デザレックスってどんな薬?花粉症やじんましんに使う抗アレルギー薬を解説
デザレックスってどんな薬?
花粉症やじんましんに使う抗アレルギー薬を解説

かゆみどめで『デザレックス』を使っています。

アレルギーの薬で1日1回タイプのお薬です。
2016年に発売され、昔からあるクラリチンという薬を改良した薬です。
1日1回で効果が続きます。
デザレックスはオンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
デザレックスとは(一般名:デスロラタジン)
デザレックス®錠5mgは、1日1回で長く効き、眠気が少ないのが特徴の**アレルギー治療薬(抗ヒスタミン薬)**です。
有効成分のデスロラタジンは、ロラタジンという薬の働きを強めた形で開発されたものです。
- 【発売元】:オルガノン株式会社
- 【薬価】:1錠 38.7円(先発品のみ)
● 海外・国内での承認歴
- 2001年:ヨーロッパで承認
- 2016年9月:日本で「アレルギー性鼻炎」「蕁麻疹」「皮膚疾患に伴うかゆみ」に対して承認
デザレックスの特徴
✅ アレルギーの原因をしっかりブロック
アレルギー症状を引き起こす「ヒスタミン」の働きを抑える力が強く、症状の悪化を防ぎやすい薬です。
✅ 1日1回でしっかり効く
朝でも夜でも、好きな時間に服用可能。1日1回で24時間効果が続きます。
✅ 眠くなりにくい
運転シミュレーター試験などで、眠気の出方はプラセボ(偽薬)と同じ程度と評価されています。
✅ 小児は12歳以上が対象
12歳未満の日本人での使用実績はありません。
⚠️ 肝臓や腎臓が悪い方は注意
重い肝臓・腎臓疾患があると、薬の血中濃度が上がりやすくなるため、用量調整や慎重な判断が必要です。
効能・効果(使われる病気)
- アレルギー性鼻炎(季節性・通年性)
- 蕁麻疹(慢性的なものを含む)
- 皮膚疾患(湿疹・皮膚炎・皮膚そう痒症)に伴うかゆみ
有効性を示す試験データ(主要な国内臨床試験)
対象疾患 | 試験デザイン / 対象人数 | 評価項目 | 結果 |
---|---|---|---|
季節性アレルギー性鼻炎 | 二重盲検/223人 | 鼻の4症状スコア(2週間平均) | デザレックス:−1.40 vs プラセボ:−0.60(p<0.001) |
慢性蕁麻疹 | 二重盲検/80人 | かゆみ+発疹スコア(2週後) | −3.19 vs −2.07(p<0.001) |
湿疹・皮膚炎/皮膚そう痒症 | 長期投与/94人 | かゆみスコア(2週後) | 平均−1.83 |
※副作用はどの試験でも10%未満とされ、安全性も確認されています。
用法・用量
- 12歳以上の小児および成人:1回5mgを1日1回、経口投与
● 食事の影響はほぼなし
脂っこい食事の後でも、薬の吸収に大きな影響はありません。
● 効果が弱いと感じたときは
そのまま飲み続けず、医師に相談しましょう。
使用できない方(禁忌)
- デスロラタジン、またはロラタジンにアレルギーのある方
飲み合わせに注意が必要な薬(併用注意)
併用薬 | 作用 | 血中濃度の変化 |
---|---|---|
エリスロマイシン | CYP3A4阻害 | Cmax↑1.24倍、AUC↑1.14倍(重大な副作用報告なし) |
ケトコナゾール(内服) | 強いCYP3A4阻害 | Cmax↑1.3〜1.6倍、AUC↑1.2〜1.7倍 |
フルオキセチン | CYP2D6阻害 | 軽度上昇 |
シメチジン | CYP3A4/2D6阻害 | 軽度の変化 |
※ケトコナゾールシャンプーなど外用薬は全身吸収が少ないため、通常は心配ありません。
副作用と発生頻度
■ 重大な副作用(頻度不明)
- ショック/アナフィラキシー(血圧低下・息苦しさなど)
- けいれん、てんかん発作
- 肝機能障害・黄疸(AST/ALTの異常など)
■ その他の副作用(2%未満)
- 傾眠(眠気)、頭痛、動悸、口の渇き、発疹、だるさ など
※体調に異変を感じたら、自己判断で中止せず、すぐに医師に相談してください。
まとめ
デザレックスは、
- 眠気が少なく
- 1日1回の服用で効果が持続
- 鼻水・かゆみをしっかり抑えてくれる
といった点で、日常生活への支障を最小限に抑えたい方にぴったりの薬です。
ただし、
- 12歳未満には使えない
- 肝臓や腎臓の病気がある方は注意が必要
- まれに重い副作用(アレルギー反応やけいれん)もある
ため、使用時は医師とよく相談することが大切です。
オンライン診療のご案内
当院(梅田北オンライン診療クリニック)では、オンラインで症状や既往歴を確認しながら、
最適なお薬を提案しています。
「かゆみ」「鼻水」でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
参考文献・出典
医薬品インタビューフォーム(デザレックス)
添付文書(JAPIC、日本製薬団体連合会)
KEGG DRUG:Desloratadine(D03693)
日本アレルギー学会のガイドライン(鼻炎・蕁麻疹領域)
よくある質問(Q&A)
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デザレックスとはどんな薬ですか?
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デザレックスは、第二世代の非鎮静性抗ヒスタミン薬です。くしゃみ、鼻水、かゆみなどのアレルギー症状に使われ、眠気が出にくく、1日1回で効果が持続するのが特徴です。
有効成分はデスロラタジンで、ロラタジンの主要活性代謝物として開発されました。
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同じ系統(抗ヒスタミン薬)の中で、デザレックスの強みは何ですか?
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ヒスタミンの働きを強くおさえる効果が確認されています(試験結果より)
持続性が高く、1日1回でOK
眠気が非常に少ない:運転・仕事・学習への影響が少ないとされる
食事の影響をほとんど受けない
多くの抗ヒスタミン薬と比べて、肝代謝酵素阻害の影響が少ない
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先発薬はいつ発売されたのですか?
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デザレックスは欧州で2001年1月に承認され、日本では2016年9月に「アレルギー性鼻炎」「蕁麻疹」「皮膚疾患に伴うかゆみ」の効能で承認・発売されました。
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デザレックスの薬価はいくら?30日分だといくら?
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デザレックス錠5mgは1錠38.7円(2024年5月時点)。
1日1錠を30日間服用すると、実際の自己負担額(3割負担の場合):約350円前後
薬価ベース:1,161円
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どのくらいで効いて、どのくらい効果が続きますか?
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作用発現時間:服用後1〜3時間以内に血中濃度がピークに
持続時間:24時間効果が続くため、1日1回の服用でOK
半減期(t1/2)は約20時間前後で、安定した血中濃度を保ちます
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妊娠中にデザレックスは使えますか?
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推奨されません。
動物試験で催奇形性は確認されていませんが、胎児への移行が報告されているため、妊娠中または妊娠の可能性がある場合は、医師と相談のうえ使用可否を判断してください。当院では別のお薬を処方いたします。
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授乳中に服用しても大丈夫ですか?
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注意が必要です。
ロラタジンの臨床試験では、母乳中にデスロラタジンが移行することが確認されています。
そのため、治療上の必要性と授乳の利点を比較して、授乳を続けるか中止するかを医師と相談してください。当院では別のお薬を処方いたします。
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子どもに使えますか?年齢制限はありますか?
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デザレックスは12歳以上の小児から使用可能です。
12歳未満の日本人小児における安全性・有効性の臨床試験は実施されていません。そのため、小児への使用は年齢に注意して行う必要があります。当院では別のお薬を処方いたします。
