片頭痛が起きたらすぐ飲む?ゾーミッグの効果・副作用・飲み合わせを解説
片頭痛が起きたらすぐ飲む?
ゾーミッグの効果・副作用・飲み合わせを解説

片頭痛で『ゾーミック』を使っています。

ゾーミックは水なしで服用でき30分で効果が表れます
ゾーミックはオンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
ゾルミトリプタン(ゾーミッグ)とは
ゾルミトリプタンは 5‑HT1B/1D 受容体に選択的に作用する「トリプタン系」片頭痛治療薬です。
発作の原因とされる以下を抑制し、短時間で症状を軽減します:
- 脳血管の拡張
- 三叉神経からの炎症性ペプチド放出
随伴症状(光・音過敏、吐き気など)にも有効です。
日本では、
- 2001年:通常錠が承認
- 2002年:「RM錠(口腔内速溶錠)」が承認
現在は沢井製薬などから発売されています。
特徴
「どこでも・すぐに」服用できる便利なタイプ
この薬は、口の中ですばやく溶ける“口腔内速溶錠(OD錠)”タイプです。
特に外出先や水がない場面でもすぐに服用できるのが大きな利点です。
DuraSolve™技術で舌の上ですぐ溶ける
DuraSolve™(デュラソルブ)という特殊技術により、舌の上で素早く崩れて溶けます。
水なしで飲めるため、携帯しやすく、服用のタイミングを選びません。
すばやい効果発現
飲んでから30分後には頭痛を有意に(統計的に明確に)軽減し始めます。
また、2時間後には63%の人が頭痛の改善を実感しています(※プラセボ群では22%)。
効能・効果
- 片頭痛発作時の急性期治療に使用
- 「前兆のある/ない片頭痛」のみ適応
※以下のタイプには使用不可:
- 片麻痺性片頭痛
- 脳底型片頭痛
- 眼筋麻痺型片頭痛
有効性(臨床試験)
指標 | ゾルミトリプタン RM 錠 2.5 mg | プラセボ |
---|---|---|
2時間後の頭痛改善率 | 63% (138/220) | 22% (53/236) |
30分後からの痛み軽減 | 有意差あり | – |
- 主な副作用は「無力感・絞扼感・傾眠」など
- 多くは軽度かつ一過性
用法・用量
- 初回:片頭痛発現時に 2.5 mg(RM錠1錠)を経口投与
- 追加投与:2時間以上あけて 2.5 mgを再投与可能
- 効果不十分なら次回発作から 5mgに増量可能
- 1日の最大投与量は 10mg まで
※予防目的には使用不可。
※効果がまったく得られない発作には追加投与せず、医師へ相談を。
使用できない方(禁忌)
以下に該当する方は使用できません:
- 本成分に過敏症の既往あり
- 心筋梗塞、虚血性心疾患、異型狭心症
- 脳卒中・一過性脳虚血発作の既往
- 末梢血管障害、コントロールされていない高血圧
- エルゴタミン系薬剤・他のトリプタン系薬剤を24時間以内に使用中
- MAO阻害薬を投与中または中止後2週以内
飲み合わせに注意が必要な薬(相互作用)
相互作用薬 | 影響・対応 |
---|---|
CYP1A2阻害薬(シメチジン、フルボキサミン、シプロフロキサシン等) | 血中濃度↑ → 1日の総量 5mg以内で慎重に使用 |
SSRI / SNRI | セロトニン症候群のリスク → 症状に注意・併用注意 |
他のトリプタン系薬剤 | 作用増強 → 24時間以上間隔をあける |
エルゴタミン製剤 | 血管収縮作用増強 → 24時間以上間隔をあける |
副作用と発生頻度
◆ 重大な副作用(頻度不明)
- アナフィラキシー
- 重篤な不整脈・狭心症・心筋梗塞様症状
- 薬剤の使用過多による頭痛
- てんかん様発作
◆ その他の主な副作用(国内調査 5.5%)
- 無力感
- 倦怠感
- 傾眠
- めまい
- 動悸
- 悪心 など
※副作用が持続・増強する場合はすぐに服用を中止し医師に相談してください。
まとめ
- ゾルミトリプタン(ゾーミッグ)は、片頭痛発作を短時間で抑えるトリプタン系治療薬
- 水なしで服用できるRM錠は、「いつでも・どこでも」服用しやすいのが強み
- 初回 2.5mg、最大1日10mgまで。効果が乏しければ次回から5mgに増量可
- 心・脳血管疾患やエルゴタミン・MAOIとの併用は禁忌なので確認必須
- 服用2時間後で約6割が改善、大半の副作用は軽度かつ短時間
参考文献・出典
添付文書(2023年11月改訂 第2版)
「トリプタン系薬のガイドライン解説」(日本頭痛学会)
KEGG DRUG データベース:Zolmitriptan(D00415)
PubMed論文例:Zolmitriptan for acute migraine treatment: a review of clinical trials
よくある質問(Q&A)
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ゾルミトリプタン(ゾーミック)の特徴は?他のトリプタン系薬とどう違う?
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ゾルミトリプタンは「口腔内速溶錠(ゾーミッグRM錠)」があることが大きな特長です。水がなくても服用でき、発作時の携帯・服用に非常に便利です。
また、有効成分の代謝物(N-脱メチル体)も強い5-HT1B/1D受容体親和性を持ち、片頭痛の改善効果をサポートします。他の代表的なトリプタン系薬との比較では、以下のような特徴があります:
薬剤名 服用しやすさ 発現の速さ 半減期 主な特徴 ゾルミトリプタン ◎(口腔内崩壊) 〇(30分〜1時間) 約3時間 水なし可/代謝物も活性 スマトリプタン △(通常錠) ◎(20〜30分) 約2時間 初代トリプタン、即効型 ナラトリプタン △ △(1〜2時間) 約6時間 持続時間が長め リザトリプタン ◎(口腔内崩壊あり) ◎ 約2〜3時間 早期効果+速崩錠あり
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ゾルミトリプタン(ゾーミッグ)の発売年はいつ?
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通常錠(ゾーミッグ錠2.5mg):2001年6月承認・8月発売
RM錠(ゾーミッグRM錠2.5mg):2002年3月承認
当初はアストラゼネカが製造販売していましたが、2018年に沢井製薬に承継され、現在は沢井製薬から販売されています。
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1か月(30日)処方したときの薬価と自己負担額は?
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製品名 薬価(1錠) 30日分の薬価 自己負担(3割) ゾーミッグRM錠2.5mg(先発) 466.2円 13,986円 約4,195円 ゾルミトリプタンOD錠2.5mg「アメル」(後発) 122.9円 3,687円 約1,106円 ※1か月あたり30錠処方した場合の試算です。初診料や調剤料等は別途かかります。
※当院では1か月10回までの処方となります。
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ゾルミトリプタンは飲んでからどれくらいで効く?効果はどのくらい続く?
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作用発現時間:服用30分後から有意な効果あり、1時間以内に改善を感じる例も多いです。
持続時間:4〜6時間程度、再発時は2時間以上空けて再投与が可能です。
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妊娠中にゾルミトリプタンを飲んでも大丈夫?
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原則として、妊娠中の使用は避けるべきとされています。
添付文書では「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用」と明記されています。
動物実験では胎児毒性は報告されていませんが、人への十分なデータはありません。片頭痛がつらい場合でも、必ず医師に相談のうえで判断する必要があります。
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授乳中の使用はできる?母乳への影響は?
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ゾルミトリプタンは母乳中に移行することが確認されています(動物実験)
人への影響は不明ですが、授乳中に使用する場合は
→ 「授乳を中止する」または「授乳を避けた時間帯に服薬」などの対応が推奨されます医師と相談しながら、安全性と授乳継続のバランスを考えましょう。
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子どもにも使える薬ですか?
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18歳未満の小児への有効性・安全性は確認されていません。
添付文書でも「小児等を対象とした臨床試験は実施していない」と明記されており、基本的に使用は推奨されません。子どもの片頭痛には、年齢や発作頻度に応じて別の薬が検討されることがあります。必ず医師の判断が必要です。
