「アレグラって眠くならないの?」運転中も使えるアレルギー薬の特徴とは
「アレグラって眠くならないの?」
運転中も使えるアレルギー薬の特徴とは

蕁麻疹の薬で『アレグラ』を使っています。

1日2回内服するタイプのアレルギーのお薬です。
効果はそこまで強くありませんが、眠気も少なく初めての処方に選ばれる薬です。
アレグラ(フェキソフェナジン)はオンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
フェキソフェナジン(アレグラ)とは
フェキソフェナジン塩酸塩(商品名:アレグラ)は、サノフィ社が開発した第2世代抗ヒスタミン薬です。
ヒスタミンH1受容体の選択的拮抗に加えて、炎症性サイトカインの抑制作用や好酸球の遊走抑制作用など、複数の抗アレルギー効果を示します。
また、脳内に移行しにくいため眠気が少なく、航空機乗務員やドライバーのような集中力が求められる作業にも支障が出にくいという特長があります。
フェキソフェナジンの主な特長
特長 | 解説 |
---|---|
眠気が少ない | プラセボと差のない結果(運転シミュレーター・入力試験) |
24時間持続 | 1日2回の服用で日常的なアレルギー症状をコントロール |
多面的な作用 | H1遮断+ケミカルメディエーター・サイトカイン抑制作用 |
幅広い年齢に対応 | 小児(7歳以上)から高齢者まで使用可能 |
効能・効果
- アレルギー性鼻炎(季節性・通年性)
- 蕁麻疹
- 皮膚疾患(湿疹・皮膚炎・皮膚そう痒症・アトピー性皮膚炎)に伴うそう痒
有効性(主な臨床試験)
疾患 | 試験設計・対象 | 評価項目 | 結果 |
---|---|---|---|
季節性アレルギー性鼻炎(成人) | プラセボ対照・2週間 | 鼻・眼症状スコア | プラセボより有意に改善(p=0.0244) |
慢性蕁麻疹(成人) | 二重盲検・1週間 | かゆみ+発疹 | 60 mg×2回群でスコア▲3.53(p=0.0042) |
アトピー性皮膚炎(成人) | プラセボ対照・1週間 | かゆみスコア | 有意差あり(▲0.75 vs プラセボ▲0.50) |
小児通年性鼻炎 | ケトチフェン対照・4週間 | 鼻症状スコア | 非劣性が証明(上限0.172<0.9) |
用法・用量
年齢区分 | 通常量 | 投与回数 |
---|---|---|
成人・12歳以上 | 60mg | 1日2回 |
7歳以上12歳未満 | 30mg | 1日2回 |
※ 食事の影響は軽微ですが、制酸剤(アルミニウム/マグネシウム含有)との同時摂取は避けてください。
※ 症状に応じて増減可。
使用できない方(禁忌)
- フェキソフェナジンまたは本剤成分に過敏症の既往歴がある方
飲み合わせに注意が必要な薬
相互作用薬 | 血中濃度への影響/機序 | 対応 |
---|---|---|
エリスロマイシン | 濃度↑(約2倍) P糖蛋白阻害 | 原則併用可だが注意 |
ケトコナゾール | 濃度↑(同上) | 同上 |
制酸剤(Al/Mg) | 吸収↓(AUC約40%減) | 2時間以上間隔を空ける |
アパルタミド | 濃度↓(P糖蛋白誘導) | 併用避ける/経過観察 |
※ QTc延長などの重大な相互作用は報告されていません。
副作用と発生頻度
よくある副作用(発現率)
頻度 | 主な症状 |
---|---|
0.1〜5%未満 | 頭痛、眠気、倦怠感、めまい、口渇、下痢、かゆみ など |
0.1%未満 | 不眠、便秘、蕁麻疹、動悸 など |
重篤な副作用(頻度不明)
- ショック/アナフィラキシー
- 肝機能障害・黄疸
- 無顆粒球症、白血球・好中球減少
国内試験において眠気の発現率はプラセボと同程度(3%)
まとめ
禁忌は過敏症のみ。制酸剤や抗菌薬との併用は注意が必要
フェキソフェナジン(アレグラ)は眠くなりにくい抗ヒスタミン薬
1日2回の服用で24時間しっかりアレルギー症状を抑える
鼻炎・じんましん・湿疹など多くのアレルギー症状に有効
副作用は軽微で、使用年齢も広く安心
参考文献・出典
PMDA 医薬品医療機器総合機構 添付文書(アレグラで検索)
KEGG DRUG(D00671 フェキソフェナジン)
PubMed("Fexofenadine" 検索)
日本アレルギー学会の治療ガイドライン
よくある質問(Q&A)
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アレグラと他のアレルギー薬の違いは?強みはどこ?
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アレグラ(フェキソフェナジン)の強みは、眠くなりにくいことです。
第2世代の抗ヒスタミン薬の中でも、脳への移行性が低く、運転や仕事への影響が少ないというデータがあります。また、ヒスタミンH1受容体の遮断だけでなく、炎症性サイトカインや好酸球の働きも抑えることが、他の薬にない特徴です。
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アレグラ(フェキソフェナジン)の発売はいつ?
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日本国内では、2000年9月に承認され、2001年に発売されました。
海外ではそれ以前に使用されており、すでに20年以上の使用実績があります。
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アレグラを1ヶ月(30日)処方された場合の薬価・自己負担額は?
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標準的な1日量(60mg × 2錠)を30日処方された場合の金額目安は以下の通りです:
製品名 1錠あたり薬価 30日分(60錠) 自己負担(3割) アレグラ錠60mg(先発) 26.1円 1,566円 約470円 フェキソフェナジン錠60mg「NP」(後発) 23.1円 1,386円 約416円 ※調剤料や薬局ごとの加算を含まない概算です。
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作用が効き始めるまでどれくらい?どのくらい効き目が続く?
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服用後1~2時間以内に効果が出始め、約24時間持続します。
ただし1日1回では不十分な場合もあるため、通常は1日2回(朝・夕)の服用が推奨されています。
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妊娠中にアレグラは飲んでも大丈夫?
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妊娠中の使用は「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合に限る」とされています。
つまり、医師と相談の上で使用することが基本です。
動物実験での催奇形性などの報告はありません。
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授乳中にアレグラは使っても大丈夫?
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ラットの動物実験では乳汁中に移行することが確認されています。
授乳中の服用については「医師と相談の上で、授乳を続けるか中止するかを検討する」という扱いになります。ただし臨床的に問題となるレベルの移行は少ないとされます
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子どもにもアレグラは使える?
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7歳以上の小児であれば、年齢に応じた用量で使用が認められています:
- 7~11歳:1回30mgを1日2回
- 12歳以上:成人と同じ1回60mgを1日2回
また、国内外の小児臨床試験でも有効性と安全性が確認されています。
ただし、6歳未満では使用経験が少ないため、慎重な判断が必要です。
