くしゃみ・鼻水・かゆみがつらい…ザジテンってどんな薬?

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ザジテンってどんな薬?

鼻炎がひどく『ザジテン』を使っています。

古くからある抗ヒスタミン剤で、カプセルを1日2回内服します。

昔から継続されている人はいますが、最近は処方は少ないお薬です。

ザジテンはオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

ザジテンカプセルとは

ザジテン®カプセル1mg(一般名:ケトチフェンフマル酸塩)は、アレルギー反応を抑える飲み薬です。
1970年にスイスで開発され、日本では1983年から処方されています。

現在も以下の製品が入手可能です:

  • 先発品:ザジテン®1mg(8.2円/カプセル)
  • 後発品:「サワイ」「ツルハラ」「NIG」など(6.1円/カプセル)

ザジテンカプセルの特徴

二つの作用でアレルギーをブロック

  • 抗アナフィラキシー作用
     肥満細胞からのヒスタミンなどの放出を抑え、発作を未然に防ぎます。
  • 抗ヒスタミン作用
     放出されたヒスタミンが受容体と結合するのを遮断します。

好酸球にもアプローチ

アレルギー炎症を長引かせる好酸球の働きを抑制し、
気道・鼻・皮膚の過敏性を軽減します。

PAF(血小板活性化因子)反応抑制

気道の過敏性亢進を抑えることで、喘息症状の悪化を防ぐ効果もあります。


効能・効果

適応疾患代表的な症状例
気管支喘息長引くせき・息苦しさ
アレルギー性鼻炎くしゃみ・鼻水・鼻づまり
蕁麻疹・湿疹・皮膚炎・皮膚そう痒症かゆみ・赤み・発疹

有効性(臨床試験成績)

疾患名有効率*
気管支喘息(750例)60.8%
アレルギー性鼻炎(456例)59.0%
湿疹・皮膚炎(1,075例)66.9%
蕁麻疹(403例)74.9%

※二重盲検比較試験を含む総合評価です。


用法・用量

  • 通常成人:1回1mg(1カプセル)を1日2回
    • 朝食後
    • 就寝前
  • 年齢・症状に応じて適宜増減されます。

※発作を即効で止める薬ではないため、治療開始時にその旨を説明する必要があります


使用できない方(禁忌)

以下に該当する方は使用できません:

  • 有効成分にアレルギーがある方
  • てんかんまたはその既往歴がある方
     → ※けいれん閾値を下げる恐れがあります

飲み合わせに注意が必要な薬

相互作用のある剤注意点
中枢神経抑制剤鎮静剤・睡眠薬など眠気・集中力低下が増強
他の抗ヒスタミン薬第1世代H₁ブロッカーなど重複作用による副作用増強
アルコールビール・ワインなど精神運動機能低下の恐れ。飲酒は控えること

副作用と発生頻度

  • 眠気:4.4%
  • 倦怠感:0.3%
  • 口渇・悪心:各 0.1%

重大な副作用(頻度不明)

  • けいれん・興奮(特に乳幼児では注意)
  • 肝機能障害・黄疸

服用後に強い眠気白目や皮膚の黄ばみが見られた場合は、すぐに医師に相談してください。


まとめ

  • ザジテンカプセルは、ヒスタミンの放出抑制+受容体遮断により、
     さまざまなアレルギー症状を広くカバーできる飲み薬です。
  • 1日2回の服用で効果が持続しますが、眠気が出やすいため、車の運転や機械操作には注意が必要です。
  • てんかん歴がある方や、他の鎮静薬・アルコールを使用する方は、必ず医師に相談を。

また、薬価は6.1~8.2円/カプセルと安価で、長期治療にも適しています。主治医と相談することが大切です。


参考文献・出典

[医薬品インタビューフォーム(ザジテンカプセル1mg)]

[PMDA:医薬品添付文書情報検索サイト]

[KEGG DRUG(D01332)ケトチフェンフマル酸塩]

厚生労働省の重篤副作用症例報告事例集

よくある質問(Q&A)


ザジテンはどんな薬?どんな症状に使われるの?

ザジテンは、アレルギー反応を抑える内服薬です。
主に以下の症状に使われます:

かゆみ・赤み・発疹(蕁麻疹、湿疹、皮膚炎など)

長引く咳や息苦しさ(気管支喘息)

鼻水・くしゃみ・鼻づまり(アレルギー性鼻炎)

この薬の同じ系統の薬と比べて、ザジテンの強みは?

ザジテンは、ヒスタミンの放出抑制+受容体遮断の二重作用を持ち、
さらに好酸球の活性抑制やPAF(血小板活性化因子)による気道過敏性の抑制作用もある点が特徴です。

このため、単なるH₁ブロッカーに比べて、アレルギー症状の慢性化予防にも期待ができます。

ザジテンの先発薬はいつ発売された?

ザジテンカプセル(先発品)は1983年2月に日本で発売されました。
スイスでは1978年に最初の製品が登場しています。

1か月分の薬代はいくら?自己負担額の目安は?

通常は1日2カプセルで、30日間の処方で60カプセル使います。

製品名薬価(1カプセル)1か月分薬価自己負担(3割)
ザジテン(先発品)8.2円約492円約150円前後
後発品(サワイ・ツルハラなど)6.1円約366円約110円前後

※調剤料や管理料などを含めると、実際の自己負担額は月300〜500円程度が目安です(3割負担の場合)。

ザジテンは飲んでからどのくらいで効く?効果はどれくらい続く?

作用発現時間は服用後およそ2~3時間以内です。
血中濃度のピーク(Tmax)は約2.8時間、半減期(T1/2)は約6.7時間とされており、
1日2回の服用で効果が持続するよう設計されています。

妊娠中にザジテンは使っても大丈夫?

妊娠中の使用は医師の判断のもと慎重に検討されます。

  • 動物実験で明確な催奇形性は報告されていませんが、
  • ヒトでの安全性は確立しておらず、
  • **「治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用」**とされています。

妊娠中にアレルギー治療を受ける場合は、医師に相談のうえで適切な薬剤が選ばれます。

授乳中にザジテンを飲んでも大丈夫?

授乳中の使用は、医師と相談して慎重に判断します。

  • ケトチフェンは母乳中へ移行する可能性があります。
  • 日本の添付文書では、**「授乳継続または中止を検討」**と記載されています。

授乳の必要性と治療の必要性を天秤にかけ、ケースごとに判断されます。

ザジテンは子どもにも使える?注意点は?

乳児・幼児にも使用可能ですが、慎重な経過観察が必要です。

  • 小児ではけいれんや興奮など中枢神経症状の報告があります。
  • とくにてんかん歴のある子どもには禁忌とされています。

また、子どもにはドライシロップやシロップ剤の形で処方されることが一般的です。