タリオンってどんな薬?花粉症・じんましん・かゆみに効く市販では買えない薬

タリオンってどんな薬?|
花粉症・じんましん・かゆみに効く市販では買えない薬

花粉症で『タリオン』を使っています。


タリオンは一日2錠タイプで、内服量を調整した人にお勧めです。

中枢抑制作用が弱い(=眠気が少なめ)

即効性がある(30〜60分で効果発現)という特徴もあります。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

タリオンはオンライン診療で処方可能です。

ベポタスチン(タリオン)とは

ベポタスチンベシル酸塩(製品名:タリオン®)は、選択的ヒスタミンH1受容体拮抗薬に分類される抗アレルギー薬です。

  • くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどのアレルギー性鼻炎
  • じんましんや湿疹に伴うかゆみ

これらの症状に広く使われており、服用後30〜60分で効果が現れる速効性と、比較的短い半減期(約2.5時間)が特長です。
通常は1回10mgを1日2回
服用します。


タリオンの特徴

特性ポイント
高選択性H1受容体に対して強く結合し、他の受容体への影響が少ない → 眠気が比較的少ない
IL-5抑制作用アレルギーに関与するIL-5の産生を抑え、鼻・皮膚の炎症を多面的に抑制
速効性服用後30〜60分で膨疹・紅斑・かゆみなどを抑制
OD錠あり口腔内崩壊錠(OD錠)は水なしでも服用でき、外出先や高齢者にも便利
ジェネリック選択可5mg/10mgの後発品は先発品の約半額で、経済的な選択が可能

効能・効果(成人・7歳以上の小児共通)

  • アレルギー性鼻炎
  • 蕁麻疹(じんましん)
  • 皮膚疾患に伴うかゆみ(湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症)

有効性と副作用(臨床試験データ)

対象投与量・期間改善率(中等度改善以上)副作用頻度(主に眠気・口渇)
アレルギー性鼻炎(成人)10mg × 2/日・4週62〜65%5.9〜9.5%
アレルギー性鼻炎(小児)10mg × 2/日・2週スコア改善 −1.59 vs −1.10(プラセボ)1.7%
慢性蕁麻疹(成人)10mg × 2/日・2週75〜77%10〜13%
皮膚疾患に伴うかゆみ(成人)10mg × 2/日・2週約65%9.2%

※副作用は大半が軽度で、中止が必要になるケースは稀です。


用法・用量と注意点

年齢層・状況通常用量服用タイミング
成人10mgを1日2回朝・就寝前など12時間間隔で定時服用
小児(7歳以上)同上食後でなくてもOK、1日2回確実に服用
腎機能障害あり5mg × 2から開始症状・副作用に応じて調整

💡 季節性アレルギー性鼻炎(花粉症など)の場合は、症状が出る1〜2週間前からの服薬がおすすめです。


使用できない方(禁忌)

  • 本剤の成分にアレルギー(過敏症)の既往歴がある方

飲み合わせに注意が必要な薬

  • 眠気を強める薬(他の抗ヒスタミン薬・睡眠薬・アルコールなど)と併用すると、眠気が増す可能性があります。
  • 腎機能が低下している方は、NSAIDsやACE阻害薬と併用することでベポタスチンの血中濃度が高まる可能性があるため、医師にご相談ください。

主な副作用と頻度

頻度主な症状
0.1〜5%眠気・倦怠感・頭痛・口渇・胃部不快感・下痢
0.1%未満めまい・舌炎・腹痛・発疹
頻度不明白血球減少・肝機能障害・排尿困難・動悸など

🛑 初めて服用する際は、車の運転や危険作業の直前は避け、まずは夜の服用から始めて影響の有無を確認するのが安全です。


まとめ:タリオンはこんな薬

  • 花粉症やじんましん、皮膚のかゆみに幅広く対応
  • 即効性があり、眠気も少なめ
  • 1回10mg・1日2回が基本。OD錠なら水なしでも服用可能
  • 副作用が出やすい方や高齢者・腎機能低下の方は減量で対応可
  • ジェネリックは半額程度で経済的。処方時に医師へ相談を

参考文献・出典

医療従事者向け:PMDA「医薬品インタビューフォーム(タリオン)」

添付文書(JAPICまたはPMDA)

KEGG DRUG Database(ベポタスチンベシル酸塩)

日本アレルギー学会のガイドライン

臨床成績論文(PubMed、医中誌Webなどで「ベポタスチン」「アレルギー」等で検索)

よくある質問(Q&A)


タリオンってどんな薬?他のアレルギー薬と何が違う?

タリオンは「選択的ヒスタミンH1受容体拮抗薬」に分類される抗アレルギー薬です。
同じH1ブロッカーでも、タリオンは眠気が比較的少なく、IL-5抑制など多角的にアレルギー炎症を抑える点が特長です。

他薬(例:ケトチフェン、エバスチンなど)と比べると:

OD錠もあり、水なしで飲める

中枢抑制作用が弱い(=眠気が少なめ)

即効性がある(30〜60分で効果発現)

タリオンはいつ発売された薬?

タリオン錠は2000年7月に「アレルギー性鼻炎」で承認・発売されました。
その後、2002年に「蕁麻疹・皮膚疾患に伴うかゆみ」が追加され、小児への使用は2015年に承認されています。

タリオンの薬価はいくら?1か月あたりの実際の負担額は?

以下は先発品の薬価(税込)です(1日2回投与を30日間続けた場合):

製剤名薬価(1錠)30日間使用時の薬剤費自己負担(3割負担)
タリオン錠10mg20.3円約1,218円約366円
後発品10mg約10.7円約642円約193円

※薬局調剤料・技術料は別途。目安としてご利用ください。用も増えます。ースで297円(3割負担で約90円)**程度が目安です。
診察料・処方料・調剤料などは別途かかります。

タリオンの効果はどのくらいで出て、どのくらい続くの?

効果発現時間:服用後30〜60分

持続時間:6〜8時間程度

そのため、1日2回の定時服用が基本です。

タリオンは妊娠中でも使える?

妊娠中の使用は**「治療上の有益性が危険性を上回る場合に限り可」**とされています。

妊娠初期は特に慎重に。医師と相談のうえ使用を検討しましょう。

動物実験で胎児への移行が確認されているため慎重な使用が求められます。

授乳中にタリオンを飲んでも大丈夫?

タリオンは動物実験で乳汁中への移行が報告されており、使用には注意が必要です。

やむを得ず使用する場合は、一時的に搾乳・廃棄するなどの対策も。

医師と相談し、「授乳を中断するか」「使用を控えるか」を判断します。

子どもにもタリオンは使えるの?

はい。7歳以上の小児に対して、アレルギー性鼻炎や皮膚疾患のかゆみに使用が承認されています。

ただし、7歳未満には安全性が確立していないため、使用は推奨されていません。

小児も大人と同じく10mgを1日2回が標準量です。