腰や肩の痛みにロキソニンテープは効く?有効性や形状の違いも紹介

腰や肩の痛みにロキソニンテープは効く?
有効性や形状の違いも紹介

腰痛で『ロキソプロフェンNaテープ』を使っています。

ロキソニンの湿布タイプで、痛みへの有効性が高い外用薬です。

ロキソニンテープはオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

ロキソプロフェンナトリウム水和物(ロキソニンテープ)とは

ロキソプロフェンナトリウム水和物は、**非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類される鎮痛薬です。
内服薬「ロキソニン」としてよく知られていますが、その有効成分を皮膚から吸収させる
貼り薬(経皮吸収型製剤)**が「ロキソニンテープ」です。

主に以下のような症状に使われます。

  • 関節の痛み
  • 筋肉の痛み
  • 外傷後の腫れや痛み

特徴|ロキソニンテープの利点

✔ プロドラッグで局所に効く

貼付後、体内で活性体に変化し、痛みや炎症の原因物質(プロスタグランジン)の産生を抑えます。

✔ 1日1回でOK

1日1回の貼付で効果が持続し、貼り替えの手間が少なく続けやすい製剤です。

✔ 剥がれにくく密着性が高い

改良されたテープ剤は、パップ剤より密着性に優れ、剥がれにくい設計になっています。


効能・効果

ロキソニンテープは、以下の疾患や症状の消炎・鎮痛に用いられます。

  • 変形性関節症
  • 筋肉痛
  • 外傷後の腫脹(はれ)・疼痛(痛み)

※ 原因を取り除く薬ではなく、症状を和らげるための対症療法薬です。


有効性|臨床試験データに基づいた評価

変形性関節症への効果

  • 最終全般改善率:約78〜80%
  • 投与期間:2〜4週間
  • 主な副作用:皮膚症状(かゆみ・赤み など)

筋肉痛への効果

  • 最終全般改善率:75〜85%
  • 投与期間:2週間
  • 主な副作用:かゆみ・腹部不快感

外傷後の腫れ・痛みへの効果

  • 最終全般改善率:98%
  • 投与期間:1週間
  • 副作用発生率:約8%(主に皮膚のかゆみ

用法・用量

  • 1日1回、患部に1枚を貼付
  • サイズは2種類:
     ┗ 50mg(7cm×10cm)
     ┗ 100mg(10cm×14cm)
     → 症状や部位により使い分けます。

使用できない方(禁忌)

以下のような方には使用できません:

  • 過去に本剤でアレルギーを起こしたことがある方
  • アスピリン喘息の方、またはその既往歴がある方
  • 傷口、湿疹、粘膜などへの使用は不可

飲み合わせに注意が必要な薬

経皮薬のため内服薬より全身への影響は少ないものの、併用時の注意が必要なケースがあります。

注意が必要な薬の例:

  • 他のNSAIDs(飲み薬や座薬)
  • 抗血小板薬(アスピリンなど)
  • 高血圧治療薬 など

腎機能・出血リスク・血圧コントロールに影響を与える可能性があります。
服薬中の薬がある場合は、必ず主治医または薬剤師にご相談ください。


副作用と発生頻度

よくある副作用(頻度1〜3%未満)

  • そう痒(かゆみ)
  • 紅斑(赤み)
  • 接触性皮膚炎(かぶれ)

その他報告されている副作用

  • 胃の不快感
  • 下痢・腹痛
  • 肝機能の数値上昇(AST、ALT、γ-GTP)

重大な副作用(頻度不明)

  • ショック、アナフィラキシー
     ┗ 血圧低下、蕁麻疹、呼吸困難など

→ これらの症状が出たら、すぐに使用を中止し受診してください。


まとめ

ロキソニンテープは、1日1回貼るだけで痛みや腫れを和らげる使いやすい貼り薬です。
効果も実証されており、整形外科や内科、在宅医療の現場でも広く使われています。

覚えておきたいポイント

  • 局所に効きやすく、内服薬より胃にやさしい
  • 変形性関節症・筋肉痛・外傷後の痛みに有効
  • 皮膚トラブルやアレルギー歴には注意が必要

使用方法や副作用、併用薬など気になる点があれば、自己判断せず医師に相談することが大切です。

参考文献・出典

【添付文書】PMDA医薬品情報検索(https://www.pmda.go.jp/)

【KEGG DRUG】ロキソプロフェンナトリウム水和物 [D01709]

【KEGG DGROUP】NSAIDs分類 [DG01504]

【インタビューフォーム】第一三共株式会社「ロキソニンテープ100mg」

よくある質問(Q&A)

ロキソニンテープの発売年はいつ?

ロキソニンテープ(ロキソプロフェンナトリウム水和物テープ剤)は、2008年3月に日本で製造販売承認を取得しました。
それ以前には、同成分を含むパップ剤(ロキソニンパップ)が2006年1月に承認されています。

ロキソニンテープの薬価と実際の目安価格は?

2024年現在の薬価と自己負担目安は以下の通りです。

製品名規格薬価30日分(1日1枚使用)自己負担(3割負担)
ロキソニンテープ100mg(先発品)100mg17.6円/枚528円約160円
ロキソプロフェンNaテープ100mg「NP」(後発品)100mg17.6円/枚528円約160円

※薬局での取り扱いや在庫により、処方される薬剤は異なる場合があります。

ロキソニンの「ゲル」「パップ」「テープ」——どう選ぶ?

ロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン)の外用薬には、「ゲル」「パップ」「テープ」といった剤形があります。

剤形製品名例投与方法添付文書上の特徴
ゲルロキソニンゲル1%塗る(1日1~4回)・関節・筋肉痛に使用可
・皮膚に直接塗布
・吸収後に活性体に変換される(プロドラッグ)
パップロキソニンパップ100mg貼る(1日1回)・水性基剤で成形されたパップ剤
・皮膚への吸収性・有効性が示されている(第III相試験あり)
テープロキソニンテープ50/100mg貼る(1日1回)・パップと生物学的同等性が確認済み
・密着性が高い構造で開発された

妊娠中にロキソニンテープは使ってもいいの?

当院ではお出しません。

基本的には妊娠中の使用は避けるべきとされています。特に妊娠中期以降では、胎児の動脈管収縮や腎機能障害、羊水過少症のリスクが報告されています。

使用が必要な場合でも、「治療上の有益性が危険性を上回る」と医師が判断したときに限り使用されます。
妊娠の可能性がある場合や妊娠中は、自己判断で使わず、必ず医師にご相談ください。

授乳中にロキソニンテープを使っても大丈夫?

経皮薬であっても、少量が体内に吸収される可能性はありますが、ロキソプロフェンが母乳中に移行する量はごく微量とされ、通常の使用では授乳への影響は少ないと考えられています。

子どもにも使えるの?

ロキソニンテープは、小児を対象とした臨床試験が行われていません。そのため、安全性や有効性が十分に確認されていないことから、一般的には小児への使用は推奨されません