下痢や便秘にビオフェルミン?整腸剤の特徴について
下痢や便秘にビオフェルミン?
整腸剤の特徴について

下痢のお薬で『ビオフェルミン錠剤』を飲んでいます。

下痢にも便秘にも処方される整腸剤ですね。
ビオフェルミンは当院で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
ビフィズス菌(ビオフェルミン)とは
ビフィズス菌(ビオフェルミン)は、腸内環境を整える整腸剤です。
有効成分「Bifidobacterium bifidum G9-1」が腸内で増殖し、乳酸や酢酸を産生することで、腸内菌叢(ちょうないきんそう)のバランスを整えます。
製品ラインナップと歴史
- 2003年3月: 「ビオフェルミン錠剤」として承認
- 2018年: 錠剤が小型化&乳糖フリー処方に変更
- 2022年8月: 同じ有効成分を用いた**「ビオフェルミン散剤」**(粉薬)が登場
錠剤と散剤の2タイプがあり、ライフスタイルや服薬のしやすさに合わせて選べるのが魅力です。
特徴
✅ 高い腸内定着性
腸内でしっかりと定着するビフィズス菌を配合。乱れた腸内バランスを整える働きがあります。
✅ 錠剤と散剤、選べる2つのタイプ
- 錠剤: 飲みやすくて携帯しやすい。外出先でも便利
- 散剤: 小児や高齢者など、錠剤の服用が難しい方におすすめ
✅ 乳糖フリー処方で安心
乳糖不耐症の方でも使用しやすいように、乳糖を含まない処方が採用されています(錠剤・散剤ともに対応)。
✅ 下痢・便秘どちらにも効果がある
ラットを使った実験でも、下痢モデル・便秘モデル両方に改善傾向が見られ、整腸作用が確認されています。
効能・効果
- 腸内菌叢の異常による諸症状の改善
(例:下痢、便秘、軟便、腹部のはり など)
用法・用量
- 通常、成人には1日3〜6錠を3回に分けて経口投与
- 散剤の場合も、1日3回服用が基本
- 年齢や症状に応じて、医師の指示に従って調整されます
🔔 服用時の注意点
- 錠剤の場合:
PTPシートから必ず取り出して服用してください(誤飲による事故防止) - 散剤の場合:
湿気を避けて保存。小分けにする場合は気密性の高い容器で管理を - 共通:
生きた菌を含む製剤のため、湿気・衝撃に弱く、保存管理に注意が必要です
使用できない方(禁忌)
明確な「絶対禁忌」は添付文書に記載されていません
飲み合わせに注意が必要な薬
- 特に併用禁忌薬の記載はなし
- ただし、抗生物質(抗菌薬)と一緒に使うと効果が弱まる可能性があるため、使用中の薬がある方は医師・薬剤師にご相談を
副作用と発生頻度
副作用は非常にまれとされていますが、過去に以下のような症状が報告されています。
- 皮膚症状: 発疹、かゆみ
- 消化器症状: 腹部膨満感、違和感
まとめ
ビオフェルミンは、腸内で定着して整腸作用を発揮するビフィズス菌を含んだ医薬品です。
錠剤・散剤の2タイプから選べるうえ、乳糖フリー処方でより多くの方に配慮されています。
- 下痢にも便秘にも対応
- 子どもから大人まで使いやすい
- 副作用はまれで、安全性が高いとされている
腸内環境のケアは、食生活やストレス管理と一緒に行うことで効果が高まります。
ビオフェルミンを上手に取り入れて、健やかな腸活を目指しましょう。
参考文献
- 添付文書(2023年10月改訂 第2版)
- インタビューフォーム(ビオフェルミン製薬)
よくある質問(Q&A)
-
他の整腸剤と比べて、ビオフェルミンの強みって何ですか?
-
ビオフェルミンは、有効成分に腸内での定着性が高い**ビフィズス菌(Bifidobacterium bifidum G9-1)**を使用しているのが最大の特徴です。
また、乳酸と酢酸を産生することで腸内環境を整え、下痢にも便秘にも対応できる点が評価されています。さらに、他の製品では粉薬(散剤)が主流だった中、飲みやすい錠剤タイプとして開発され、乳糖フリーである点も、乳糖不耐症の方には大きな利点です。
-
ビオフェルミンはいつ発売された薬ですか?
-
錠剤タイプのビオフェルミンは2003年3月に承認され、
その後2018年に乳糖フリー処方に変更、
**2022年には散剤タイプ(粉薬)**も新たに承認されています。
-
ビオフェルミンを1か月(30日)分もらった場合の薬価や自己負担額は?
-
薬価は1錠あたり5.9円です。
仮に1日6錠(最大量)×30日 = 180錠とすると、薬価は**1,062円(180錠×5.9円)**になります。自己負担額(3割負担)の目安は:
- 約320円前後/月(180錠処方時)
※用量が少ない場合や、処方日数が短ければこの金額よりも安くなります。
-
妊娠中でもビオフェルミンを使って大丈夫ですか?
-
ビオフェルミンは生きたビフィズス菌を含む整腸剤であり、
妊娠中の使用に関する重大なリスクは報告されていません。
-
授乳中でもビオフェルミンは飲めますか?
-
授乳中の使用も基本的に問題ありません。
成分の母乳への移行に関するリスクは非常に低く、安全性が高いとされています。
-
子どもにも使えますか?注意点はありますか?
-
子どもにも処方されることのある整腸剤です。
ただし、小さな子どもには錠剤をそのまま飲むのが難しいことがあります。その場合は、散剤タイプ(粉薬)を選ぶことも可能です。年齢や症状に応じて、医師の判断で用量が調整されます。
