咳が長引くときに…アスベリンってどんな薬?効果・副作用・使い方を解説

咳が長引くときに…アスベリンってどんな薬?
効果・副作用・使い方を解説



咳止めの『アスベリン』を飲んでいます。

咳止めで痰を出しやすくする効果もあるため、風邪に伴う咳に使用されます。

アスベリンはオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

咳止め・去痰薬の全体マップ

咳止め・去痰薬は「どこに効くか」で系統が分かれます。それぞれ強さ・眠気・便秘リスクが違うので、症状と体質で使い分けます。

分類代表薬特徴
中枢性・麻薬性リン酸コデイン・ジヒドロコデイン強力・呼吸抑制・依存性・便秘
中枢性・非麻薬性メジコン・アスベリン・フスタゾール麻薬性より穏やか
中枢+末梢性・非麻薬性レスプレン・フスコデ配合咳と痰の両方に
気管支拡張系リン酸ジプロフィリン等
去痰薬(気道分泌調整)ムコダイン・ムコソルバン・ビソルボン痰そのものを排出しやすく
漢方(乾いた咳)麦門冬湯喉の乾燥・こみ上げ咳
漢方(水鼻・咳)小青竜湯花粉症・冷え型
漢方(熱型咳)麻杏甘石湯喘鳴・乾咳

本記事の アスベリン(チペピジン)中枢性・非麻薬性(+気管支腺分泌抑制) に位置します。1959年発売の日本の定番薬。小児科でよく使われる。尿がピンク〜赤色になる着色は薬理的に無害。

こんな咳は別対応

  • 3週間以上続く咳慢性咳嗽として原因検索を(喘息・COPD・逆流性食道炎・後鼻漏・薬剤性等)
  • 血痰・体重減少・寝汗:結核・肺がんの除外必要
  • 喘鳴・息切れ:気管支喘息・心不全の可能性
  • ACE阻害薬(レニベース等)による空咳:薬剤変更を主治医と
  • 感冒後咳嗽(風邪後の残る乾いた咳)麦門冬湯が第一選択

鎮咳薬の歴史ざっくり

年代出来事
19世紀後半アヘン由来のコデインが咳止めとして普及——ただし呼吸抑制・依存性の問題
1950年代非麻薬性の咳止め(デキストロメトルファン=メジコン)が海外で開発
1959年日本でアスベリン(チペピジン)が発売——小児科でも使える定番に
1970年代日本でレスプレン(エプラジノン)など「中枢+末梢のダブル作用」型が登場
2000年代〜小児のコデイン使用制限(呼吸抑制事例)を経て、非麻薬性中心の時代に

現代の日本では、麻薬性コデインは大人・短期に限定され、日常的な咳止めは非麻薬性が主流です。

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アスベリンとは

アスベリン®(一般名:チペピジンヒベンズ酸塩)は、非麻薬性の鎮咳去痰薬です。
1959年の発売以来、風邪や気管支炎によるしつこい咳や痰をやわらげる目的で、長年にわたり使われてきました。


アスベリンの5つの特徴

✅ 1. 「咳止め」+「痰切り」のダブル作用

  • 咳を引き起こす脳の中枢(咳中枢)の働きをしずめる
  • 同時に、気管支の粘液分泌や線毛運動(痰を押し出す力)を高め、痰を出しやすくします

✅ 2. コデイン並みの効果、でも依存なし

  • 動物試験で、コデインリン酸塩と同じくらいの咳止め効果を示しました
  • 麻薬に分類されておらず、依存性の心配が少ない安全性の高い薬です

✅ 3. 速効性あり

  • 内服後、約1.3時間で効果があらわれ、5〜6時間持続します

✅ 4. 多彩な剤形(年齢・状態に応じて選択可能)

  • 錠剤(10mg/20mg)
  • 散剤(10%)
  • ドライシロップ(2%)
  • シロップ(0.5%、調剤用2%)

効能・効果

次のような咳や痰の症状に使われます:

  • 感冒(風邪)、急性・慢性気管支炎
  • 肺炎、肺結核
  • 上気道炎(咽喉頭炎、鼻カタル)
  • 気管支拡張症

有効性(臨床試験)

  • 国内53の医療機関・1,777例を対象とした調査で、咳や痰の改善効果が確認されました
  • 副作用の発現率は4.3%(86例)で、ほとんどが軽度でした

また、動物試験ではコデインと同様に、
30分〜1時間で効果が出て、5〜6時間持続することがわかっています。


用法・用量(通常1日3回)

年齢・剤形1日あたりの目安量(チペピジン換算)
成人60〜120mg(例:錠20mgなら3〜6錠)
1歳未満5〜20mg(例:散剤0.05〜0.2g)
1〜3歳未満10〜25mg
3〜6歳未満15〜40mg

※ 年齢・症状に応じて、医師が用量を調整します。


使用できない方(禁忌)

  • 本剤の成分にアレルギー歴のある方は使用できません

慎重に使うべき方(医師と相談を)

  • 妊婦・授乳中の方:必要な場合に限り使用
  • 高齢者:年齢による体の機能低下を考慮して、減量などが必要です

飲み合わせに注意が必要な薬

禁忌となる組み合わせはありませんが、以下の薬・飲酒には注意が必要です。

⚠️ 中枢神経抑制薬(例:睡眠薬・抗不安薬・抗ヒスタミン薬)

→ 眠気やふらつきが強まることがあります

⚠️ アルコール

→ 副作用が出やすくなるため、飲酒は控えた方が安全です

不安な場合は、かならず医師・薬剤師にご相談ください。


副作用と発生頻度

主な副作用(頻度:0.1〜5%未満)

分類症状
精神・神経系眠気、不眠、めまい
消化器食欲不振、便秘、口の渇き、胃もたれ、膨満感、軟便、下痢、吐き気、腹痛
過敏症かゆみ、発疹

🚨 重大な副作用(頻度不明)

  • アナフィラキシー:咳、腹痛、嘔吐、発疹、呼吸困難などが急に起きる
    → すぐに医療機関を受診してください

⚠️ 飲みすぎた場合の症状

  • 眠気、興奮、幻覚、意識がもうろうとする など
    → 速やかに受診を

まとめ:アスベリンはこんな薬

下痢や他の疾患がある場合も、自己判断せず医師へ相談を

非麻薬性・依存性が少なく、安全性の高い咳止め

コデイン並みの咳止め効果がありながら、習慣性がない

錠剤・散剤・シロップなど多様な剤形があり、全年齢に対応

眠気や消化器症状などの軽い副作用に注意

妊娠中・授乳中・高齢者では、医師と相談して使用

参考文献・出典

PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)添付文書

KEGG DRUG(D01495)

インタビューフォーム(医療関係者向けの製品情報)

JAPIC 添付文書データベース

医学論文:臨床試験結果報告や製剤比較論文(PubMedなどで検索可能)

よくある質問(Q&A)

アスベリンはどんな薬?どんな症状に使われますか?

アスベリンは、咳や痰をやわらげるために使われる非麻薬性の鎮咳去痰薬です。
風邪、気管支炎、肺炎、肺結核、上気道炎、気管支拡張症などに伴うしつこい咳や痰が対象となります。

この薬の同じ系統の既製薬品に対する強みは?

アスベリンは以下の点で他の鎮咳薬に比べて優れた特性を持ちます:

多様な剤形(錠剤、散剤、シロップなど)で小児から高齢者まで対応しやすい

非麻薬性で依存性や眠気が少ない

咳中枢を抑える鎮咳作用痰を出しやすくする去痰作用のダブル効果

コデイン並みの咳抑制力がありながら、麻薬指定ではないため取り扱いやすい

アスベリンはいつから使われている薬ですか?(発売年)

アスベリンは1959年10月に日本で発売開始され、長年にわたり使用されている歴史ある薬です。
2005年にはブランド変更による再承認、2010年からはニプログループが販売を継続しています。

アスベリンの1か月分(30日)処方時の薬価と実際の負担額は?

成人が1日錠20mg×3錠を30日間服用した場合:

  • 薬価:約1,233円(20mg錠×90錠、1錠あたり13.7円)
  • 自己負担(3割負担の場合):約370円前後

※調剤料・技術料・診察料等は別途かかります。

アスベリンの効果はどのくらいで出ますか?持続時間は?

作用発現時間:内服後約1.3時間で血中濃度がピークに

持続時間:効果は約5〜6時間持続します

日中の咳対策にも、就寝前の咳の抑制にも使いやすい設計です。

妊娠中にアスベリンは使えますか?

妊娠中の使用は「有益性が危険性を上回る場合に限り使用」とされています。
動物実験や臨床データに明確なリスクは記載されていませんが、使用する際は必ず医師の判断が必要です。

授乳中にアスベリンを飲んでも大丈夫ですか?

授乳中の使用については、以下のように記載されています:

  • 母乳への移行に関する情報は限定的
  • 使用の際は「治療上の有益性」と「授乳の継続の利点」を天秤にかけて判断

医師の判断で授乳を一時中断するケースもあります。自己判断での服用は避けましょう。

アスベリンは子どもにも使えますか?何歳から使える?

1はい、アスベリンは乳児(1歳未満)から使用可能です。

小児では体重・年齢により用量を調整しますので、必ず医師の指示に従ってください。

散剤やシロップなど小児向けの剤形あり

年齢に応じた適切な用量が設定されており、安全性にも配慮されています

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この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)を修了し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/公衆衛生修士(MPH)/産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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