咳が止まらないときに処方されるメジコンってどんな薬?効果や副作用を解説
咳が止まらないときに処方されるメジコンってどんな薬?
効果や副作用を解説

かぜで咳が出るので『メジコン』を処方されました。

咳止めの中でも一番処方される薬の一つです。依存性もありません。
メジコンはオンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
メジコンとは
メジコンは、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物を有効成分とする**鎮咳薬(せき止め)**です。
1950年代に開発された右旋性モルフィナン誘導体で、麻薬性をもつコデインとは異なり、習慣性がなく、強力な咳止め効果を示します。
現在は以下のような製品が処方で使用されています。
- 【先発品】シオノギファーマ:錠剤15mg、散剤10%
- 【ジェネリック】ニプロ、鶴原、東和薬品など
メジコンの特徴まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
作用機序 | 延髄の咳中枢を直接抑制し、咳反射を低下させる |
鎮咳力 | コデインと同等の有効性(比較試験にて確認) |
価格例(薬価) | 錠剤15mg:8.6円/錠 散剤10%:20.8円/g |
依存性 | なし(非麻薬性) |
剤形 | 錠剤 / 散剤:高齢者・小児にも投与しやすい |
保険区分 | 錠剤:一般処方 散剤:劇薬(取扱い注意) |
効能・効果
- 感冒、急性気管支炎、慢性気管支炎、肺炎 などによる咳嗽の抑制
- 気管支造影・気管支鏡検査時の咳嗽抑制
有効性(臨床試験データ)
国内1,289例を対象にした再評価時の臨床試験で、**有効率81.3%**を示しました。
疾患別の有効率は以下の通りです。
- 感冒:86.3%
- 慢性気管支炎:69.8%
- 気管支拡張症:64.0%
- 肺結核:79.3%
- 上気道炎:97.3%
- その他:70〜80%台中心
また、コデインとの二重盲検比較試験でも同等の鎮咳効果が確認されています。
用法・用量
- 成人:1回15〜30mgを1日1〜4回、経口投与
- 症状や年齢に応じて増減
- 錠剤は水で服用、散剤は水またはぬるま湯に溶かして服用
使用できない方(禁忌)
- 本剤の成分にアレルギー既往歴がある方
注意が必要な方
以下の方は医師と相談のうえ慎重に使用してください。
- 妊婦・授乳婦:有益性がリスクを上回る場合に限り使用
- 高齢者:生理機能が低下しているため、減量など配慮が必要
飲み合わせに注意が必要な薬
相手薬 | リスク | 留意点 |
---|---|---|
MAO-B阻害薬(セレギリン等) | セロトニン症候群 | 併用避ける/中止後2週間以上空ける |
SSRI(フルオキセチン等) | セロトニン症候群 | 症状出現時は早急に受診 |
CYP2D6阻害薬(キニジン等) | 血中濃度上昇→副作用リスク増加 | 用量調整や経過観察が必要 |
副作用
重大な副作用(頻度)
- 呼吸抑制(0.1%未満)
- ショック・アナフィラキシー(頻度不明)
その他の副作用(目安)
- 眠気・めまい・頭痛(0.1〜5%未満)
- 悪心・便秘(0.1〜5%未満)
- 不眠・口渇・腹痛 など(0.1%未満〜頻度不明)
※ PTPシートの誤飲に注意。必ず取り出して服用してください。
まとめ
咳が続く、息苦しい、発疹が出るなどの症状がある場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診しましょう。
メジコンは非麻薬性でありながら、コデインに匹敵する鎮咳効果を持つ処方薬です。
成人の標準用量は15〜30mgを1日1〜4回。
眠気が出ることがあるため、運転や危険作業は控えること。
セロトニン症候群などの薬物相互作用に注意が必要。
妊娠中・授乳中・高齢者では、リスクとメリットを医師と十分に相談したうえで使用してください。
参考文献・出典
医薬品インタビューフォーム(シオノギファーマ)
添付文書(PMDA、JAPICなど)
KEGGデータベース(D00848)
日本呼吸器学会ガイドライン
よくある質問(Q&A)
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メジコンってどんな咳に効くの?市販薬との違いは?
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メジコンは、風邪・気管支炎・肺炎などによるしつこい咳を抑える処方薬です。市販の咳止めと違い、医師の判断で適切な用量が調整されるため、効果や安全性の点で優れています。
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メジコンはコデインなど他の咳止めと何が違うの?
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コデインなどの麻薬性鎮咳薬と違い、メジコンは非麻薬性なので依存や習慣性の心配がありません。
二重盲検比較試験では、コデインと同等の咳止め効果が認められており、安全性の高さが大きな特長です。
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メジコンの先発薬はいつ発売されたの?
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メジコンの先発薬は、1973年に承認申請が行われ、1976年に再評価承認を受けています。
その後、2019年にシオノギ製薬からシオノギファーマへ製造販売承認が継承されました。
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1か月(30日)処方されたときの薬価と自己負担額の目安は?
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代表的な薬価(2023年時点)は以下の通りです:
- メジコン錠15mg:8.6円/錠
→ 30日分(1日3錠×30日=90錠)=774円
→ 自己負担(3割負担):約230円程度 - メジコン散10%:20.8円/g(※劇薬指定)
→ 1日1g×30日=624円
→ 自己負担(3割負担):約190円程度
※あくまで薬剤費の目安であり、調剤料や診察料は別途かかります。
- メジコン錠15mg:8.6円/錠
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メジコンの効き目はどのくらいで出て、どれくらい続くの?
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血中濃度データから見ると、服用後2〜3時間で効果発現し、作用の持続は4〜6時間程度とされています。
1日3〜4回の服用で咳をコントロールする設計です。
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妊娠中でもメジコンは使える?
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原則として、妊娠中は必要な場合に限って使用可能です。
「治療上のメリットがリスクを上回る」と医師が判断した場合に投与されます。使用する場合は、妊娠初期を避けて用量を調整するなど、慎重な管理が必要です。
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授乳中にメジコンを飲んでも大丈夫?
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授乳中に使う場合は、医師と相談したうえで授乳を一時的に中断するかどうかを検討します。
母乳中に薬が移行する可能性があり、赤ちゃんへの影響を最小限にするために対策をとることが大切です。
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子どもにメジコンは使える?
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メジコンは小児にも使われていますが、小児向けの臨床試験データは十分ではありません。
そのため、年齢や体重に応じた慎重な用量調整が必要で、必ず医師の処方に従って使いましょう。
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メジコンを飲んでいるときに気をつける薬の飲み合わせは?
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以下の薬との併用に注意が必要です:
- MAO-B阻害薬(セレギリンなど):セロトニン症候群のリスク
- SSRI(フルオキセチンなど):セロトニン作用が増強
- CYP2D6阻害薬(アミオダロンなど):副作用リスクが上昇
他に薬を服用している場合は、必ず医師や薬剤師に相談してください。
