オノンってどんな薬?喘息や鼻づまりに効く理由と飲み方の注意点

オノンってどんな薬?
喘息や鼻づまりに効く理由と飲み方の注意点

喘息発作の予防で『プランルカスト(オノン)』を使っています。

アレルギー薬で1日2回タイプのお薬です。

鼻閉にも効果があり、初期の治療で効かないときに処方される薬です。

オノンはオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

オノン(プランルカスト)とは

オノン®カプセル112.5mg(一般名:プランルカスト水和物)は、小野薬品工業が1995年に発売したロイコトリエン受容体拮抗薬です。

ロイコトリエンは、喘息やアレルギー性鼻炎の原因となる以下のような病態に関与しています:

  • 気道・鼻粘膜の炎症
  • 粘膜の浮腫や収縮
  • 過敏性の亢進

オノンはロイコトリエン受容体に選択的に結合し、発作の予防やアレルギー症状(鼻閉・鼻汁・くしゃみ)の改善に効果を発揮します。


オノンの特徴と開発の経緯

  • 1995年3月:気管支喘息の効能で承認
    ⇒ 第Ⅲ相二重盲検試験で息を強く吐く力(呼吸のしやすさ)が改善し、発作の頻度も減ったが確認されました。
  • 2000年1月:アレルギー性鼻炎の効能が追加
    ⇒ 鼻閉・鼻汁・くしゃみへの効果が認められたことによるものです。
  • 2005年:製品名が「オノンカプセル112.5mg」に変更されました。

オノンの作用機序

以下のロイコトリエン(LTC₄/LTD₄/LTE₄)受容体を選択的に遮断します:

  • 気道収縮や過敏性の抑制
  • 粘膜浮腫や血管透過性の上昇の抑制
  • 鼻粘膜への好酸球浸潤の抑制

効能・効果

  • 気管支喘息(長期管理を目的とする薬剤)
  • アレルギー性鼻炎(通年性および季節性)

有効性

気管支喘息に対する効果

  • 国内二重盲検比較試験で、**65%の患者が「改善以上」**と評価。
  • 発作の強度・頻度、痰の量などが1~2週で有意に軽減されました。

アレルギー性鼻炎に対する効果

  • 二重盲検比較試験にて、以下の症状が「改善以上」と判定されました:
    • 鼻閉:71.8%
    • 鼻汁:60.3%
    • くしゃみ:54.4%
  • 鼻閉を含む病型全体の改善率:61.2%

用法・用量

  • 成人通常量
    112.5mgカプセルを1回2個、1日2回(朝食後・夕食後)=1日450mg
  • 高齢者(65歳以上):
    1回1カプセル × 1日2回など、減量を検討

※患者さんには「発作時の即効性はない薬」であることを必ず説明します。


使用できない方(禁忌)

  • プランルカストまたは製剤成分に過敏症の既往がある方

飲み合わせに注意が必要な薬

オノンは主にCYP3A4によって代謝されます。以下の薬剤との併用は注意が必要です:

CYP3A4を阻害する薬

  • イトラコナゾール
  • エリスロマイシン

CYP3A4で代謝される薬

  • シンバスタチン など

併用により血中濃度が上昇する可能性があるため、必ず医師・薬剤師に相談してください。


副作用と発生頻度

重大な副作用(頻度不明)

  • ショック/アナフィラキシー
  • 白血球・血小板減少
  • 肝機能障害
  • 間質性肺炎/好酸球性肺炎
  • 横紋筋融解症

比較的起こりやすい副作用

  • 0.1~1%未満:発疹、そう痒、頭痛、眠気、胃不快感、下痢など
  • 0.1%未満〜頻度不明:不眠、めまい、肝酵素上昇、うつ症状、攻撃性など

副作用が疑われる場合は、自己判断で中断せず速やかに医療機関を受診してください。


まとめ

  • オノンはロイコトリエンを標的とした長期管理薬です。
  • 吸入ステロイドや抗ヒスタミン薬だけでは不十分な喘息・鼻炎症状の補助治療として有用です。
  • 発作止めではないため、効果判定は1〜2週間が目安です。
  • 大発作時には吸入β₂刺激薬やステロイドの併用が必要です。
  • CYP3A4関連薬との併用に注意し、副作用の初期サインを見逃さないことが、安全な使用のポイントです。

参考文献・出典

PMDA 医薬品医療機器総合機構「電子添文」

KEGG DRUG(D02732)

医中誌Web・PubMed:国内外の臨床研究報告

オノン インタビューフォーム(小野薬品工業)

日本アレルギー学会・呼吸器学会の診療ガイドライン

よくある質問(Q&A)


オノンはどんな症状に使う薬ですか?

オノンは「ロイコトリエン受容体拮抗薬」という分類に属し、以下の症状に使われます。

アレルギー性鼻炎:通年性および季節性どちらにも対応し、特に鼻閉などに効果があります。

気管支喘息:長期管理用として使用され、発作の予防に役立ちます。

先発薬としての発売はいつですか?

オノン®(プランルカスト)は1995年3月に「気管支喘息」への効能で初めて承認されました。
その後、2000年1月には「アレルギー性鼻炎」への効能が追加されています。

1か月(30日)処方された場合の薬価と自己負担額は?

(オノンカプセル112.5mgの薬価は21.8円/カプセルです。通常用量は1日4カプセルなので…

  • 薬価ベースの30日分
    21.8円 × 4カプセル × 30日 = 2,616円
  • 自己負担額(3割負担)
    785円/月(※調剤料・技術料など別途)

※後発品であれば薬価はさらに下がり、自己負担も軽くなります。

同じ系統の薬(ロイコトリエン拮抗薬)と比べた強みは何ですか?

同じロイコトリエン受容体拮抗薬には**モンテルカスト(キプレス®、シングレア®)やザフィルルカスト(アコレート®)**がありますが、オノンには以下の特長があります。

長期投与でも比較的副作用が少ない
中止に至る副作用発現率は少なく、安全性に優れています。

鼻閉改善効果が高い
鼻閉・鼻汁・くしゃみの改善において、特に鼻閉に対する有効性(71.8%)が高いという臨床試験結果があります。

気道過敏性の抑制作用が強い
アセチルコリンなどの刺激に対する過敏性抑制効果が確認されており、喘息の発作予防に特化しています。

オノンはどれくらいで効き始めて、どのくらい効果が続きますか?

効果が現れるまでの時間(作用発現時間):
多くの患者で服用開始から1〜2週間で効果が見られるとされています。

作用の持続時間
血中濃度のピークは投与後約5時間、半減期は約1.2時間と短めですが、1日2回の定期服用で効果が持続します。

妊娠中にオノンを使っても大丈夫ですか?

妊娠中の使用は原則慎重にとされています。
臨床的な安全性データは十分とはいえないため、

特に妊娠初期の使用は医師とよく相談してください。

「治療上の有益性が危険性を上回る」と医師が判断した場合のみ使用可

授乳中にオノンを服用しても母乳への影響はありますか?

授乳中のデータも限定的です。以下の点を医師と相談しながら使用判断します:

治療上の有益性と、母乳栄養のメリットを比べた上で
授乳を続けるか中止するかを検討する必要があります。

子どもにも使えますか?注意点はありますか?

小児に対する臨床試験データは明確ではなく、適応年齢の明示はされていません

**ドライシロップ製剤(オノンドライシロップ10%)**など、剤形の工夫がされています。

医師が体重や年齢に応じて慎重に判断する必要があります。