胃がつらい…そんなときに処方されるセルベックスとは?副作用や使い方をやさしく解説
胃がつらい…そんなときに処方されるセルベックスとは?
副作用や使い方をやさしく解説

胃炎で『セルベックス』を使っています。

胃炎に使用されで昔からあるお薬です。
胃を保護する効果があるので、胃酸を抑える薬と共に使用されます。
セルベックスはオンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
セルベックス(テプレノン)とは
セルベックス®は、テプレノンを有効成分とする胃炎・胃潰瘍治療薬です。
胃酸を抑えるのではなく、**胃粘膜を「守って治す」**ことに主眼を置いた薬で、1984年の発売以来、長年にわたり処方され続けています。
セルベックスの特徴:開発の背景から
● 防御因子を強化する新しい発想
従来は「胃酸の攻撃を抑える薬」が中心でしたが、セルベックスは「胃粘膜自体の抵抗力を高める」ことを目的に開発されました。
● テルペン系化合物の中から選抜
抗潰瘍作用を持つテルペン類を広く検討し、安全性・有効性のバランスに優れたテプレノンを選定。
● 承認の流れ
- 1984年:「胃潰瘍」で承認取得
- 1988年:「急性胃炎・慢性胃炎の急性増悪期」に適応拡大
効能・効果
- 胃潰瘍
- 急性胃炎・慢性胃炎(急性増悪期)の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善
有効性(臨床試験データ)
対象 | 有効率 | 試験デザイン | 備考 |
---|---|---|---|
急性・慢性胃炎(急性増悪期) | 68.6%(448例/653例) | 二重盲検比較試験 | 症状・内視鏡所見ともに改善 |
胃潰瘍 | 81.0%(438例/541例) | 二重盲検比較試験 | 高齢者・大型潰瘍・再発潰瘍でも有用 |
◆ 解説ポイント
再発性・高齢者の胃潰瘍など難治性症例でも有効性が認められており、慢性胃症状を持つ患者にとって信頼できる治療選択肢です。
用法・用量
■ 細粒10%
- 1回1.5g(150mg)
- 1日3回、食後に服用
■ カプセル50mg
- 1回3カプセル(150mg)
- 1日3回、食後に服用
※年齢・症状により医師が調整。
食後30分以内の服用で吸収効率が最も良好とされています。
使用できない方(禁忌)
- テプレノンまたは添加物に対する過敏症の既往歴がある方
※添付文書上、唯一の絶対禁忌
飲み合わせに注意が必要な薬
セルベックスは代謝酵素に大きな影響を与えないため相互作用は少ないとされていますが、以下の点に注意してください。
● 肝機能に影響する薬剤
(例:一部の抗菌薬・抗てんかん薬)
→ セルベックス自体もまれに肝機能障害を起こすため、定期的な検査が推奨されます。
● アルミニウム含有制酸薬を大量に服用中の方
→ 主に調剤現場での混合時に問題になるため、服薬指導時に念のため情報共有を。
副作用と発生頻度
■ 重大な副作用(頻度不明)
- 肝機能障害・黄疸(AST・ALT・γ-GTPなどの上昇を伴う)
→ 定期的な血液検査を推奨
■ その他の主な副作用
頻度 | 症状例 |
---|---|
0.1~5%未満 | 便秘、下痢、嘔気、腹痛、口渇 |
0.1%未満 | 発疹、かゆみ、頭痛、肝酵素上昇 |
頻度不明 | 血小板減少、コレステロール上昇 |
※副作用はいずれも頻度は高くありませんが、黄疸感や強い倦怠感が現れた場合は速やかに医師へ相談してください。
まとめ:セルベックスは「胃を守って治す」治療薬
- 防御因子強化型のメカニズムで胃粘膜の再生を促進
- 国内試験で有効率は70~80%
- 食後1日3回(150mg)が基本。吸収には服用タイミングが重要
- 副作用は少ないが肝機能障害には注意
- 自己判断での長期使用は避け、必ず医師と相談を
セルベックスは「胃痛が治りにくい」「粘膜が弱い」と感じている方の心強いサポート薬です。
症状や検査結果をふまえ、医師と一緒に適切な治療計画を立てましょう。
参考文献・出典
[医中誌Web・PubMed(臨床試験や文献検索用)]
医療従事者向け「インタビューフォーム(エーザイ)」
よくある質問(Q&A)
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セルベックスとはどんな薬?どんな症状に使われるの?
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セルベックス(一般名:テプレノン)は、胃粘膜を「守って修復する」ことを目的とした胃炎・胃潰瘍の治療薬です。
胃酸を抑えるのではなく、粘膜を保護・再生することで、びらん・出血・発赤・浮腫といった症状の改善をサポートします。
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同じ系統の薬と比べて、セルベックスの強みは?
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セルベックスは「防御因子強化型」の薬剤であり、以下の点が強みです。
副作用が少ないことも特徴の一つ(相互作用も比較的少ない)
胃粘液分泌を増やし、胃の防御力を高める作用がある
NSAIDsやステロイドなどによる胃障害にも有効性が確認されている
高齢者や再発性潰瘍など、難治性の症例でも安定した有効率(胃潰瘍で81%、胃炎で68.6%)を示す
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セルベックスの発売年はいつ?
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セルベックスは1984年に「胃潰瘍」の効能で承認され、同年11月に発売されました。
その後、1988年に「急性胃炎・慢性胃炎の急性増悪期」にも適応が拡大されました。
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1か月(30日)処方されたときの薬価と自己負担額の目安は?
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製剤名 1日量 薬価 30日分薬価 自己負担(3割)目安 セルベックスカプセル50mg 3回×3カプセル=9錠 9.9円/カプセル 約297円 約90円 テプレノンカプセル50mg(後発品) 同上 6.5円/カプセル 約195円 約59円 ※別途、調剤料や診察料がかかります。
※細粒タイプもあり、薬価はやや異なります(セルベックス細粒10%:9.2円/g)。
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作用が現れるまでの時間と、持続時間はどれくらい?
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セルベックスの薬物動態からみた作用の特徴は以下の通りです。
吸収効率が最も良いのは食後30分以内の服用です
作用発現時間(tmax):服用後約5時間で血中濃度のピーク(最大濃度)に到達
作用持続時間(AUCデータより):おおよそ8時間程度の効果持続が期待されます
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妊娠中でもセルベックスは服用して大丈夫?
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妊娠中の安全性については臨床試験のデータがなく、妊娠中の使用は「治療上の有益性が危険性を上回る場合のみ」とされています。
医師が必要と判断した場合のみ処方されるため、自己判断での使用は避けましょう。
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授乳中にセルベックスを飲んでも赤ちゃんに影響はない?
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授乳中の安全性も確立されていません。
添付文書では「治療上の有益性と母乳栄養の利点を考慮し、授乳を継続するか中止するか判断すること」とされています。
使用する際は、事前に医師と相談の上で服用を判断してください。
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子どもにも使える薬ですか?使用時の注意点は?
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小児への使用は臨床試験が実施されておらず、有効性・安全性が確立されていません。
そのため、原則として小児への投与は慎重に判断されます。使用する場合は必ず医師の指示に従ってください。
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コレステロールや肝機能への影響はありますか?
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稀ではありますが、以下の副作用報告があります。
コレステロールの上昇
肝機能障害(AST、ALT、γ-GTPの上昇、黄疸)
→ いずれも頻度は高くないものの、定期的な血液検査を受けることが望ましいです。
