神経痛でリリカを処方されたら読む記事|使い方・副作用・値段のこと
神経痛でリリカを処方されたら読む記事
|使い方・副作用・値段のこと

帯状疱疹の痛みで『リリカ』を使っています。

鎮痛剤で、神経からくる痛みや、慢性の線維筋痛症と
診断された場合に使われる薬です。
リリカはオンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
プレガバリン(リリカ)とは?
プレガバリン(商品名:リリカ)は、神経障害性疼痛や線維筋痛症による痛みを緩和する医療用医薬品です。
もともと米国ノースウェスタン大学で開発され、現在は世界100か国以上で承認・使用されています。
日本では2010年に「帯状疱疹後神経痛」の治療薬として承認され、その後「糖尿病性末梢神経障害」「線維筋痛症に伴う痛み」などにも適応が広がっています。
特徴と作用機序
神経の興奮を抑える働き
プレガバリンは、神経細胞にある電位依存性カルシウムチャネルのα2δサブユニットに結合し、
興奮性神経伝達物質の放出を抑えることで、痛みの信号を和らげると考えられています。
海外では幅広い適応も
海外では「てんかんの部分発作」や「全般性不安障害」にも使われていますが、**日本での適応は「神経障害性疼痛」と「線維筋痛症に伴う疼痛」**の2つに限られています。
製剤と剤形の選択肢
- カプセル:25mg/75mg/150mg
- OD錠(口腔内崩壊錠):25mg/75mg/150mg
水なしで服用できるOD錠は、飲み込みにくい方や高齢者にも適しています。
効能・効果
神経障害性疼痛
- 帯状疱疹後神経痛
- 糖尿病性末梢神経障害
- 脊髄損傷後などの中枢性神経障害性疼痛
線維筋痛症に伴う疼痛
- 全身の痛みが特徴的な慢性疾患に伴う痛みの緩和
用法・用量の概要
神経障害性疼痛
- 初期:1日150mg(1日2回に分けて服用)
- 増量:1週間以上かけて300mgまで
- 最大:1日600mg(原則1日2回)
線維筋痛症に伴う疼痛
- 初期:1日150mg
- 維持:300〜450mg(最大450mg/日)
※腎機能に応じて調整が必要です。医師の指示に従ってください。
使用できない方(禁忌)
- 過去に本剤で**アレルギー反応(過敏症)**を起こしたことがある方
飲み合わせに注意すべき薬剤
中枢神経抑制剤
(オピオイド鎮痛薬、睡眠薬、抗不安薬など)
→ 強い眠気や呼吸抑制のリスクあり
ACE阻害薬などの血管浮腫を起こす薬
→ 顔や口、のどの腫れが起きることがある
チアゾリジン系薬などの浮腫を起こす薬
→ むくみや心不全悪化の恐れがあるため慎重投与が必要
主な副作用とその頻度
比較的多い副作用(20%以上)
- めまい・ふらつき
- 傾眠(強い眠気)
その他の報告がある副作用
- 体重増加、むくみ、便秘、吐き気
- 目のかすみ、視覚異常
重篤な副作用に注意
以下の症状が見られた場合は、すぐに医師へ連絡してください。
- 意識消失、強いめまい、呼吸困難
- 心不全、横紋筋融解症、腎不全
- アナフィラキシー、Stevens-Johnson症候群などの皮膚粘膜障害
臨床試験による有効性
神経障害性疼痛
13週間の試験において、1日150〜600mgの使用で痛みのスコアが有意に低下。
線維筋痛症
1日150mgから開始し、300〜450mgで維持した試験では明確な痛みの改善効果が確認されました。
長期投与の評価
最大1年以上の投与により、症状の緩和が維持されることが確認されています。
※副作用(特に眠気や体重増加)に注意しながら、定期的な診察を受ける必要があります。
まとめ
プレガバリン(リリカ)は、神経性の慢性疼痛に対して有効な薬剤であり、
症状に合わせて少しずつ用量を調整しながら安全に使用します。
使用時のポイント
長期使用の場合は副作用チェックも忘れずに
めまいや眠気が出やすいため、車の運転などは控える
自己判断で中止せず、異常があれば早めに受診する
参考文献・出典
厚生労働省「医薬品インタビューフォーム(プレガバリン)」
KEGG医薬品データベース(D02716)
日本ペインクリニック学会や日本線維筋痛症学会のガイドライン
NICE clinical guideline 173(英国)
Finnerup NB. et al., Lancet Neurol. 2015 などのレビュー論文
よくある質問(Q&A)
-
リリカは他の神経の痛みの薬と比べてどう違いますか?
-
A. リリカは、神経細胞のカルシウムチャネルに作用することで、興奮性物質の放出を抑え、痛みを和らげます。
同系統の薬(例:ガバペンチン)と比べて、少ない用量で安定した効果が期待できる点が強みです。
また、血中濃度が用量に比例して増加する(線形薬物動態)ため、用量調整がしやすいのも特徴です。
-
リリカ(プレガバリン)の日本での発売はいつですか?
-
日本では2010年4月に「帯状疱疹後神経痛」の治療薬として初めて承認されました。
その後、適応が拡大され、「糖尿病性神経障害」「線維筋痛症」「中枢性神経障害性疼痛」などにも使われています。
-
リリカの薬価と実際にかかる費用はどれくらいですか?
-
1か月(30日)処方された場合の薬価と3割負担の自己負担額は以下のとおりです。
製品名 薬価(1錠・1カプセル) 30日分の薬価 自己負担(3割) リリカカプセル75mg 52.4円 約3,144円 約943円 リリカOD錠150mg 66.3円 約3,978円 約1,193円 後発品OD錠150mg(オーハラ) 25.3円 約1,518円 約455円 ※実際の処方料・調剤料は含まれていません。目安としてご確認ください。
-
リリカは飲んでどれくらいで効き始めますか?効果はどのくらい続きますか?
-
通常、服用から1時間前後で血中濃度が最大になり、痛みの緩和が始まります。
効果の持続時間はおよそ6時間程度とされ、1日2回の服用で安定した効果が維持されます。
-
妊娠中にリリカは使えますか?
-
妊娠中の使用は原則として避けるべきです。
胎児への悪影響(発育遅延、骨格異常など)が動物実験で報告されております当院ではお出ししません。
-
授乳中にリリカを使っても大丈夫ですか?
-
プレガバリンは母乳中に移行するため、授乳中は使用を避けることが推奨されています。
-
子どもには使える薬ですか?
-
現時点でプレガバリンは、小児に対する安全性や有効性は確立されていません。
動物実験では中枢神経への影響が報告されており、小児への投与は慎重に検討されるべきです。当院ではお出ししません。
