【断酒サポート】レグテクトとは?飲み方・効果・副作用をわかりやすく解説
【断酒サポート】レグテクトとは?
飲み方・効果・副作用をわかりやすく解説

断酒薬で『レグテクト』をに興味があります。

お酒を辞めたい方に処方する薬ですね。
同時に心理サポートもうける必要があります。
レグテクトをご希望の方は専門病院をご紹介します。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
レグテクト錠とは
レグテクト錠(一般名:アカンプロサートカルシウム 333mg)は、断酒の意思を持つアルコール依存症患者さんが「飲まない生活」を続けるための補助薬です。
脳内で高ぶった興奮性神経(グルタミン酸系)を穏やかにし、飲酒欲求を抑える作用が期待されています。
レグテクト錠の特徴
- 中枢神経系に作用し、グルタミン酸作動性神経の過活動を抑制
- 断酒の維持をサポート(離脱症状の治療薬ではない)
- 腸溶性フィルムコーティング錠:胃を通過し小腸で溶ける設計
- 国内外で有効性を確認済み
効能・効果
- アルコール依存症における断酒維持の補助
- 診断基準を満たしたアルコール依存症
- 断酒の意志があること
- 心理社会的治療(カウンセリング等)と併用すること
有効性(臨床試験結果)
国内第Ⅲ相試験(プラセボ対照・二重盲検)
- 対象:アルコール依存症患者327例
- 期間:24週間投与+24週間追跡
- 結果:
- レグテクト群:完全断酒率 47.2%
- プラセボ群:完全断酒率 36.0%
- 差:+11.3%(p=0.0388)
その他、欧米での試験でもプラセボに対する優越性が確認されています。
用法・用量
- 通常量:アカンプロサートカルシウムとして666mg(333mg錠×2錠)
- 服用回数:1日3回、毎食後
- 投与期間:原則24週間
※効果を見ながら延長可能
服用時の注意
- 必ず食後に服用(食事が吸収に影響)
- かまずにそのまま服用(腸溶錠のため)
使用できない方(禁忌)
- 本剤の成分に対して過敏症の既往がある方
- 重度の腎機能障害がある方(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)
飲み合わせに注意が必要な薬
- 重大な薬物相互作用は基本的に少ない
- 腎機能に影響する薬(例:利尿薬、NSAIDsなど)と併用する際は慎重に
- 抗うつ薬・抗不安薬と併用時は眠気の増強に注意
副作用と発生頻度
主な副作用
頻度 | 症状 |
---|---|
5%以上 | 下痢(14.1%) |
1〜5%未満 | 傾眠、腹部膨満、嘔吐 |
1%未満 | 便秘、悪心、皮疹、浮腫など |
重大な副作用(頻度不明)
- アナフィラキシー:発疹、喉の締めつけ感、呼吸困難など
- 血管浮腫:舌や顔の腫れ、呼吸困難
対処のポイント
- 軽い下痢:数日で治まることが多いが、続く場合は受診。
- 発疹・むくみ:早期に医療機関へ相談。
まとめ
レグテクト錠は、断酒を続けるための心強い味方です。
心理社会的治療と組み合わせることで、再飲酒リスクを低減し、安定した断酒生活の維持に貢献します。
✅ 1日3回、毎食後に服用
✅ 主な副作用は下痢
✅ 使用は必ず「断酒の意志」がある方のみ
薬だけに頼らず、家族・支援者との連携やカウンセリングも併用しながら、回復への道を一歩ずつ進んでいきましょう。
参考文献・出典
日本新薬「レグテクト添付文書」(最新版)
医薬品医療機器総合機構(PMDA)医薬品情報
KEGG DRUGデータベース:D02780(アカンプロサートカルシウム)
欧州医薬品庁(EMA)Campral関連資料(欧州承認名)
よくある質問(Q&A)
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レグテクトは他の同じ系統の薬と比べてどんな強みがありますか?
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レグテクト(アカンプロサートカルシウム)は、アルコール依存症の「断酒の維持」を目的とした世界初の薬です。
グルタミン酸神経系の過活動を抑える独自の作用があり、飲酒欲求そのものを穏やかにする効果が期待できます。
他の薬(例:離脱症状を抑えるジアゼパムなど)とは異なり、長期的な断酒サポートを目的としています。
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レグテクトの発売年はいつですか?
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日本では2013年3月に承認され、販売が開始されました。
海外ではフランスで1987年に最初に承認され、その後アメリカでも2004年に承認されています。
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レグテクトを30日分処方された場合の薬価と自己負担額は?
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- レグテクト錠333mgは、1錠34.2円です。
- 通常、**1日3回、各2錠ずつ(6錠/日)**服用します。
→ 6錠 × 30日 = 180錠 - 180錠 × 34.2円 = 6,156円(薬価ベース)
【自己負担額の目安】
- 3割負担なら 約1,850円
- 1割負担(高齢者など)なら 約620円
※診察料・調剤料は別途かかります。
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妊娠中にレグテクトは使えますか?
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当院ではお出しません。
妊娠中は、原則使用を控えることが推奨されています。
どうしても使用が必要な場合は、治療上の有益性がリスクを上回ると判断される場合のみ、慎重に使用されます。
動物実験(ラット)では、胎児への影響に関する明確なリスクは確認されていませんが、ヒトでの安全性は確立されていません。
