ロキソニンってどんな薬？効果・飲み方・副作用をわかりやすく解説
梅田北オンライン診療クリニックロキソニンってどんな薬？
効果・飲み方・副作用をわかりやすく解説
腰痛で『ロキソプロフェンNa』を処方されました。
NSAIDという種類の解熱、鎮痛剤ですね。市販薬もあり効果も高い薬です。
ロキソニンはオンライン診療でで処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
ロキソプロフェンナトリウム水和物（ロキソニン）とは
ロキソプロフェンナトリウム水和物（以下、ロキソニン）は、第一三共（旧・三共）が開発した**フェニルプロピオン酸系の非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs）**です。
主に以下の3つの作用を持ち、日常的な症状に広く使われています。
- 鎮痛作用
- 抗炎症作用
- 解熱作用
ロキソニンの特徴
消化管への刺激が比較的少ない
ロキソニンは、胃や腸へのダメージ（消化管障害）を抑えることを目的に開発されました。他のNSAIDsに比べて消化管への影響は少ないとされていますが、まったく副作用がないわけではありません。
吸収が速く、効果の発現が早い
服用後すぐに吸収・代謝され、活性代謝物に変換されて鎮痛効果を発揮します。そのため、効果のあらわれが比較的早いのが特徴です。
幅広い症状に対応
以下のような、さまざまな症状・疾患に使用されます。
- 関節リウマチ
- 変形性関節症
- 腰痛症
- 肩関節周囲炎
- 頸肩腕症候群
- 歯痛・抜歯後の痛み
- 急性上気道炎に伴う発熱や痛み
効能・効果
以下の疾患・症状に対する消炎・鎮痛や解熱を目的とした対症療法として使われます。
消炎・鎮痛
- 関節リウマチ
- 変形性関節症
- 腰痛症
- 肩関節周囲炎
- 頸肩腕症候群
- 歯痛
- 手術後、外傷後、抜歯後の鎮痛・消炎
解熱・鎮痛
- 急性上気道炎（急性気管支炎を伴う場合を含む）
※根本的な治療薬ではなく、あくまで症状を抑える目的で使用されます。
有効性（臨床試験データ）
ロキソニンは多くの二重盲検比較試験・一般臨床試験で、効果と安全性が確認されています。
- 関節リウマチ・変形性関節症・腰痛症などにおいて、インドメタシン・ジクロフェナク・イブプロフェンなど他のNSAIDsと同等以上の効果を示す
- 歯痛・抜歯後・手術後の痛みにも高い鎮痛効果
- 急性上気道炎による発熱・痛みにも解熱・鎮痛作用を発揮
※NSAIDs特有の副作用（胃腸障害など）は確認されたものの、対照群との大きな差は少ないと報告されています。
用法・用量（成人の場合）
通常投与（継続服用）
- 1回60mg（ロキソプロフェンナトリウムとして）
- 1日3回服用
- ※空腹時の服用は避ける
頓用（必要に応じて服用）
- 1回60～120mg
- 最大：1日180mgまで
- 急性症状（手術後・外傷後・抜歯後、急性上気道炎）では1日2回まで
※高齢者・体力の低下している方には少量から開始し、症状により調整
使用できない方（禁忌）
以下の方は原則として使用できません：
- 消化性潰瘍のある方
- 重篤な血液の異常のある方
- 重篤な肝機能・腎機能・心機能障害がある方
- 成分に対し過敏症の既往がある方
- アスピリン喘息の方、またはその既往歴がある方
- 妊娠後期の女性
※妊娠中期までの妊婦の方も、医師の判断のもとで慎重投与となります。
飲み合わせに注意が必要な薬
併用に注意が必要な薬は以下の通りです。
| 薬剤名 | 注意点 |
|---|---|
| ワルファリン、第Xa因子阻害剤 | 出血リスク増加 |
| スルホニル尿素系血糖降下剤 | 低血糖リスク |
| ニューキノロン系抗菌薬 | けいれん誘発の可能性 |
| メトトレキサート | 血中濃度上昇、副作用増加 |
| リチウム製剤 | リチウム中毒のリスク |
| 利尿薬・降圧剤（ACE阻害薬、ARBなど） | 降圧効果の減弱、腎機能悪化の恐れ |
※これらの薬を併用する際は医師・薬剤師に相談し、必要に応じて血液検査や経過観察を行いながら使用します。
副作用と発生頻度
比較的よく見られる副作用（軽度〜中等度）
- 胃腸症状（腹痛、吐き気、下痢など）
- 発疹、かゆみ
- めまい、眠気
- むくみ
※多くは軽度ですが、継続してよいかは医師と相談してください。
重篤な副作用（頻度不明ながら注意が必要）
- ショック、アナフィラキシー
- 血液障害（白血球減少、無顆粒球症など）
- 重度の皮膚障害（SJS、TENなど）
- 消化管出血・穿孔
- 劇症肝炎、肝機能障害
- 急性腎障害、ネフローゼ症候群
- 喘息発作
- 無菌性髄膜炎、横紋筋融解症
- 心筋梗塞、脳血管障害
※異常を感じた場合（激しい腹痛、下血、発疹、呼吸困難、急なむくみなど）はすぐに服用を中止して受診してください。
まとめ
ロキソニンはNSAIDsに分類される薬で、鎮痛・抗炎症・解熱に広く使われています。
- 胃腸障害が少ない設計とはいえ、使用時は十分な注意が必要
- 通常は60mgを1日3回、または頓用で使用
- 副作用や薬の飲み合わせには注意し、異常を感じたらすぐに受診
- 自己判断せず、医師の指示に従って適正に使用
生活の質を損なう痛みや発熱を緩和するのに非常に有効な薬です。安全に活用するためにも、医療者と連携して使用しましょう。
参考文献・出典
厚生労働省の「添付文書情報」
PMDA（医薬品医療機器総合機構）の医薬品データベース
KEGG医薬品データベース（https://www.genome.jp/kegg/drug/）
第一三共の医薬品インタビューフォーム
日米の医薬品添付文書比較
医中誌WebやPubMedでの論文検索（例：「Loxoprofen NSAIDs Safety」など）
よくある質問（Q&A）
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ロキソニンは他の痛み止めと比べて何が優れているの？
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ロキソニン（ロキソプロフェン）は、他のNSAIDs（イブプロフェン、ジクロフェナクなど）と比べて、消化管への刺激が少ないことが特徴です。
また、体内ですぐに「活性型」に代謝されるため、効き始めが早いという利点もあります。
臨床試験でも、他のNSAIDsと比べて同等以上の鎮痛効果が報告されています。
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ロキソニンの先発薬っていつ発売されたの？
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ロキソニンの先発薬は、1986年3月に製造販売承認されました。開発元は旧・三共株式会社（現：第一三共）です。
その後も適応症の拡大が続き、2005年には「歯痛」に対しても承認を取得しています。
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ロキソニンを30日分もらったら、いくらくらいかかる？
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ロキソニン錠60mg（先発品）の薬価は10.4円／錠です。
1日3回×30日＝90錠の処方で、薬価合計は936円。
自己負担額は、1割負担の方：およそ100円前後
※別途、調剤料・処方料が加算されます。薬局によって変わります。3割負担の方：およそ280〜300円前後
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妊娠中にロキソニンを飲んでも大丈夫？
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妊娠後期（28週以降）は使用禁止です。
胎児の「動脈管収縮」や「分娩遅延」などのリスクがあるためです。
妊娠中期までの使用も、医師が有益と判断した場合に限り、必要最小限にとどめる必要があります。
服用の際は、羊水量や胎児への影響を慎重に観察する必要があります。
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授乳中にロキソニンを飲んでも大丈夫？
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ロキソニンは動物実験で乳汁中への移行が確認されていますが、ヒトでの移行量は非常に少なく、影響は少ないとされています。
そのため、授乳中でも医師の判断のもとで使用可能です。
心配な方は、授乳後に服用し、次の授乳まで数時間あけるなどの工夫をすると安心です。
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ロキソニンは何時間おきに飲めばいいの？
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通常は**1回60mgを8時間おき（1日3回）**に服用します。
頓用の場合でも、最低6時間は間隔をあけるのが安全です。
ただし、1日最大180mgを超えないようにしてください。
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市販のロキソニンと病院のロキソニンはどう違うの？
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成分は同じ「ロキソプロフェン」ですが、市販品（ロキソニンSなど）は第1類医薬品で、薬剤師の説明を受けて購入する必要があります。
処方薬のほうが医師の診断を受けたうえで、より安全に使用できます。また、保険が適用されるため、自己負担額も少なく済みます。
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子どもにロキソニンは使える？
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ロキソニンは小児に対して臨床試験が行われていないため、基本的には使用されません。
小児用には別の解熱鎮痛薬（アセトアミノフェンなど）が一般的に使われます。
やむを得ず使用する場合は、医師が必要と判断し、体重に応じた厳密な量で処方されます。
