いびきが気になったら|自宅でできる睡眠時無呼吸症候群(SAS)検査・初診3,810円〜

夫のいびきが本当にうるさくて、寝てる間に呼吸が止まっているような時もあって心配です。本人は「元気だから大丈夫」と言うのですが…

そのいびきは睡眠時無呼吸症候群(SAS:サス)のサインかもしれません。「うるさい」だけの問題ではなく、高血圧・心筋梗塞・脳卒中・糖尿病・認知症・突然死のリスクを大きく上げる病気です。

日本人の成人男性の約14%、女性の約5%がSASとも言われ、多くは未診断のまま。

当院では自宅でできる簡易検査(送料込み3,810円)からスタートできます。この記事で、SASの症状・検査・治療・当院の対応をまとめてご紹介します。

いびき=SAS?セルフチェック

  • 大きないびき(家族から指摘される)
  • 呼吸が止まっているように見える(家族目撃)
  • 起床時の頭痛・口の渇き
  • 日中の強い眠気(会議中・運転中など)
  • 夜間に何度もトイレに起きる(夜間頻尿)
  • 朝起きてもスッキリしない
  • 集中力・記憶力の低下
  • 肥満(BMI 25以上)・首が太い
  • 家族にSAS既往者がいる
  • 高血圧・糖尿病・心房細動を治療中で改善しにくい

1〜2項目当てはまる方は検査を検討、3項目以上ある方は強く推奨します。

簡易セルフチェックは、「無呼吸ラボ」公式チェックサイトでも詳しく確認できます。

SASを放置するとどうなる?

影響内容
高血圧SASは二次性高血圧の最多の原因。薬で下がりにくい高血圧の方は要疑い
心筋梗塞・狭心症リスクが約2〜3倍
脳卒中リスクが約2倍
心房細動・不整脈夜間の不整脈、突然死の引き金
糖尿病インスリン抵抗性が悪化、HbA1cが下がりにくい
認知症慢性的な低酸素で脳機能低下。Lancet 2024でも重要因子
うつ・睡眠の質低下日中の倦怠感、集中力低下
交通事故・労災日中の眠気で運転中事故リスク↑
突然死重症例で夜間突然死リスク↑

「ただのいびき」と思って放置してきた方ほど、合併症が進行していることが多いです。

逆に治療開始すれば、血圧・血糖・睡眠の質・日中のパフォーマンスすべて改善する可能性があります。

SASの重症度(AHI)

指標内容
AHI(無呼吸低呼吸指数)1時間あたり何回、無呼吸または低呼吸が起こったかを示す指標
5未満正常
5〜15軽症SAS
15〜30中等症SAS
30以上重症SAS
20以上CPAPの保険適応になる目安(簡易検査での判定)

検査の種類

検査方法向き
簡易検査(アプノモニター)自宅で機器を装着して一晩眠る。指先・鼻で酸素・気流を測定スクリーニング、初期評価。当院対応
終夜睡眠ポリグラフ(PSG)病院に1泊して脳波・心電図・呼吸・酸素など総合的に測定詳細な確定診断、複雑な症例
パルスオキシメーター酸素飽和度を一晩記録参考程度

当院でのSAS検査の流れと料金

  • ① オンライン診療で初診:症状や家族からの目撃情報、合併症(高血圧・糖尿病など)を確認
  • ② 検査機器を郵送:自宅で一晩装着して眠る、を1〜2晩
  • ③ 機器を返送:解析機関で結果が出る(約1〜2週間)
  • ④ 結果説明:オンライン診療で結果と次のステップを説明
項目料金(保険3割負担)
初診(検査機器送料込み)3,810円
結果説明(2回目)370円
合計約4,180円

※対面の検査と比べて非常にリーズナブル。仕事や育児で時間が取りにくい方も自宅で完結します。

検査結果に応じた次のステップ

AHI次のステップ
正常〜軽症(5〜15)生活療法:減量・横向き寝・節酒・禁煙・鼻炎治療
軽症〜中等症(5〜20)口腔内装置(マウスピース):歯科で作製。下顎を前に出して気道を確保
中等症〜重症(20以上)CPAP(持続陽圧呼吸療法):鼻マスクで一晩中、気道に陽圧をかけて閉塞を防ぐ。当院では導入を行わず、近隣の連携病院(呼吸器内科・耳鼻咽喉科・循環器内科)にご紹介します
解剖学的問題(小顎・扁桃肥大・鼻中隔湾曲)耳鼻咽喉科・口腔外科での手術検討

CPAPについて

  • SAS治療のゴールドスタンダード。鼻にマスクを装着して空気を送り、気道の閉塞を防ぐ
  • 使い始めから血圧低下・日中の眠気改善・夜間頻尿改善を実感する方が多い
  • 保険適応の条件簡易検査でAHI 40以上、またはPSGでAHI 20以上+日中の眠気などの症状
  • 月1回の通院と機器のデータ提出が保険上の継続条件
  • 当院ではCPAPの導入・継続管理は行っていません。簡易検査で適応のある方は近隣の連携病院(呼吸器内科・耳鼻咽喉科・循環器内科の睡眠外来)にご紹介します
  • 連携先での導入後は、月1回の通院でCPAPの管理を続けていただきます

生活療法(CPAP前にもCPAPと並行しても)

  • 減量:体重5〜10%減でAHIが30〜50%改善することも。最大の介入
  • 横向き寝:仰向けで悪化する方は枕やテニスボールを背中に
  • 節酒:寝酒は気道周辺の筋を弛緩させ悪化
  • 禁煙:気道の炎症で悪化
  • 鼻づまり対策:花粉症・副鼻腔炎の治療、点鼻ステロイド
  • 口呼吸対策:口テープ(医師相談の上で)

参考:生活習慣病とその対策 Vol.6(肥満・メタボ)

SASと既存の病気の関係

  • 高血圧:SASを治療すると収縮期血圧が3〜10mmHg下がる高血圧のすべて
  • 糖尿病:HbA1cが0.3〜0.5%改善する報告。糖尿病の生活対策
  • 不眠症:実はSASで「眠りが浅い」のに不眠と誤認されていることも。不眠症の薬比較
  • 認知症:慢性的な低酸素は脳のダメージ要因。認知症予防 Vol.2
  • 心房細動:SAS治療でAfの再発が減ることが分かっています

当院の方針まとめ

  • 自宅でできる簡易検査(送料込み3,810円・結果説明370円)に対応
  • 結果に応じて生活療法のアドバイス
  • CPAP導入・継続管理は当院では行わず、近隣の連携病院へ紹介します(簡易検査でAHI 40以上の方/PSGでAHI 20以上の方)
  • マウスピースは歯科でご対応いただきます
  • 睡眠薬を希望される方でも、SASの可能性が高い場合は先に検査をお勧めします(睡眠薬がSASを悪化させるリスクのため)

よくある質問

検査機器の使い方は難しい?

難しくありません。指先のセンサー、鼻に細いカニューレ、胸にベルトを着けるだけ。1人で装着できます。

取扱説明書付き、わからなければ動画やサポート窓口もあります。

CPAPの導入は当院でできますか?

当院ではCPAPの導入・継続管理は行っていません。CPAPは月1回の対面フォローや機器データ確認が必要で、近隣の連携病院(呼吸器内科・耳鼻咽喉科・循環器内科の睡眠外来)にご紹介します。

当院では自宅でできる簡易検査を担当します。検査結果を踏まえて、必要な方はスムーズに連携先で導入を進めていただけるよう紹介状をお渡しします。

マウスピース希望の方は歯科への紹介、生活療法での経過観察希望の方は当院での減量・節酒指導など、状況に合わせてサポートします。

体型が普通でもSASになりますか?

はい。痩せ型・小顎・扁桃肥大・鼻中隔湾曲などの解剖学的問題でもSASは起こります。

BMIだけで判断せず、家族からのいびき・呼吸停止の目撃情報を重視してください。

CPAPは一生使うの?

減量や手術で改善すればCPAPを外せる方もいます。

体重を10〜15%減らすとAHIが大きく改善することがあり、減量で軽症化→CPAP終了が目指せます。

改善には数か月〜数年かかるので、まずはCPAPで症状を抑えながら並行して取り組むのが現実的。

CPAPの月々の費用は?

保険適応なら月3,000〜5,000円程度(3割負担)。

長期的に見ても降圧薬・心血管病リスク低下のコスト効果は高いです。

検査前に何か準備は?

普段通りに過ごしてOK。検査当日の寝酒・睡眠薬・カフェインは控えるとより正確な結果が出ます。

体調不良(風邪・鼻炎ひどい)の時は避けて、改善してから検査をおすすめします。

家族がいびきで困っています。本人が「検査したくない」と言います

ご家族の心配を伝えるとともに、「短時間のオンライン診療で話を聞くだけでもOK」と誘ってみてください。

当院ではご家族同席のオンライン診療も可能です。

本人より家族のほうが症状を把握していることが多く、診療の助けになります。

CPAPを使い始めても全然眠れません

慣れに2〜4週間かかるのは普通です。マスクのサイズ・空気圧の調整、加湿器の有無で快適性が大きく変わります。

対面の睡眠外来で再調整・サポートを受けてください。

「無呼吸ラボ」って何ですか?

無呼吸ラボは、フィリップス社が運営するSASのチェック・情報サイト。

簡単なセルフチェックや、SASの仕組みを動画で学べます。

当院受診前に一度ご覧いただくと、症状理解と検査の必要性の判断に役立ちます。

もう少し詳しく

SASのタイプ(OSA・CSA・ミックス)

OSA(閉塞性睡眠時無呼吸):上気道の閉塞によるもの。SASの大多数。CPAP・マウスピースで治療

CSA(中枢性):脳の呼吸中枢から信号が出ないタイプ。心不全・脳卒中後に多い

ミックス(混合型):両方の要素あり

簡易検査ではタイプの完全鑑別は難しいことがあり、必要時はPSGへ。

SASと交通事故のデータ

SAS患者の交通事故リスクは健常者の2〜7倍と報告されています。

欧州や米国では運転免許の条件にSAS治療を求める国も。

日本でも、職業ドライバーの方は健康診断でSASスクリーニングが推奨されています。

SASと夜間頻尿

SASでは夜間に体内の心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)が増え、夜間に尿を作りやすくなります。

CPAP治療で夜間頻尿が劇的に減る方も多く、「夜何回もトイレに起きる」の原因がSASだった、という例は少なくありません。

高齢男性の前立腺肥大と思っていたら実はSASだった、というケースも。

日本のSAS診療体制

日本では睡眠呼吸専門医が呼吸器内科・耳鼻咽喉科・循環器内科・歯科に分散して在籍。

中等症〜重症と判定された方は、地域の睡眠呼吸外来またはCPAP対応のクリニックへ紹介します。

大阪では大阪睡眠医療センター・各大学病院の睡眠外来などが代表的。

参考文献・情報源

  • 日本呼吸器学会・日本睡眠学会「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020」
  • Peppard PE, et al. Increased prevalence of sleep-disordered breathing in adults. Am J Epidemiol. 2013.
  • Marin JM, et al. Long-term cardiovascular outcomes in men with OSA-hypopnoea. Lancet. 2005.
  • 無呼吸ラボ(https://659076.jp/)

まとめ

  • SASは「うるさいいびき」だけでなく命に関わる病気
  • 高血圧・糖尿病・心房細動・脳卒中・認知症・突然死のリスクを上げる
  • 自宅でできる簡易検査からスタート(当院は初診で送料込み3,810円、結果説明370円
  • 結果に応じて生活療法/マウスピース/CPAP
  • CPAP導入は近隣の連携病院へご紹介します(当院では行いません)
  • 不眠で睡眠薬を希望される方も、SASの可能性が高い場合はまず検査を

「夫(妻)のいびきが心配」「日中の眠気が強い」「血圧が下がりにくい」とお感じの方は、お気軽にオンライン診療でご相談ください。

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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