エリザスの粉タイプ点鼻薬とは?使い方・注意点もわかりやすく解説
エリザスの粉タイプ点鼻薬とは?
使い方・注意点もわかりやすく解説

花粉症で『エリザス』を使っています。

エリザスは、アレルギー性鼻炎(花粉症・通年性)に使われる鼻用ステロイド薬です。
1日1回の使用で、粉タイプの使用感が好きな方に適しています。
エリザスはオンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
エリザス(デキサメタゾンシペシル酸エステル)とは
**エリザス®**は、1日1回使うだけで効果が続く粉末タイプの鼻用ステロイド薬です。
有効成分「デキサメタゾンシペシル酸エステル」は、通常のデキサメタゾンに脂溶性の基を加えることで、
- 鼻粘膜にとどまりやすく
- 全身には吸収されにくい
という工夫がされています。
花粉症や通年性のアレルギー性鼻炎によるくしゃみ・鼻水・鼻づまりをトータルにやわらげることが目的です🌿
エリザスの特徴(開発の経緯を参考に)
国内で開発された新しいステロイド
1990年代に日本国内で創製されたステロイド薬です。
鼻の中にとどまって長く効くよう、局所への貯留性と持続的な抗炎症作用を目指して開発されました🧪
防腐剤を使っていない粉末タイプ
液体点鼻薬に比べて、刺激や保存料による副作用のリスクが低めの処方になっています✨
製剤は2種類あります
- エリザス カプセル外用400µg
→ 専用の噴霧器(ツインライザー)で使用 - エリザス 点鼻粉末200µg(28噴霧用)
→ 14日分の粉末があらかじめボトルに入り、残量カウンター付き
※現在は後者が日常診療でよく使われています👃
使いやすいシンプルな用法
- 1日1回・各鼻に1噴霧
- 就寝前や朝の支度のついでなど、生活リズムに組み込みやすいため、続けやすいです😊
効能・効果
- アレルギー性鼻炎(花粉・ダニ・ハウスダストなどを含む通年性)
有効性(臨床試験より)
国内第Ⅲ相試験(406例)
- 14日間使用で、3大鼻症状(くしゃみ・鼻水・鼻づまり)合計スコアが−2.03点改善📉
- フルチカゾンプロピオン酸エステル200µg/日に対して非劣性が証明されました
- プラセボと比較しても有意な効果あり(P<0.001)
副作用の発現率は8.0%で、主に軽度なALT上昇などでした🩺
用法・用量と使い方のポイント
通常の使い方(成人)
- 1日1回、各鼻に1噴霧(200µg/噴霧)
使用時のコツ
- 使用前にしっかり鼻をかむ
- ボトルを垂直に持って、息を止めてスプレー
- 反対側も同じように
- 使用後はキャップを閉じ、乾燥剤入り袋を開けたらなるべく早めに使い切るようにしましょう👃💨
使用できない方(禁忌)
- 有効な治療薬がない全身性の細菌・真菌感染症
- 本剤に過敏症の既往歴がある方
飲み合わせに注意が必要なお薬
- 全身性ステロイドを長期または大量に使っている方
→ 減量時に副腎不全や喘息の悪化リスク。必ず医師の管理下で減らします⚠️ - レセルピン系・α-メチルドパ系の降圧薬
→ これらが引き起こす鼻づまりとエリザスの効果が相殺される可能性があります
※一般的な経口薬との相互作用はほとんど報告されていませんが、併用薬が多い方は医師に相談を💊
副作用とその頻度
種類 | 主な症状 | 頻度の目安 |
---|---|---|
重大な副作用 | アナフィラキシー(呼吸困難・蕁麻疹など) | 頻度不明 |
局所症状 | 鼻の不快感、喉の違和感 | 1%未満 |
検査値 | ALT(肝機能)上昇 | 約1% |
その他 | 白血球数の増減、トリグリセリド上昇など | ごくまれ |
副作用全体の報告率:約6%。
違和感が続く、息苦しさがあるなど異変を感じたら、すぐに使用を中止し、医師に相談してください🏥
まとめ:エリザスを上手に使うために 🌸
- 1日1回の使用で1日中効果が続くので、花粉症や通年性鼻炎でも飲み忘れが少なくて安心
- 防腐剤なしの粉末製剤で、液体が苦手な方やお子さんにも使いやすい
- 全身への影響は少なめですが、妊娠中・授乳中、ステロイド減量中の方は必ず医師と相談を
- 毎日の継続使用が大切。症状がよくなっても、自己判断でやめないようにしましょう🙌
参考文献・出典
【PMDA】医薬品インタビューフォーム(日本新薬):https://www.pmda.go.jp/
【KEGG DRUGデータベース】:デキサメタゾンシペシル酸エステル(D07073)
【厚労省】添付文書情報提供ページ:https://www.mhlw.go.jp/
国内第Ⅲ相試験データ(プラセボおよびフルチカゾンとの比較試験)
よくある質問(Q&A)
-
エリザスはどんな症状に使われる薬ですか?
-
エリザスは、**アレルギー性鼻炎(花粉症・通年性)**に使われる鼻用ステロイド薬です。
くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの3大症状にまとめて効果を発揮します。1日1回の噴霧で24時間効果が続くのが特徴です。
-
この薬の同じ系統の既製薬品に対する強みは?🧪
-
エリザスの有効成分「デキサメタゾンシペシル酸エステル」は、脂溶性基を導入することで、鼻粘膜に長くとどまり、全身への影響を抑える構造になっています。
他の鼻用ステロイド(例:フルナーゼ、ナゾネックス)と比較して、- 粉末タイプで防腐剤フリー(液体による刺激がない)
- 1日1回で済むため、患者の継続率が高い
- 鼻への局所貯留性が高く、全身副作用が少ない
といった点が特長です。
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先発薬としての発売年はいつ?
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点鼻粉末タイプの「エリザス点鼻粉末200µg 28噴霧用」は、2012年1月に承認・発売されました。
それ以前のカプセル型(400µg)は2009年10月に承認されています。
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1か月(30日)処方時の薬価や自己負担額の目安は?
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エリザス点鼻粉末200µg(28噴霧用):799.8円/瓶(14日分)
→ 30日換算で2本分:約1,600円【自己負担の目安(3割負担)】
→ 約480円(+調剤料など)- エリザスカプセル外用400µg:58.2円/カプセル(1回分)
→ 30日分:約1,746円(3割負担で約524円)
※いずれも保険診療での処方が前提です。
- エリザスカプセル外用400µg:58.2円/カプセル(1回分)
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妊娠中でもエリザスは使えますか?🤰
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妊娠中の使用は、医師が治療上の有益性がリスクを上回ると判断した場合に限り使用できます。
動物実験では、流産や胎児の発育抑制などが報告されていますが、催奇形性は確認されていません。
ただし、グルココルチコイド自体は一般に催奇形性のリスクがあるとされているため、使用の可否は必ず主治医と相談してください。当院ではお出ししません。
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授乳中に使用しても大丈夫ですか?🍼
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エリザスは、動物実験において乳汁中への移行が確認されています。
そのため、授乳中に使用する場合は、- 治療の有益性
- 母乳栄養の重要性
を天秤にかけたうえで、授乳を続けるか一時中止するかを医師と相談する必要があります。
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子どもにも使えますか?👶
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現時点で、小児を対象にした有効性・安全性の臨床試験は実施されていません。
したがって、子どもへの使用については慎重に判断されるべきであり、医師と必ず相談のうえで使用を検討してください。
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作用が現れるまでの時間と、効果の持続時間は?
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臨床試験や薬理学的研究によると、
- 作用発現は投与後30分〜数時間以内
- 効果はおおむね24時間持続
とされています。
1日1回の使用で、1日中鼻症状をコントロールできる設計です。
