咳が長引くときに…アスベリンってどんな薬?効果・副作用・使い方を解説

咳が長引くときに…アスベリンってどんな薬?
効果・副作用・使い方を解説



咳止めの『アスベリン』を飲んでいます。

咳止めで痰を出しやすくする効果もあるため、風邪に伴う咳に使用されます。

アスベリンはオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

アスベリンとは

**アスベリン®(一般名:チペピジンヒベンズ酸塩)**は、非麻薬性の鎮咳去痰薬です。1959年の発売以来、感冒や気管支炎などに伴うしつこい咳や痰を和らげる目的で長く使われています。


アスベリンの5つの特徴

✅ 中枢性+去痰作用の“ダブル効果”

咳中枢の興奮を抑えると同時に、気管支腺の分泌と線毛運動を高め、痰を出しやすくします。

✅ コデイン並みの鎮咳力・依存性なし

イヌの試験ではコデインリン酸塩と同等の咳抑制効果を示しながら、麻薬指定を受けていません

✅ 速効性

内服後約1.3時間で効果が現れ、約5〜6時間持続します。

✅ 多彩な剤形

以下のように年齢や嚥下能力に応じた剤形が用意されています:

  • 錠剤(10mg/20mg)
  • 散剤(10%)
  • ドライシロップ(2%)
  • シロップ(0.5%/調剤用2%)

効能・効果

次の疾患に伴う咳嗽および喀痰喀出困難に使用されます:

  • 感冒、急性・慢性気管支炎
  • 肺炎、肺結核
  • 上気道炎(咽喉頭炎、鼻カタル)
  • 気管支拡張症

有効性(臨床試験)

  • 国内53施設・1,777例による試験で咳・痰の症状改善を確認
  • 副作用発現率:4.3%(86例)、大半は軽度
  • 動物試験ではコデインと同等の鎮咳作用(発現30分〜1時間/持続5〜6時間)

用法・用量(1日3回に分割)

年齢・剤形1日量(チペピジンクエン酸塩換算)
成人60〜120mg(錠20mg換算で3〜6錠)
1歳未満5〜20mg相当(例:散剤0.05〜0.2g)
1歳〜3歳未満10〜25mg相当
3歳〜6歳未満15〜40mg相当
  • 年齢・症状により医師が増減します

使用できない方(禁忌)

  • 本剤成分にアレルギー歴がある方

以下の方は慎重に使用し、必要に応じて減量します:

  • 妊婦・授乳婦
  • 高齢者(生理機能低下あり)

飲み合わせに注意が必要な薬

  • 特定の禁忌併用薬はなし
  • ただし以下の併用に注意:

⚠️中枢神経抑制薬(例:睡眠薬、抗不安薬、抗ヒスタミン薬)
→ 眠気・めまいが強まる可能性あり

⚠️アルコール
→ 副作用が出やすくなるため、控えるのが望ましい

不安な場合は必ず医師・薬剤師へ相談を。


副作用と発生頻度

分類0.1〜5%未満頻度不明(まれを含む)
精神神経系眠気、不眠、めまい興奮
消化器食欲不振、便秘、口渇、胃部不快感/膨満感、軟便/下痢、悪心腹痛
過敏症そう痒感発疹

🚨 重大な副作用(頻度不明)

  • アナフィラキシー(咳嗽、腹痛、嘔吐、発疹、呼吸困難など)
     → 直ちに医療機関を受診ください。

⚠️ 過量投与時の症状

  • 眠気、興奮、せん妄、意識障害などの報告あり

まとめ:アスベリンはこんな薬

  • 非麻薬性・依存性が少ない安全性の高い咳止め
  • 咳止めのコデイン並みの効果
  • 錠剤・散剤・シロップなど剤形が豊富で全年齢に対応
  • 副作用は眠気や消化器症状が主。アレルギー体質の方は注意
  • 妊娠中・授乳中・高齢者では医師の判断のもとで使用を検討

また、細菌性下痢のある方や他の疾患がある場合も、医師との相談が必要です。

参考文献・出典

PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)添付文書

KEGG DRUG(D01495)

インタビューフォーム(医療関係者向けの製品情報)

JAPIC 添付文書データベース

医学論文:臨床試験結果報告や製剤比較論文(PubMedなどで検索可能)

よくある質問(Q&A)

アスベリンはどんな薬?どんな症状に使われますか?

アスベリンは、咳や痰をやわらげるために使われる非麻薬性の鎮咳去痰薬です。
風邪、気管支炎、肺炎、肺結核、上気道炎、気管支拡張症などに伴うしつこい咳や痰が対象となります。

この薬の同じ系統の既製薬品に対する強みは?

アスベリンは以下の点で他の鎮咳薬に比べて優れた特性を持ちます:

多様な剤形(錠剤、散剤、シロップなど)で小児から高齢者まで対応しやすい

非麻薬性で依存性や眠気が少ない

咳中枢を抑える鎮咳作用痰を出しやすくする去痰作用のダブル効果

コデイン並みの咳抑制力がありながら、麻薬指定ではないため取り扱いやすい

アスベリンはいつから使われている薬ですか?(発売年)

アスベリンは1959年10月に日本で発売開始され、長年にわたり使用されている歴史ある薬です。
2005年にはブランド変更による再承認、2010年からはニプログループが販売を継続しています。

アスベリンの1か月分(30日)処方時の薬価と実際の負担額は?

成人が1日錠20mg×3錠を30日間服用した場合:

  • 薬価:約1,233円(20mg錠×90錠、1錠あたり13.7円)
  • 自己負担(3割負担の場合):約370円前後

※調剤料・技術料・診察料等は別途かかります。

アスベリンの効果はどのくらいで出ますか?持続時間は?

作用発現時間:内服後約1.3時間で血中濃度がピークに

持続時間:効果は約5〜6時間持続します

日中の咳対策にも、就寝前の咳の抑制にも使いやすい設計です。

妊娠中にアスベリンは使えますか?

妊娠中の使用は**「有益性が危険性を上回る場合に限り使用」**とされています。
動物実験や臨床データに明確なリスクは記載されていませんが、使用する際は必ず医師の判断が必要です。

授乳中にアスベリンを飲んでも大丈夫ですか?

授乳中の使用については、以下のように記載されています:

  • 母乳への移行に関する情報は限定的
  • 使用の際は「治療上の有益性」と「授乳の継続の利点」を天秤にかけて判断

医師の判断で授乳を一時中断するケースもあります。自己判断での服用は避けましょう。

アスベリンは子どもにも使えますか?何歳から使える?

1はい、アスベリンは乳児(1歳未満)から使用可能です。

小児では体重・年齢により用量を調整しますので、必ず医師の指示に従ってくださいとなっています。

散剤やシロップなど小児向けの剤形あり

年齢に応じた適切な用量が設定されており、安全性にも配慮されています