市販薬でもあるアレジオンの効果は?処方される理由と使い方
市販薬でもあるアレジオンの効果は?|
処方される理由と使い方

鼻炎で『アレジオン』を使っています。

気管支喘息にも適応があり、
ヒスタミンを抑えるだけでなく、ロイコトリエンにも作用するお薬ですね。
薬局で購入できるだけでなく、アレジオンはオンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
アレジオン錠とは
アレジオン錠(一般名:エピナスチン塩酸塩)は、アレルギー性疾患に用いられる第2世代抗ヒスタミン薬です。
1日1回の服用で効果が続き、眠気などの中枢神経系への影響が比較的少ないことが特長です。
1994年に日本で製造販売承認を取得し、現在は10mg錠と20mg錠が使用されています。
アレジオン錠の特徴
項目 | 内容 |
---|---|
作用機序 | ヒスタミンH₁受容体拮抗+ロイコトリエンC₄・PAFなどのメディエーター遊離抑制 |
服用回数 | 1日1回(就寝前または食後が推奨) |
鎮静作用 | プラセボと同程度で日中の眠気が起こりにくい |
薬価(2025年4月改訂時) | 10mg:17.1円/錠・20mg:22.3円/錠〈先発品〉 |
主な剤形 | 錠剤のみ(ドライシロップ・内服液は販売終了) |
効能・効果
- 気管支喘息
- アレルギー性鼻炎
- じん麻疹、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、痒疹
- そう痒を伴う尋常性乾癬
有効性(臨床試験データ)
対象疾患 | 評価例数 | 有効率* |
---|---|---|
気管支喘息(20mg) | 95例 | 約54% |
通年性アレルギー性鼻炎(10mg) | 94例 | 50% |
慢性じん麻疹・皮膚そう痒症(20mg) | 119例 | 約80% |
*「中等度改善以上」と評価された割合。すべての試験でプラセボまたは対照薬に対し優越性/非劣性が確認されています。
用法・用量
疾患 | 通常成人用量 |
---|---|
気管支喘息・皮膚疾患 | 20mgを1日1回経口 |
アレルギー性鼻炎 | 10〜20mgを1日1回経口 |
- 高齢者や肝機能障害のある方は、10mg/日などへの減量を検討します。
- 季節性鼻炎は、症状が出る前から服用を始めると効果的です。
使用できない方(禁忌)
- 本剤または成分に過敏症の既往歴がある方
飲み合わせに注意が必要な薬
併用薬 | 注意点 |
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中枢神経抑制薬(睡眠薬・抗不安薬・アルコール含む) | 眠気や注意力低下が増強する可能性あり |
長期ステロイド療法中 | ステロイド漸減時は医師管理下で慎重に行う必要あり |
副作用と発生頻度
頻度 | 主な症状 |
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約1〜5% | 眠気、口渇、倦怠感、胃部不快感、嘔気 |
0.1〜1%未満 | 発疹、頭痛、めまい、不眠、腹痛、下痢 |
ごくまれ(頻度不明) | 肝機能障害・黄疸、血小板減少(重篤) |
ポイント
- 眠気は第1世代より軽度ですが、初回服用後は運転などの注意が必要です。
- 肝臓の数値が悪化することがあるため、持病がある方は定期的な採血を行ってください。
まとめ
用量や併用薬の調整が必要なケースもあるため、必ず医師・薬剤師の指示に従いましょう。医と相談することが大切です。
アレジオン錠は**「1日1回」で長時間効く第2世代抗ヒスタミン薬**です。
気管支喘息や鼻炎から皮膚疾患まで、幅広いアレルギー症状に対応します。
眠気が少なく日常生活に支障を来しにくいのがメリット。
ただし重い肝機能障害や黄疸は早期発見が重要なので、異常があれば早めに受診を。
参考文献・出典
「アレジオン錠 添付文書」および「インタビューフォーム」(PMDA収載)
医療用医薬品情報(KEGG DRUG:D01713)
「くすりのしおり」や「日本アレルギー学会ガイドライン」などの患者向け・専門家向け資料
公開論文(PubMed検索で "Epinastine hydrochloride allergy" など)
よくある質問(Q&A)
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アレジオンはどんな人に向いている薬ですか?
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アレジオンは、鼻水・くしゃみ・目のかゆみなどを伴うアレルギー性鼻炎や、じんましん・皮膚のかゆみといった皮膚症状に効果があります。
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アレジオンの同じ系統の薬と比べた強みは?
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アレジオンは、以下の点で他の第2世代抗ヒスタミン薬と比べて優れた特徴があります:
- 眠気が少ない(中枢抑制がプラセボと同等)
- 1日1回の服用で効果が持続
- 抗ヒスタミン作用だけでなく、ロイコトリエンやPAFなどにも抗メディエーター作用がある
- 血液脳関門を通過しにくく、精神運動機能に与える影響が少ない
これらは「抗アレルギー作用の広さ」と「生活への影響の少なさ」の両立という点で、特に強みとされています。
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アレジオンの先発薬はいつ発売されたの?
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アレジオン錠は1994年に日本で製造販売承認されました。
後発品(ジェネリック)はその後、複数の製薬会社から販売されています。
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アレジオンの薬価と1か月分の実際の費用は?
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製品 薬価(1錠あたり) 30日分 自己負担(3割負担時) アレジオン錠10mg(先発) 17.1円 513円 約154円 アレジオン錠20mg(先発) 22.3円 669円 約201円 エピナスチン塩酸塩錠10mg「ケミファ」(後発) 13.7円 411円 約123円 ※診察料や調剤料は別途かかります。
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アレジオンはどのくらいで効き始めて、どのくらい効果が続きますか?
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アレジオンは、服用後約2時間で血中濃度がピークに達し、効果が現れます。
効果はおよそ24時間持続するため、1日1回の服用で済みます。
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妊娠中にアレジオンは使ってもいいの?
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妊娠中の使用は、医師が治療上の有益性が危険性を上回ると判断した場合に限って使用されます。
自己判断での使用は避け、必ず医師に相談してください。
ラットで受胎率の低下、ウサギで胎児致死作用が報告されており、高用量での影響が示唆されています。
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授乳中にアレジオンは使える?
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動物実験で乳汁中への移行が確認されているため、注意が必要です。
安易な使用は避け、専門医とリスク・ベネフィットを検討することが重要です。
使用する場合は「授乳を中止するかどうか」を医師と相談した上で判断します。
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アレジオンは子どもに使える?
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小児への有効性や安全性については、十分な臨床試験が実施されていません。
どうしても必要な場合は、専門医による慎重な判断が求められます。
通常は成人への処方が基本となっており、小児での使用は原則避けられます。
