鼻水やかゆみに効く薬「アレロック」ってどんな薬?眠気や副作用は?
鼻水やかゆみに効く薬
「アレロック」ってどんな薬?眠気や副作用は?

かゆみどめで『アレロック』を使っています。

アレルギー薬で1日2回タイプのお薬です。
眠気の副作用はあるのもも、効果は強いため、鼻炎や、かゆみの症状がひどい方に処方されます。
オロパタジン塩酸塩(商品名:アレロック®)はオンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
オロパタジン(アレロック)とは
オロパタジン塩酸塩(商品名:アレロック®)は、協和キリンが開発した第2世代の抗ヒスタミン薬です。
アレルギー性鼻炎やじん麻疹、湿疹・皮膚炎などのかゆみや鼻症状を抑える目的で使用されます。
主な特長は以下のとおりです:
- 速く効く(内服約1時間でピーク血中濃度)
- 眠気が比較的少ない(第1世代と比べ脳移行が約1/25)※1
- 1日2回の服用で効果が安定して持続
※1 動物データより
オロパタジンの主な特性とメリット
特性 | 内容 | 患者さんへのメリット |
---|---|---|
選択的H1 受容体拮抗 | ヒスタミン由来のくしゃみ・鼻水・じんましんを速やかに抑制 | |
ケミカルメディエーター抑制 | ロイコトリエン・トロンボキサン・PAF産生を抑制 | 鼻づまりや皮膚の腫れを軽減 |
サイトカイン抑制(IL-6・IL-8) | ヒト結膜上皮細胞で確認 | 粘膜の炎症悪化を防止 |
好酸球遊走抑制 | ラットモデルで確認 | 慢性的なアレルギー悪化を抑える |
剤形の豊富さ | 錠剤/OD錠/顆粒 | 小児や高齢者でも飲みやすい |
効能・効果
対象 | 適応疾患 |
---|---|
成人 | アレルギー性鼻炎、じん麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症、尋常性乾癬、多形滲出性紅斑)に伴うそう痒 |
小児(7歳以上) | 上記と同じ(皮膚疾患は湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症) |
小児(2〜7歳未満) | アレルギー性鼻炎、じん麻疹、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症に伴うそう痒 |
臨床試験での有効性
疾患 | 試験概要 | 評価項目 | 結果 |
---|---|---|---|
通年性アレルギー性鼻炎(成人) | オキサトミドとの比較/4週間 | 全般改善度 | オロパタジン群:62.4%(同等性証明) |
慢性じん麻疹(成人) | ケトチフェンとの比較/2週間 | 全般改善度 | 77.7%(p=0.019、ケトチフェンより優れる) |
皮膚疾患に伴うそう痒(成人) | 単群試験/2週間 | 有効率 | 61.7%(疾患別49〜83%) |
小児アレルギー性鼻炎(7〜16歳) | プラセボ対照/2週間 | 鼻症状スコア | 有意な改善(p=0.019) |
→ 鼻・皮膚両方にバランスよく効果があることが証明されています。
用法・用量
年齢 | 1回量 | 回数 | 服用タイミング |
---|---|---|---|
成人・7歳以上 | 5 mg(顆粒1 g) | 1日2回 | 朝・就寝前 |
2〜7歳未満 | 2.5 mg(顆粒0.5 g) | 1日2回 | 朝・就寝前 |
OD錠は水なしで服用でき、錠剤が苦手な方にも適しています。
腎機能が低い方・高齢者では血中濃度が上がりやすいため、減量や慎重投与が必要です。
使用できない方(禁忌)
- オロパタジンまたは類似成分に過敏症の既往歴がある方
飲み合わせに注意が必要な薬
- 中枢神経抑制薬(睡眠薬・抗不安薬)
→ 眠気が増す可能性があります - NSAIDsなど腎機能に影響する薬
→ 血中濃度上昇の可能性あり(腎機能低下時) - アルコール
→ 眠気・集中力低下が強くなる可能性あり
市販のかぜ薬・アレルギー薬にも抗ヒスタミンが含まれることがあるため、重複使用に注意が必要です。
主な副作用と頻度
区分 | 主な症状 | 発生頻度 |
---|---|---|
重大 | 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸 | 頻度不明 |
よくある | 眠気 | 成人 約25%、小児 15〜20% |
まれ | 倦怠感、頭痛、めまい、口渇、AST/ALT上昇など | 0.1〜5% |
眠気の感じ方には個人差があります。
運転・危険作業は控えるか、初回は夜に服用して様子をみるのがおすすめです。
まとめ
- オロパタジン(アレロック)は、鼻症状・かゆみに多角的に効く抗ヒスタミン薬。
- 1日2回の服用で安定した効果を維持。OD錠・顆粒で服用しやすさにも配慮。
- 主な副作用は眠気。肝障害は稀ですが、持病がある場合は医師に相談を。
- 飲み合わせやアルコールで眠気が強まる可能性があるため注意。
当院では、患者様の症状や生活スタイルに合わせたアレルギー治療をご提案しています。
お悩みの方はお気軽にご相談ください。
参考文献・出典
医療用医薬品添付文書(PMDA・医薬品医療機器総合機構)
KEGG DRUG(https://www.kegg.jp/db/)
医薬品インタビューフォーム(協和キリン)
日本アレルギー学会誌や国内臨床試験報告書
メルクマニュアル/今日の治療薬(医師・薬剤師向け)
よくある質問(Q&A)
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アレロックは他のアレルギー薬と比べて何が強みなの?
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アレロックは、ヒスタミンだけでなくロイコトリエン・トロンボキサン・サイトカイン(IL-6, IL-8)といった複数の炎症物質を抑える作用があります。
これにより「くしゃみ・鼻水」だけでなく「鼻づまり・皮膚のかゆみ」まで広くカバーできる点が特徴です。
また、錠剤・OD錠・顆粒と剤形が多く、小児や高齢者でも服用しやすいのも利点です。
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アレロック(オロパタジン)の発売はいつ?
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日本でのアレロック(オロパタジン塩酸塩)の先発品は、2000年に協和発酵工業(現:協和キリン)から発売されました。
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アレロックの薬価はいくら?30日分だと自己負担はいくらくらい?
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(2024年時点の薬価)
剤形 薬価(1錠・1gあたり) アレロック錠 5mg 約10.2円/錠 アレロック顆粒1% 約11.7円/g アレロックOD錠 5mg 約12.3円/錠 → 例:成人で1日2錠(5mg×2)、30日分なら
10.2円 × 2 × 30 = 612円(薬価)
→ 自己負担3割の場合:約180〜200円程度※調剤料・技術料・院外処方の有無で実際は多少前後します。
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アレロックは飲んでからどれくらいで効く?効果はどのくらい続く?
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作用発現:内服後 約1時間前後で血中濃度がピーク(t<sub>max</sub> ≈ 1時間)
持続時間:10〜12時間程度(1日2回で24時間カバー)
→ 速く効いて、1日2回の服用で安定した効果が持続します。
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アレロックは妊娠中に使える?
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**妊娠中の使用は「慎重投与」**とされています(胎児への安全性は確立していない)。
動物試験では催奇形性は認められていませんが、ヒトでの十分な研究はありません。
医師の判断のもと、必要性が上回ると考えられる場合にのみ使用されます。
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授乳中でもアレロックを飲んでいいの?
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アレロックの母乳への移行は不明です。
授乳婦に対しては「慎重投与」とされています。
治療上やむを得ない場合は、授乳を中止するか、授乳後に服用し数時間あけるなど医師と相談が必要です。
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子どもにもアレロックは使える?
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2歳以上の小児に使用可能です。
剤形は顆粒やOD錠もあり、小さなお子さんでも飲みやすい設計です。
年齢に応じた用量調整が必要なので、必ず医師の指示に従ってください。
