高血圧治療薬オルメサルタン(オルメテックOD)

高血圧治療薬
オルメサルタン(オルメテックOD錠)

医師監修:原 達彦(梅田北オンライン診療クリニック 院長)

血圧の薬で『オルメサルタン(オルメテックOD錠)』を飲んでいます。

比較的降圧効果が高く、OD錠(口腔内崩壊錠)で飲みやすいのが特徴です。

オルメテックは当院でもオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的な参考資料を基に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

この記事でわかること

  • オルメサルタン(オルメテックOD)はどんな薬?(ARB系の中で降圧効果が強い部類)
  • 飲み方は?(成人1日1回10〜20mg、最大40mg)
  • 主な副作用は?(めまい・むくみ・カリウム上昇、まれに血管浮腫)
  • 薬代は?(OD錠20mgで3割負担月約340円)
  • OD錠の強み(水なしでも飲める/嚥下障害・災害時に便利)
  • ACE阻害薬と違い空咳がほぼ出ない

降圧薬クラス総整理

クラス代表薬特徴ファースト向き
カルシウム拮抗薬アムロジピン・ニフェジピン・アゼルニジピン・シルニジピン強力・単剤で下がる・下腿浮腫若い方から高齢者まで
ARBロサルタン・バルサルタン・カンデサルタン・オルメサルタン・テルミサルタン空咳なし・腎保護糖尿病・慢性腎臓病合併
ACE阻害薬エナラプリル・イミダプリル・ペリンドプリル腎保護・心不全に強い・空咳10-20%心不全既往
利尿薬(サイアザイド)ヒドロクロロチアジド等安価・体液貯留塩分感受性・体液過剰型
β遮断薬ビソプロロール・カルベジロール狭心症・心不全合併頻脈・虚血性心疾患

本記事の オルメサルタン(オルメテックOD)ARB に属します。AT1受容体拮抗、日本で頻用のARB。稀な副作用として慢性下痢に注意。

オルメサルタン(オルメテックOD)のここが特徴

オルメサルタンは2004年に日本で発売——ARBの中でも降圧作用がやや強力とされ日本で頻用。OD錠は口腔内崩壊錠で水なしで飲めるので服薬しやすい。スプルー様腸症(慢性の下痢・体重減少)という稀な副作用が2013年にFDAから警告として指摘された点は要注意。

目標血圧の目安

状況家庭血圧診察室
75歳未満・合併症なし<125/75<130/80
糖尿病・慢性腎臓病・心血管既往<125/75<130/80
75歳以上<135/85(フレイル状況で個別)<140/90

詳しくは血圧目標の記事を参照。

当院の方針

  • オルメサルタン(オルメテックOD)等の降圧薬継続処方に対応
  • 初診の方はまず近隣内科で診断と初期治療後に当院で継続を(オンライン診療の限界)
  • 家庭血圧手帳・スマホ記録を毎回ご持参ください
  • 妊娠計画・妊娠中はARB・ACE阻害薬が禁忌のため、産科と相談の上でメチルドパ・ラベタロール・ニフェジピンへ切り替え
  • グレープフルーツ・一部の薬との飲み合わせに注意(CYP3A4記事
  • 75歳以上・フレイルの方には目標を緩めに調整

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オルメサルタン(オルメテック)とは

オルメサルタン(一般名:オルメサルタン メドキソミル)は、「ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)」に分類される高血圧治療薬です。

血圧を上げる原因物質「アンジオテンシンII」の働きを抑えることで、血管を広げて血圧を下げ、1日中安定した降圧効果が得られます。

国内では第一三共が製造・販売し、「オルメテック®」という商品名で流通しています。水なしで服用できるOD錠(口腔内崩壊錠)の剤形もあり、使いやすさにも配慮された薬です。


オルメサルタンの特徴

強力なAT1受容体ブロッカー

アンジオテンシンIIが血管を収縮させる「AT1受容体」に結合するのをブロックし、血圧を下げます。

1日1回で効果が持続

24時間しっかり効くため、服用の回数が少なくて済み、飲み忘れのリスクも軽減されます。

食事の影響が少ない

食前・食後など、服用のタイミングに関係なく効果が期待できるため、服薬の自由度が高いです。

OD錠が選べる

水なしで服用できる口腔内崩壊錠(OD錠)もあり、錠剤が飲みにくい方や高齢者にも適しています。OD錠は口の中の唾液で素早く崩壊するタイプで、水ありでも水なしでも服用可能です。

OD錠の活用シーン:

  • 錠剤が飲み込みづらい嚥下障害・口腔機能低下のある方
  • 高齢者(寝たきり・夜間の服薬など水を用意しづらいとき)
  • 外出先や災害時に水なしで服用したいとき
  • 普通の錠剤と同じく水で飲んでも問題なし

ARB7種類の中での位置づけ

ARBは7種類が日本で使われています。オルメサルタンは「降圧効果が強い部類」に位置づけられます。

ARB 降圧効果 特徴
アジルサルタン(アジルバ) 強い 結合力が強く解離しにくい
オルメサルタン(オルメテック) 強い 長時間作用/OD錠あり
テルミサルタン(ミカルディス) 強い 半減期が長い/糖代謝改善作用
イルベサルタン(アバプロ) 中〜強 糖尿病腎症のエビデンス
カンデサルタン(ブロプレス) 心不全での実績豊富
バルサルタン(ディオバン) 心血管試験データ多い
ロサルタン(ニューロタン) 標準 世界初のARB/尿酸を下げる

強さは目安で、患者さんによって効き方の差があります。ARB7種類比較記事もあわせてご覧ください。

効能・効果

  • 高血圧症

血圧をコントロールすることで、脳卒中、心臓病、腎臓病などの合併症リスクを軽減する目的で使用されます。

ACE阻害薬と違い空咳がほぼ出ない

同じく降圧薬として使われるACE阻害薬(レニベース等)は副作用に「空咳(からせき)」が出ることがあります(数%〜30%とも報告)。ARBであるオルメサルタンは、作用部位が違うため空咳がほぼ出ないのが大きなメリットです。ACE阻害薬で空咳が辛かった方の切り替え先としてよく選ばれます。


★ オンライン診療で受診できます
オルメテックが自分に合うかどうかや、ジェネリック・OD錠での継続可否などは、家庭血圧と検査値を見ながら判断します。当院ではオンラインで血圧手帳の共有から処方まで完結できます。

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用法・用量

通常の服用量

  • 成人:1日1回 10〜20mg(経口投与)

初回の目安

  • 多くの場合:5〜10mgから開始

最大用量

  • 1日40mgまで

※食事の影響はほとんどありません。OD錠は、水があってもなくても服用可能です。決められた時間に1日1回、医師の指示に従って服用してください。


使用できない方(禁忌)

以下のような方は使用できません:

  • 本剤の成分にアレルギーがある方
  • 妊娠中または妊娠の可能性がある方
     → 胎児への影響があるため禁忌です。
  • アリスキレンを服用中の糖尿病患者
     → 腎障害などのリスクが高くなるため、原則併用禁止です。

※妊娠がわかった場合は、すぐに医師へ相談してください。


併用に注意が必要な薬

オルメサルタンと一緒に使うと注意が必要な薬があります。服用中の薬がある方は、必ず医師・薬剤師に伝えてください。

薬の種類 併用時の注意点
カリウム保持性利尿薬・カリウム製剤(スピロノラクトンなど) 高カリウム血症のリスク
利尿降圧剤(フロセミドなど) 急激な血圧低下の可能性
リチウム製剤 リチウム中毒のリスク上昇
アリスキレン・ACE阻害薬 腎障害・高カリウム血症・低血圧のリスク
NSAIDs(ロキソニンなど) 降圧効果が弱まり、腎機能が悪化するおそれ

主な副作用と重篤な副作用

比較的よくある副作用(発生率 1〜5%)

  • めまい、立ちくらみ
  • むくみ
  • 血液検査値の変化(赤血球・ヘモグロビンなどの減少)

まれだが注意が必要な副作用(頻度不明)

  • 腎不全、高カリウム血症
  • 血管浮腫(顔・唇・舌の腫れ)
  • ショック、意識障害
  • 肝機能障害、黄疸
  • 血小板減少、低血糖、横紋筋融解症
  • アナフィラキシー(全身の発疹や血圧低下)
  • 重度の下痢(長期服用で体重減少を伴うことも)
  • 間質性肺炎(発熱、咳、呼吸困難など)

※気になる症状があれば、すぐに服用を中止して医師に相談してください。

高カリウム血症に注意 — 食事・サプリのポイント

ARBは腎臓でのカリウム排泄を抑える方向に働くため、長期内服で血中カリウムが上がることがあります。特に以下に注意:

  • カリウムを多く含む食品(バナナ、アボカド、トマト、ほうれん草、メロン、青汁、ココナッツウォーターなど)の過剰摂取を避ける
  • カリウム保持性利尿薬(スピロノラクトン等)やカリウム製剤・サプリメントとの併用は要相談
  • NSAIDs(ロキソニン、ボルタレン等)の長期併用も腎機能とKを悪化させやすい
  • 定期的に血液検査でKとクレアチニンをチェック

合剤への切り替えという選択肢

オルメテック単剤で十分に血圧が下がらない場合、Ca拮抗薬(アムロジピン等)と組み合わせる方法が一般的です。オルメサルタンとアゼルニジピンの合剤「レザルタス」や、同様のARB+Ca拮抗薬の合剤(ザクラス等)もあり、1錠で2成分になるため錠数が減って飲み忘れが減るメリットがあります。すでに2錠を併用している方は、合剤への切り替えを主治医に相談してみる価値があります。

まとめ

オルメサルタン(オルメテック)は、高血圧症の治療に広く使われているARBの一つです。

  • 1日1回の服用でしっかり効く
  • 食事の影響が少なく、飲み忘れを防げる
  • OD錠で服用しやすい

このように、効果と使いやすさを兼ね備えた降圧薬として、多くの患者さんに処方されています。

押さえておきたいポイント:

  • ARBの中でも降圧効果が強い部類
  • 1日1回・24時間持続で飲み忘れが少ない
  • OD錠ありで嚥下障害・高齢者・災害時にも対応
  • 空咳がほぼ出ない(ACE阻害薬で空咳が辛い方の選択肢)
  • 食事の影響を受けにくく服用タイミングが柔軟
  • 妊娠中は禁忌・高カリウム血症と腎機能に注意
  • 単剤で不足なら合剤(レザルタス・ザクラス等)への切り替えも選択肢

参考情報・出典

よくある質問(Q&A)

オルメテック(オルメサルタン)はいつ発売されたの?

日本で初めて「オルメテック錠10mg・20mg」が2004年1月29日に製造承認されました。その後、5mg(2006年)と40mg(2009年)が追加され、さらにOD錠(口腔内崩壊錠)は2015年~2017年にかけて承認されています。
※一部の規格は現在販売中止となっています。

オルメテックを1か月(30日)処方された場合の薬価と自己負担額の目安は?

以下はオルメテックOD錠の1錠あたり薬価(2025年時点/直近の改定は薬価サーチ等でご確認ください)と、1日1回服用 × 30日で計算したおおよその薬剤費(3割負担の場合)です。

規格 薬価(1錠) 30日分薬価 自己負担(3割)
5mg 15.6円 468円 約140円
10mg 21.0円 630円 約190円
20mg 37.4円 1,122円 約340円
40mg 53.4円 1,602円 約480円

※実際の負担額は調剤料や処方料などが加わるため、上記は参考値です。

オルメテックは妊婦に使える?胎児への影響は?

妊婦または妊娠している可能性のある女性には使用できません(禁忌)
妊娠中にARBを使用した場合、胎児の腎不全・頭蓋形成異常・羊水過少症・死亡など重篤な影響が報告されています。
治療上やむを得ない場合以外は、他の安全な降圧薬に切り替える必要があります。服薬中に妊娠が判明した場合は、直ちに中止し医師に相談してください。

小児に使うことはできる?

現在、日本国内ではオルメサルタンの小児への使用は承認されていません
小児を対象とした十分な臨床試験が行われておらず、有効性・安全性が確立していないためです。小児の高血圧治療には、他の小児適応のある降圧薬が使用されます。

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この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)を修了し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/公衆衛生修士(MPH)/産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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