります。

ヒトでのデータは不明ですが、動物ではアダパレンが母乳中に移行する可能性が示唆されています。
授乳中の使用を考える場合は、医師と相談のうえ、授乳の継続・中止の判断が必要です。

子どもにも使える薬なの?

12歳未満の子どもへの使用実績はありません。

エピデュオは12歳以上の患者を対象に臨床試験が行われており、それ未満の年齢での効果や安全性は確認されていません。
12歳未満のお子さんに使う場合は、必ず皮膚科専門医に相談してください。