高血圧治療薬「ニフェジピン(アダラートCR錠)」

高血圧治療薬「ニフェジピン(アダラートCR錠)」

医師監修:原 達彦(梅田北オンライン診療クリニック 院長)

血圧の薬でアダラートCR錠(ニフェジピン)を飲んでいます。

古くからある血圧の薬で内服されている方も多い薬ですね。

ニフェジピンは当院でもオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的な参考資料を基にくすりの特徴をわかりやすくお伝えします。

この記事でわかること

  • アダラートCR錠(ニフェジピン)はどんな薬?(血管を広げて血圧を下げる徐放性Ca拮抗薬)
  • 飲み方は?(1日1回20mgから、噛まずに・割らずに丸ごと服用)
  • 主な副作用は?(頭痛・ほてり・むくみ・歯肉肥厚)
  • 薬代は?(先発品で3割負担月約140円、ジェネリックで月約90円程度)
  • グレープフルーツは避ける(血中濃度が上がるため)

降圧薬クラス総整理

クラス代表薬特徴ファースト向き
カルシウム拮抗薬アムロジピン・ニフェジピン・アゼルニジピン・シルニジピン強力・単剤で下がる・下腿浮腫若い方から高齢者まで
ARBロサルタン・バルサルタン・カンデサルタン・オルメサルタン・テルミサルタン空咳なし・腎保護糖尿病・慢性腎臓病合併
ACE阻害薬エナラプリル・イミダプリル・ペリンドプリル腎保護・心不全に強い・空咳10-20%心不全既往
利尿薬(サイアザイド)ヒドロクロロチアジド等安価・体液貯留塩分感受性・体液過剰型
β遮断薬ビソプロロール・カルベジロール狭心症・心不全合併頻脈・虚血性心疾患

本記事の ニフェジピン(アダラートCR)カルシウム拮抗薬(ジヒドロピリジン系) に属します。血管平滑筋のカルシウムチャネル阻害でアムロジピンより強い立ち上がり、下腿浮腫・頭痛は同等〜やや強め。

ニフェジピン(アダラートCR)のここが特徴

ニフェジピンは1975年に世界で最初に発売されたカルシウム拮抗薬——「短時間しか効かない」初期製剤は反射で脈が速くなる問題がありましたが、日本で改良されたCR錠(1日1回でじわっと効くタイプ)で24時間安定した降圧が実現。心臓病予防の大規模研究も豊富で今も現役です。

目標血圧の目安

状況家庭血圧診察室
75歳未満・合併症なし<125/75<130/80
糖尿病・慢性腎臓病・心血管既往<125/75<130/80
75歳以上<135/85(フレイル状況で個別)<140/90

詳しくは血圧目標の記事を参照。

当院の方針

  • ニフェジピン(アダラートCR)等の降圧薬継続処方に対応
  • 初診の方はまず近隣内科で診断と初期治療後に当院で継続を(オンライン診療の限界)
  • 家庭血圧手帳・スマホ記録を毎回ご持参ください
  • 妊娠計画・妊娠中はARB・ACE阻害薬が禁忌のため、産科と相談の上でメチルドパ・ラベタロール・ニフェジピンへ切り替え
  • グレープフルーツ・一部の薬との飲み合わせに注意(CYP3A4記事
  • 75歳以上・フレイルの方には目標を緩めに調整

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1. アダラートCR錠とは?

アダラートCR錠は、一般名「ニフェジピン」に分類されるカルシウム拮抗薬(Ca拮抗薬)の一種です。主に高血圧(本態性高血圧)や狭心症の治療に使用されます。

  • CR錠とは「Controlled Release」の略称で、徐放性製剤を意味します。通常の錠剤よりもゆっくりと有効成分が放出されるため、1日に1回などの服用回数を少なく抑えられる特徴があります。

高血圧に対しての役割

高血圧は、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中などのリスクを高める要因です。アダラートCR錠は血圧をコントロールし、これらのリスクを低減することが期待されます。


2. アダラートCR錠の作用機序

アダラートCR錠に含まれるニフェジピンは、血管平滑筋のカルシウムチャネルをブロックすることで血管を拡張させ、血圧を下げます。

  • 血圧が高い状態:血管が収縮し、血流に対して抵抗が大きくなる
  • ニフェジピンの作用:カルシウムイオンの流入を抑え、血管平滑筋の収縮を抑制 → 血管が広がる → 血圧が下がる

これによって、心臓の負担が軽減され、狭心症などの症状を改善する効果も期待されます。


★ オンライン診療で受診できます
長く飲んでいる血圧の薬を続けるか見直すか、迷っている方も、オンラインで血圧手帳の共有から処方まで完結できます。家庭血圧の経過を見ながらの調整も可能です。

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3. 用法・用量と服用上の注意

一般的な用法・用量

  • 高血圧で成人の場合
    通常は1日1回 20mg(アダラートCR錠20mg)から開始し、患者さんの状態によって医師が増減します。最大で1日2回80mgまで増量されることもあります。
    ※用量は年齢・症状・他の併用薬などにより変わるため、必ず処方医の指示に従ってください
  • 服用タイミング
    1日1回の服用が多いですが、食後など服用するタイミングを指定される場合があります。担当医や薬剤師の説明に従って飲みましょう。

服用時の注意点

  1. 錠剤は噛まずに飲む
    アダラートCR錠は徐放性製剤のため、噛んだり割ったりすると有効成分が一気に放出される可能性があり、血圧が急激に下がるなどのリスクがあります。

    具体的には、錠剤を割る・砕く・噛む・ピルカッターで分割するといった操作はすべて避けてください。粉砕投与にも適していません。飲み込みづらい場合は主治医に相談し、別の剤形(例:1日3回タイプのアダラートカプセル)への変更を検討します。
  2. 急に中止しない
    血圧が安定してきたとしても、医師の許可なく勝手に服用をやめると、血圧が再び上昇してしまうおそれがあります。必ず医師の指示に従ってください。
  3. グレープフルーツジュースとの併用は避ける
    一般的にカルシウム拮抗薬はグレープフルーツジュースによって血中濃度が上昇する可能性が指摘されています。これにより、血圧低下が強く出る場合がありますので、控えたほうが良いとされています。
  4. 妊娠中・授乳中の方は必ず申告を
    妊娠中や授乳中の使用については慎重に判断されるため、服用前に必ず主治医や薬剤師にご相談ください。

4. 主な副作用と発生頻度

アダラートCR錠は高血圧治療薬として多くの患者さんに処方されていますが、以下のような副作用が報告されています。いずれも発生頻度は比較的低いとされますが、症状が気になる場合は医師に相談しましょう。

  1. 頭痛・めまい
    血管拡張作用によって一時的に頭痛やめまいが起こる場合があります。
    • 発生頻度目安:数%程度と報告されたデータもあります。
  2. 動悸・ほてり(顔面紅潮)
    血圧が下がる過程で心拍数が上がったり、顔がほてったりすることがあります。
  3. 歯肉肥厚(歯ぐきが腫れて盛り上がる)
    カルシウム拮抗薬特有の副作用として歯肉肥厚が起こる可能性があります。発生頻度は低めですが、長期服用で歯肉に変化を感じたら歯科医にも相談しましょう。

    予防のポイント:
    • 毎日の歯みがきを丁寧に(特に歯と歯ぐきの境目)
    • 歯間ブラシ・デンタルフロスの併用
    • 歯科での定期クリーニング(半年に1回が目安)
    • 歯肉の腫れに気づいたら早めに歯科受診
    進行した場合は、医師の判断で他のCa拮抗薬(アムロジピン等)への切り替えを検討することもあります。
  4. むくみ(浮腫)
    足首などにむくみが出る場合があります。痛みやひどい腫れを伴う場合は、血栓など別の要因の可能性もあるため早めに受診してください。
  5. 重篤な副作用(非常にまれ)
    アナフィラキシー様症状や肝機能障害、血球減少など、まれに重篤な副作用が報告されています。もし発熱・全身のかゆみや発疹・倦怠感・黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)などが出た場合は、ただちに医療機関を受診しましょう。

詳しい発生頻度や具体的な症例は、厚生労働省やPMDA(医薬品医療機器総合機構)の報告書・製薬メーカーの公式情報に掲載されています。気になる方はそちらも参考にしてください。


5. よくある質問(Q&A)


血圧が下がりすぎたらどうすればいいですか?

めまいやふらつきなど、低血圧症状が強く出るときは無理をせず横になって安静にし、落ち着いてからかかりつけ医に相談しましょう。定期的に血圧を測定し、値が極端に低い場合は受診して処方の見直しをする場合があります。

ほかの薬との飲み合わせは大丈夫?

アダラートCR錠は、特にCYP3A4と関連する薬剤(クラリスロマイシン、イトラコナゾール、リトナビル等)、または降圧作用を強める薬や利尿薬などと併用すると、血圧低下が過度になる可能性があります。内服中のサプリメントや市販薬も含め、受診の際はすべて申告してください。

服用を続けていても血圧が下がらないときは?

生活習慣(食事や運動、喫煙・飲酒習慣)によって血圧に変化が生じる場合があります。まずは生活習慣の見直しと定期的な血圧測定が大切です。それでも改善が見られない場合は、主治医に相談のうえ、薬の種類や用量調整を検討してもらうことが必要です。

薬代の目安(先発品とジェネリック)

アダラートCR錠20mgの1錠あたり薬価は約16円(2026年5月時点)、ジェネリック(ニフェジピンCR錠20mg)は約10円前後です。1日1回20mgを30日服用した場合の目安は次のとおりです。

  • 先発(アダラートCR錠):薬価ベース月約480円/3割負担で月約140円
  • ジェネリック(ニフェジピンCR錠):薬価ベース月約300円/3割負担で月約90円
  • 40mgや80mgへ増量した場合は、それに応じて費用も増えます

※実際の支払いは診察料・調剤料が別途かかります。薬価は改定の影響を受けるため、最新は薬価サーチ等でご確認ください。


Ca拮抗薬の使い分け(アムロジピン・ニフェジピン・アゼルニジピン・シルニジピン)

同じジヒドロピリジン系Ca拮抗薬でも、半減期や副作用プロファイルが少しずつ違います。ニフェジピン(アダラートCR)は徐放性製剤として「1日1回で安定」を狙えるのが強みですが、患者さんの状態に応じて他剤と使い分けます。

項目ニフェジピン(アダラートCR)アムロジピン(ノルバスク)アゼルニジピン(カルブロック)シルニジピン(アテレック)
製剤の特徴徐放性(CR錠・噛まずに服用)長時間作用長時間作用+交感神経抑制長時間作用(心拍に優しい)
半減期長め(CR製剤)長い(約35時間)中程度中程度
むくみあり比較的多い比較的少ない少ない
歯肉肥厚あり(Ca拮抗薬共通)ありありあり
狭心症適応ありありなしなし
グレープフルーツ影響大(避ける)影響少ない影響あり影響あり

ニフェジピン(アダラートCR)はグレープフルーツの影響が大きいため厳格に避ける必要があり、CR錠は割らずに飲める方に向いています。むくみがどうしても気になる方にはアゼルニジピンシルニジピンが選択肢になります。ARB系(アジルサルタン等)との併用や切り替えもよく行われます。ARB7種類の比較もあわせてご覧ください。


6. まとめ

  • アダラートCR錠はカルシウム拮抗薬の一種で、徐放性製剤のため1日1回などの服用回数で持続的な効果が期待できます。
  • 血圧を安定させることで、脳卒中や心筋梗塞などのリスクを下げる可能性があり、多くの高血圧患者さんが利用している薬です。
  • 服用時は、用量・用法を厳守し、噛んだり割ったりせずに飲むこと、グレープフルーツジュースとの併用を避けることなどに気をつけましょう。
  • 副作用としては、頭痛やめまい、むくみなどがあり、いずれも気になる症状があれば早めに医師に相談してください。
  • 高血圧治療では薬に加え、生活習慣の改善が大変重要です。適度な運動・塩分制限・禁煙などもあわせて取り組んでいきましょう。

本記事は、医療機関受診のきっかけや参考情報を提供する目的でまとめています。実際の治療方針や服薬指示は患者さん個々の状況により異なりますので、必ず主治医や薬剤師などの専門家の指示を仰ぐようにしてください。

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この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)を修了し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/公衆衛生修士(MPH)/産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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