センノシド(アローゼン顆粒)の便秘への効き目と注意点をわかりやすく解説

センノシド(アローゼン顆粒)の
便秘への効き目と
注意点をわかりやすく解説

便秘で『アローゼン顆粒』を処方されました。

古くからある便秘の細粒薬ですね、就寝時に飲んで朝に効きます。

アローゼン顆粒は当院で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

センノシド(アローゼン顆粒)とは

センノシドは、便秘を改善する刺激性下剤(大腸刺激性下剤)です。
有効成分は「センナ」に由来し、古くから使われている植物由来の成分で、日本では「アローゼン顆粒(サンファーマ社)」として知られています。

センナは9世紀頃からヨーロッパで使用され、医療だけでなく民間薬としても用いられてきた歴史があります。

アローゼン顆粒は、センナの葉と実を1.5対1で配合し、さらに味を調える矯味剤としてミレフォリウム草・オノニス根・タラクサシ根草のエキスも含んでいます。


センノシド(アローゼン顆粒)の特徴

  • 長い使用実績
     センナは古くから利用されており、有効性と安全性の両面で多くの臨床経験があります。
  • 独自の処方
     センナの葉と実を独自比率で配合し、矯味剤を加えることで、苦みを抑えて服用しやすくしています。
  • ブランド名の変更
     旧名称「アローゼン」から、医療事故防止の観点で2009年より「アローゼン顆粒」に改称されました。

効能・効果

  • 便秘(ただし、痙攣性便秘は除く)
  • 駆虫薬投与後の下剤

有効性(有効性試験等)

国内二重盲検試験(センノシド錠)

  • 投与期間:7日間(就寝前)
  • 有効率
    • センノシド群:75.9%(22/29例)
    • プラセボ群:36.4%(12/33例)
  • 副作用発現率
    • センノシド群:27.6%
    • プラセボ群:9.1%
  • 主な副作用:排便回数増加、腹痛、下痢(いずれも主作用に基づく)

一般臨床試験(顆粒剤)

  • 対象:排便が3日以上ない患者177例
  • 投与期間:1〜14日間
  • 有効率:84.7%(150/177例)
  • 副作用発現率:20.9%(37例)
  • 主な副作用
    • 腹痛(14.1%)
    • 腹鳴(5.1%)
    • 下痢(3.4%)
    • 軟便(2.3%)
    • 不快感(1.1%)

用法・用量

  • 通常の成人量:1回0.5〜1.0gを1日1〜2回服用
  • 服用タイミング:多くは就寝前の服用が推奨されます
  • 調整:年齢・症状に応じて医師が増減します

※ 長期間の連用で「耐性」がつきやすくなるため、医師の指示に従いましょう。


使用できない方(禁忌)

以下の方には処方されません

  • 本剤またはセンノシド製剤にアレルギー歴のある方
  • 急性腹症が疑われる方、痙攣性便秘の方
     → 蠕動が過剰に亢進し、腹痛悪化の可能性
  • 重症の硬結便がある方
     → 経口下剤では対応困難で、腹痛を悪化させる恐れ
  • 電解質失調(特に低カリウム血症)のある方
     → 下痢による悪化の懸念があるため

飲み合わせに注意が必要な薬

特に注意が必要なのは、以下のような薬との併用時です:

  • 利尿薬、ステロイド系抗炎症薬
     → カリウムが失われやすくなり、低カリウム血症を起こしやすくなります

対策:服用中の薬がある方は、必ず医師・薬剤師に相談してください。


副作用と発生頻度

よくみられる副作用

  • 腹痛(5%以上)
  • 腹鳴、悪心・嘔吐(0.1〜5%未満)
  • 下痢・軟便など

まれな副作用

  • 発疹(過敏症)
  • 肝機能検査値の上昇(AST、ALT、γ-GTP、ビリルビン)
  • 低カリウム血症

その他

  • 尿が黄褐色〜赤色になることがありますが、これは成分の代謝によるもので心配は不要です。

まとめ

センノシド(アローゼン顆粒)は、歴史ある植物性の刺激性下剤で、便秘に対して高い有効性と実績がある薬です。
しかし、長期連用による効きづらさや依存傾向には注意が必要です。

使用にあたってのポイント

排便習慣が乱れている方は、まず食事・運動・水分摂取の見直しも大切です薬との関係も考慮し、安全に使用しましょう。

妊娠中・授乳中・高齢者は慎重に使用する必要があります

他の薬との併用や持病がある場合は、必ず医師に相談

参考文献・出典

PMDA(医薬品医療機器総合機構) 添付文書
PMDA添付文書検索

KEGG DRUG・JAPIC(医薬品情報センター)
→ KEGG: D02171 / DG01770(センノシド)

インタビューフォーム(製薬会社提供)
→ 医師や薬剤師向けに詳細な情報がまとめられています

よくある質問(Q&A)

アローゼン(センノシド顆粒)は、他の便秘薬と比べてどんな強みがありますか?

アローゼン(センノシド)は、古くから使われているセンナ由来の薬で、効果が安定しており、便秘が続くときにしっかり出したい人向けの薬です。

便秘の原因や体質によっては、酸化マグネシウムのような“浸透圧型”より、アローゼンのような“刺激性下剤”が合う場合もあります。

アローゼン(センノシド顆粒)はいつから使われている薬ですか?

アローゼン顆粒は、1967年(昭和42年)に日本で発売されました。
もともとはドイツの製薬会社が開発した顆粒製剤で、日本ではサンファーマ社が製造販売を行っています。

アローゼン顆粒の1か月あたりの薬価や実際の負担額はいくらですか?

薬価(公定価格)は6.7円/gです。

【例】1回1g×1日1回(30日間)使った場合

  • 合計使用量:30g
  • 薬価:6.7円 × 30g = 201円
  • 自己負担額(3割負担の場合):約60円前後

※処方料・調剤料などは別途かかります。

妊娠中にアローゼン(センノシド)は飲んでも大丈夫ですか?

✅ 使用は慎重に判断される薬です

添付文書では「妊婦または妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回るときのみ使用する」と記載されています。

理由:

  • 腸の動きが強まることで、子宮収縮を誘発するリスクがあるため
  • 特に大量服用は流早産のリスクがあるとされています

医師の判断が必要:

  • 一時的な便秘で、他の方法で解消しにくいときに、医師の指導のもと使用するケースがあります
  • 自己判断での服用は避けましょう

授乳中にアローゼンは使えますか?母乳への影響は?

使用は可能ですが、医師に相談のうえで判断を。

✅ 授乳中は慎重な判断が必要です

添付文書では「授乳の継続または中止を検討すること」とされています。

子どもにもアローゼン顆粒は使えますか?

基本的には医師の判断により処方される薬です。

添付文書に明確な年齢制限の記載はありませんが、小児の場合は体格や体内の水分バランスの影響を受けやすいため、慎重な量の調整が必要です。